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サンロッカーズ渋谷、新潟とオーバータイムの激戦落とす 今季3敗目

9分の8と高確率でシュートを決めたファイ・サンバ選手

9分の8と高確率でシュートを決めたファイ・サンバ選手

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 Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が11月10日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で新潟アルビレックスBB(以下、新潟)と対戦した。観客数は2441人。

古巣相手にスタメン出場を果たした渡辺竜之佑選手(中央)

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 「第1クオーター(Q)がこの試合を物語っている」と振り返った伊佐勉ヘッドコーチ(HC)。前日の試合も立ち上がりで苦しみ、「エナジーを出してディフェンス(DF)から流れを作ろうと話していた」(ベンドラメ礼生選手)と言うが、「インサイドからの攻めに受け身になって、スローなテンポに合わせてしまった」(同)。加えてシュート率が低迷したことや、前半でベンドラメ選手が2つ、ライアン・ケリー選手が3つとファウルがかさんだことも痛手となった。

 ケリー選手がファウルトラブルとなる中、チームに貢献したのはファイ・サンバ選手。これまでなかなかプレータイムを得られていない中、「いつ試合に出てもいい仕事ができるように準備している」と言う言葉を体現するかのように、この日は9分の8の確率でシュートを決め16点をマーク。「いつもやってくれている選手たちがうまくいかない時は、逆に誰かがやらないと。それがチーム。今日は意識してやった」と振り返る。サンバ選手の貢献は会場のファンにも届いたようで、交代でベンチに下がる際には大きな拍手が送られていた。

 2桁のビハインドを負う場面が2度3度見られたが、田渡修人選手が「力があるのは分かっている」と言うように、その度に盛り返したSR渋谷。最終Q残り14秒からのオフェンス、ベンドラメ選手が放ったジャンプショットがリングにはじかれるも、「HCからリバウンドに絡めとずっと言われていたので意識していった」という杉浦佑成選手がボールを取り、ファウルを受けながらもシュートをねじ込み同点に追いついたが、その後のフリースローを外し延長に突入。92-97で敗れ今季3敗目を喫した。杉浦選手は「(リバウンドに絡むことに)少しでもチャレンジできたのは良かったし、ステップアップはしたと思うが、あのような場面でフリースローを決めることができるように強いマインドをもって臨めるようにしたい」と前を向く。

 これまでスターティングメンバー(スタメン)で出場していた石井講祐選手がけがで戦線離脱した中、今節スタメンに起用されたのは、昨シーズン新潟に所属していた渡辺竜之佑選手。試合直前のミーティングで伝えられたといい「素直にうれしかった」と振り返る。新潟のファンも多く来場する中、「成長した姿を見せられたら」と試合に臨んだ。第2Qにはスチールしセバスチャン・サイズ選手のダンクをアシスト。「ロールターンをしたらラモント(・ハミルトン選手)が寄ってくると思った。予想通りだった」と振り返る。さらに第3Qには「打つしか無いと思いっきり打った」3ポイント(P)シュートがブザービーターとなり会場を盛り上げた。だが、今節は1勝1敗となり「連勝する気持ちだったので悔しい」と唇をかんだ。

 最終Q、「点を取らないといけない」と、得意とするドライブ(ドリブルでリングにアタックするプレー)からのレイアップで3連続得点を重ね、追い上げの起点となったベンドラメ選手だが、「残り4・5分でゲームを壊してしまった印象があり責任を感じている。行かなくていいシュートもあったし、もったいないパスミスもあり見極めることが僕の課題。そこを引っ張っていくのは僕、受け止めていきたい」と力を込めた。

 今節はチーム全体でシュートに苦しんだ。中でも3Pは20%台と低迷した。シューターの1人石井選手が欠ける中、その役割を担った1人の田渡選手は「気負った部分も無かったしタッチも悪くなかったが、決め切れなかったこの2試合は自分の弱さ。若い選手も多い中、(中堅である)自分が決めないと」と悔やむ。「負ける時のパターンは似ている。まだ試合数が少ないので、俺らはまだ伸び代があると捉えたい。本当にこれから」とも。

 今節は試合前に、火災で正殿などが全焼した首里城再建に向けた募金活動を行った。沖縄を拠点とする琉球ゴールデンキングス(以下、琉球)が再建支援に向けステッカーを販売するなど活動する中、沖縄にゆかりのあるスタッフや選手が複数いることから活動に協力した。

 ニュースで映像を見て「何じゃこれと思った」という伊佐HCは、「一番は沖縄の人間は強いので、絶対に負けないという意味を込めて、何かできないか」と自らクラブの広報に相談。新潟に所属する沖縄出身の上江田勇樹選手と琉球でプレーした経験のある青木勇人(たけと)アソシエイトコーチにも声を掛けたという。SR渋谷からは、琉球でアシスタントコーチ(AC)を務めた経験のある浜中謙ACも「以前いたチームというのはどこに行っても気になっている」と、共に募金を呼び掛けた。

 「先祖が首里城に住んでいた方で、そういった血のつながりもあり誰よりも強い思いがある」という山内選手は、「すごくショックで残念で、苦しい思いをしたが、沖縄の人は明るい性格で下を向かずに再建に乗り出そうとしていることを心強く感じている」と言い、「少しでも恩返しできれば」と、那覇市のクラウドファンディングも個人的に支援したという。「台風の被害もあった方々も大変だが、首里城も全国の皆さんが手と手を取り合って助けてくれるのを期待している」と力を込めた。渡辺選手は「沖縄の出身の人たちにとって宝物なので、知ったときはショックだった。早く復興してほしい」とも。集まった募金は琉球を通して全額寄付される。

 SR渋谷は今月16日・17日、同所で京都ハンナリーズと戦う。

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