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原宿で「江戸の凸凹」展 浮世絵に描かれた坂道や谷など

谷や坂など地形が分かる作品が並ぶ場内

谷や坂など地形が分かる作品が並ぶ場内

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 浮世絵に描かれた江戸の地形に焦点を当てた企画展「江戸の凸凹―高低差を歩く」が現在、原宿の浮世絵専門美術館「太田記念美術館」(渋谷区神宮前1、TEL 03-3403-0880)で開催されている。

かつて目黒にあった富士塚を描いた作品

 近年、高低差や坂道などの視点での街歩きがテレビや書籍で取り上げられている。東京は西側に武蔵野台地、東側に低地が広がっており、その間が崖になるなど「高低差に富んでいる」。現代の東京と江戸は、街並みは全く異なるが地形の特徴は「当時からほぼ変わらずに残っている」ことから、作品に描かれた山や谷などいろいろな地形を見ることで浮世絵や「江戸の風景も身近に感じられるのでは」と企画した。

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 展示するに当たり東京のエリアを10に分け、場内では「地形の面白い(=凸凹がすごい)順」に展示。80点中70点は歌川広重の作品となる。最初は「坂道」のコーナーで、広重が坂のみを描いたシリーズ「東名所坂つくし」(天保末期ごろ)の中の九段坂や虎ノ門にある江戸見坂などを描いた作品が並ぶ。

 御茶ノ水・神田エリアの一角には、人工で削られた神田川の渓谷を描いた葛飾北斎の弟子・昇亭北寿の「東都御茶之水風景」(1804~18年ごろ)、水道橋の筧(=水を引くためのとい)の近くの川で釣りをしている人が誤って「人を釣っている」場面を描いた歌川広景の「江戸名所道戯尽 四 御茶の水の釣人」(1859年)などが並ぶ。王子・飛鳥山のエリアでは飛鳥山から富士山や筑波山を眺める作品や、飛鳥山の形が分かる「江都名所 王子稲荷」(広重、天保中期ごろ)などが見られる。

 担当学芸員の渡邉晃さんが「高低差が一番すごいと思った」と話したのが目黒エリアで、2カ所あった富士山を模して造られた人工の塚「富士塚」などを紹介する。上野のエリアには、今回の出展作品の中で最も古い時代の作品となる、半島状になった上野の台地を描いた歌川豊春の「江戸名所 上野仁王門之図」(1770年ごろ)が並ぶ。

 「埋立地がキーワードになる」低地を描いた作品は、大坂の漁師だった森一族が埋め立てた佃島を描いた「東都名所 佃島初郭公」(広重、1831年ごろ)、隅田川の砂州を埋め立てて繁華街を作った中州を描いた作品などが見られる。一部は現在の写真も並べ比較できるようにしたほか、来館客には参考資料として作品に描かれている10エリアの地図を渡す。

 開館時間は10時30分~17時30分(入館は30分前まで)。月曜休館。入館料は、一般=700円、大高生=500円、中学生以下無料ほか。6月26日まで。

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