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渋谷区、「認知症予防」に向けソニーなどと協定締結 「アイボ」などテクノロジー活用も

長谷部健渋谷区長(左から2番目)や認知症予防大使の徳光和夫さん(同3番目)ら

長谷部健渋谷区長(左から2番目)や認知症予防大使の徳光和夫さん(同3番目)ら

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 「認知症予防の日」である6月14日、渋谷区は一般社団法人日本認知症予防学会(福岡県北九州市)、ソニー(港区)と認知症に関する協定を締結した。

「認知症になっても展」の開場にもアイボを置く

 厚生労働省によると、高齢化に伴い2025年には約5人に1人の約700万人が認知症または予備軍になると推計されている。渋谷区では、両社と協定を結ぶことで認知症予防を推進するため「認知症と共生する大人の街、高齢者が豊かに暮らせる街」のモデル構築を図る。

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 認知症を「大きな社会課題」と位置付ける長谷部健渋谷区長は「当事者だけでなく周りの方々の意識の変化も求めていかなくてはいけない。認知症について正しい知識を持つことでサポートする人も増えると思うので、啓発することは重要」と話す。

 日本認知症予防学会は、各地域で認知症の予防に関する取り組みなどを行っている。そのデータを区と共有するなどして「認知症になる人を1人でも減らせたら」(浦上克哉理事長)と考える。同会では昨年「認知予防の日」を制定し、フリーアナウンサーの徳光和夫さんを「認知症予防大使」に任命している。今後は徳光さんのイベント出演などを通して認知症施策の推進なども図っていく。

 ソニーはAI(人工知能)を搭載した犬型ロボット「aibo(アイボ)」を手掛けている。人と触れ合いながら学習・成長するだけでなく、今年2月には子どもや高齢者など家族の様子を伝える見守り系サービス「aiboのおまわりさん」を導入した。ソニーでは、介護施設や保育園などに導入しアイボとのコミュニケーションを通した効果などを検証している。アイボは医療機器ではないが、ソニーのAIロボティクスビジネスグループ事業企画部統括部長の矢部雄平さんは「コミュニケーションの観点で、老若男女問わず癒やしの効果やコミュニケーションの活性化に一定の期待はできるのでは」と期待を込める。

 長谷部区長は「テクノロジーで見守るサービスも出始めているので、テクノロジーと区の政策がどう可能性があるか取り組んでいきたい。決まったことはないが、区が造っていく特別養護老人ホームにも最新のものを取り入れる可能性もある」と話す。区ではこれまでにもアイボを特別養護老人ホームに導入した例があり、「介護をする人の気持ちを和らげる効果も感じている。どんどん取り入れて、どういう反応が出てくるか考えていきたい」とも。

 同日から渋谷区役所(渋谷区宇田川町)15階の「スペース428」では「認知症なっても展」を開催。認知症や認知症予防についてや、認知症に対する企業や大学の活動などをパネルで紹介するほか、関連職員が認知症に関する本を選んだライブラリーコーナー、認知症の人やその家族、地域住民、専門家などが集まり交流や情報交換をする「オレンジカフェ(認知症カフェ)」などを展開。来場者が自由に演奏できるピアノやアイボも置き触れられるようにする。

 ステージでは、徳光さんらがトークや来場者を巻き込んでカラオケを行うイベントや、認知症医療の医師らのトーク、落語家・立川志ららさんの「シナプソロジー(左右で違う動きをするなど脳に刺激を与える)落語」、元JUDY AND MARYのドラム五十嵐公太さんと打楽器「スティールパン」奏者のオカピさんのパフォーマンスなどを行う。

 6月26日~28日には映画「ケアニン~あなたでよかった~」の上映会も開く。漠然とした理由で専門学校に進学し介護福祉士になった青年が、初めてメインで担当した認知症の老婦人との触れ合いを通して働くことの意味や人と人、人と地域のつながりを描いている。

 開催時間は9時~17時(今月18日は13時~)。入場無料。土曜・日曜定休。今月28日まで。

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