渋谷川沿いに若者を支援する実験拠点「100BANCH」 パナソニックが開設

JR渋谷駅新南口近く、渋谷川沿いにオープンした「100BANCH」の外観

JR渋谷駅新南口近く、渋谷川沿いにオープンした「100BANCH」の外観

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 JR渋谷駅新南口近くの渋谷川沿いに7月7日、パナソニック(大阪府門真市)がオープンイノベーション拠点「100BANCH(ヒャクバンチ)」を開設した。同社創業100周年記念事業の一環。

運営者3人(ロフトワーク、パナソニック、カフェカンパニー)

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 創業者の松下幸之助が1918(大正7)年、自宅ガレージで「松下電気器具製作所」創業してから100年。「次の100年を築く実験区」をコンセプトとし、同社は次世代を担う若い世代と共に100のプロジェクトを実践するための実験の場を設けた。企画には、同社が大阪で運営する「Wonder LAB Osaka(ワンダーラボ大阪)」のグランドコンセプトデザインなどを手掛けたロフトワーク(道玄坂1)が協力する。

 同社コーポレート戦略本部経営企画部長・村瀬恭通さんは「次の100年を考えた時、われわれの力だけでは限界に来ている。社内だけでは井の中の蛙(かわず)になるので、外部や学生など若い人たちとふれ合うことで、イノベーションの大きな起爆剤になると思う」と期待を込める。

 3階建ての同施設は築41年の建物で、今回のオープンに向けてスキーマ建築計画・長坂常さんが空間デザインを担当し、ビル1棟をリノベーションした。1階は「新たな食の体験を探求する」カフェスペース「KITCHEN(キッチン)」。同フロアはカフェカンパニー(神宮前5)が企画・運営を行い、今秋の開業を予定。17年前に同施設近くの旧東横線高架下に創業1号店「Shibuya Underpass Society」を開業しており、同社にとって縁のある土地での出店となる

 2階は一般公募で選ばれたプロジェクトチームが入居し、さまざまな活動を行うワークスペース「GARAGE(ガレージ)」。約300平メートルのスペースは、プロジェクトに合わせて自由に構成。天井には、松下幸之助が初期プロダクトである「二股ソケット」を使ったオリジナルの照明機器を設置する。フロアは、さまざまな人々と交流しながらプロジェクトを発展させていくため、誰でも自由に出入りできるオープンスペースとなっている。3階は天井が高く開放感あるコラボレーションスペース「LOFT(ロフト)」。ミートアップや発表会などイベントスペースとして活用。2階・3階の運営は、パナソニックとロフトワークが行う。

 開設に先立ち、2階・ガレージの入居者を公募し、68件の応募案件の中から13件が決定。主なプロジェクトは、世界中で日本伝統の「ふんどし」を楽しむ未来をつくる「Shift→プロジェクト」、食べておいしい昆虫料理を創造する「Future Insect Food」、料理上手のおばあちゃんの家でご飯が食べられるサービスの実現を目指す「Re:recipe」など。さまざまな分野の専門家21人が審査を行い、採択後もメンターとして支援していく。一般公募は今後も行い、随時、新しいプロジェクトを追加していくという。

 長谷部健渋谷区長は「世代や国境、性別などを超えて、多くの人と語り合い交じり合うことで、アイデアは生まれるもの。渋谷を代表する、アイデアが集まる場所になってほしい」と期待を寄せた。  

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