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東京都写真美術館がリニューアル 「トップミュージアム」の愛称も

JR恵比寿駅方面の美術館外観

JR恵比寿駅方面の美術館外観

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 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)が9月3日、リニューアルオープンした。管理・運営は東京都歴史文化財団グループ(東京都歴史文化財団・鹿島建物総合管理・アサヒビール)。

明るく開放的な空間に仕上げた地上1階エントランスホール

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 日本における写真・映像文化の充実と発展を目的に1995年に総合開館した、写真と映像の総合的な美術館となる同館。3万3000点以上の作品を収蔵しているほか、これまでに460本以上の展覧会を開催。そのほか、ワークショップやスクールプログラムなどの教育普及活動、映画上映なども行っている。都が順次行っている都立美術館改装の一環で、2014年9月から長期休館して改修工事を行っていた。工事費は約30億円。

 敷地面積は3227平方メートル。地下1階~地上4階の5階建てで、延べ床面積は約7520平方メートル。地下1階・地上2階・3階の3フロアに展開する3室の展示室をはじめ、地上1階には映画上映ホール(190席)や教育普及活動を行うスタジオ、事務所を置く4階には写真・映像専用の図書室を併設するなどしている。

 リニューアルに合わせ、英語館名「Tokyo Photographic Art Museum」の頭文字の一部から命名した「TOP MUSEUM(トップミュージアム)」を愛称に決定。写真・映像の美術館として「トップを目指したい」という思いを込めたという。

 今回の改修では、総合開館から約20年がたった建物の機能維持・修繕を図ったほか、来館者増加に伴う課題の改善、環境負荷の低減にも配慮。エレベーターは1基から2基に増設し、展示室の空調は機器更新とシステムを改善。照明には美術品専用のLED器具を採用するなどした。

 恵比寿駅側のメインエントランスは間口を広げサインを掲出することで視認性を高め、ロビーは明るく開放的な空間に拡張。大理石「タソスホワイト」の壁面に、ホール前のオレンジ色のカーペット、総合受付カウンターの木材で温かみを演出する。地上2階、南口のホールは3階へ上がる階段を無くし、天井高を生かした空間に仕上げ、スクリーンなどの映像・音響機器などの設備を導入。同階に地上1階で営業していたミュージアムショップ「ナディッフ バイテン」を移転した。

 地上1階西側出入り口直近に移転したカフェには、代官山に店舗を構える「メゾン・イチ」(約40席)が出店。北海道産小麦と液体天然酵母で作るパン(200円~)やシャルキュトリー(400円~)、タルト(400円)、ドリンク(350円~)など、同館オリジナルメニューを提供する。

 映像展などを行う地下1階の展示室(532平方メートル)は可動壁のサイズを大きくし、収蔵作品を中心に構成する展覧会などを行う地上2階・3階の展示室(各495平方メートル)は、床材をカーペットからフローリングに変えてホワイトキューブの展示空間とした。同日始まった現代美術家・杉本博司さんの「ロスト・ヒューマン」展を皮切りに、来夏まで開館20周年記念展を開いていく。

 荒木誠副館長は「また訪れたい、誰かに紹介したいと思っていただける、トップの感動を届けられるよう、美術館活動を充実させていきたい」と意欲を見せる。

 開館時間は10時~18時(カフェやショップは一部異なる)。

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