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原宿に「カワイイモンスターカフェ」 プロデューサー増田セバスチャンさんらに聞く

(写真左から)プロデュースした増田セバスチャンさんとダイヤモンドダイニング松村厚久社長

(写真左から)プロデュースした増田セバスチャンさんとダイヤモンドダイニング松村厚久社長

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 原宿・明治通り沿いの商業施設「YMスクエア」(渋谷区神宮前4)4階に8月1日、コンセプトレストラン「KAWAII MONSTER CAFE(カワイイモンスターカフェ)」がオープンする。経営はダイヤモンドダイニング(港区)。

提供予定のパスタやパフェなどカラフルな料理

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 原宿の人気雑貨店「6%DOKIDOKI(ロクパーセントドキドキ)」(神宮前4)などを手掛ける、アーティストでアートディレクターの増田セバスチャンさんがプロデュースする同店。ダイヤモンドダイニングが昨年、社長・松村厚久さんのふるさとである高知発祥の「よさこい祭り」に参加した際、制作プロデューサーとして増田さんが参加したことが両者の出会い。増田さん自身、飲食店をプロデュースするのは初めてながら、外国人旅行客らが原宿に来ても「行く場所が無い」という声を耳にしていたことから、「原宿の象徴となるようなカフェ」を目指した。

 「集まってくる子たち自身が、いろいろなものを飲み込んでオリジナルにしていく世界唯一の都市である原宿は街自体がモンスター」(増田さん)であることから、増田さんがけん引してきた「カワイイ」文化と「モンスター」を組み合わせ、「モンスターの胃の中」をコンセプトに作り上げた。

 店舗面積は212坪。席数はテーブルやソファ、カウンター席など193席。同店のイメージキャラクター「チョッピー」の口をイメージしたエントランスを通った先には、高さ4メートル以上になるケーキ型のメリーゴーラウンドを設置。

 店内は異なる4つのゾーンで構成。照明になっているほ乳瓶と、ほ乳瓶からミルクを飲むウサギ・羊・ユニコーンの頭部のオブジェを天井からつっている「MILK STAND(ミルクスタンド)」、板チョコをイメージした壁やアイスクリーム、マカロンのオブジェを飾る「Mel-Tea ROOM(メルティールーム)」、クラゲをイメージしたカウンター席の「BAR Experiment(バーエクスペリメント)」。カラフルで毒々しいキノコや植物のオブジェが天井を覆う「MUSHROOM DISCO(マッシュルームディスコ)」エリアの奥には、真っ赤な椅子やテーブル、唇のオブジェを配置する一角も用意。来店客は入店時に好きなゾーンを選べる。

 メニューは「おいしさ」「楽しさ」「フォトジェニック」を意識。マスタード・バジル・ケチャップなど5色のディップソースに付けて食べる赤や黄・青・紫などに着色した生パスタのペペロンチーノに、4種のアイスやブルーベリーやイチゴなどのフルーツ、緑やオレンジの生クリームなどを盛ったパフェなどカラフルなメニューも用意。メキシコの料理に着想を得た、焼いたチキンにチョコレートソースを付けて食べる料理や、ニューヨークではやっているというフライドチキンとワッフルにメープルシロップをかける「ワッフルチキン」など、増田さんが世界で出合った料理も取り入れる。「バーエクスペリメント」限定ドリンクとして、試験管に入れたシャンパンにカプセルに入った砂糖を加えて飲むカクテルも用意。想定客単価は2,500円。

 iPadを活用するメニュー表は、「チョッピー」をかたどったものやケーキ型などにデコレーション。メニュー表は英語にも対応するほか、外国人客には、それぞれの出身国の国旗シールを貼ったカラフルな箸を無料で提供し持ち帰れるようにするなどして「おもてなし」にも力を入れる。来店回数に応じてランクアップするポイントカードを導入し、ランクに合わせてピンクの毛並みの大きな猫をディスプレーした個室が利用できるようにするなど、受けられる特典を変える。

 オープンに先駆けて公募したアイコンとなるスタッフ「MONSTER GIRL」は、「ベイビー」「ドーリー」「クレイジー」など異なるキーワードを表現したビジュアルで、来店客をアテンドしたり撮影に応じたりする。コスチュームのディレクションは、ファッションブロガーでジャーナリストのミーシャ・ジャネットさんが担当しているほか、コスチュームデザイナーTOMO KOIZUMIさん、ヘアスタイリストKUNIO KOHZAKIさんも参加している。

 増田さんとの取り組みについて、松村さんは「増田さんの能力を使わない手はないと思った。(メニューについても)意見をもらって『そんなものを作るんだ』と発想が全く違った」と振り返り、「オンリーワンの店。他がまねできない全てがオリジナル」と胸を張る。

 「すごく大変で、やっとホッとしている。やりたいことは結構やれたので、あとはお客さんがいっぱい入ってくれたら」と期待を込める増田さん。「(カワイイ文化を)作り上げてきた僕がやるので『本物は違う』というのを見てもらいたいと思った。『カワイイ』という言葉が世界に派生している分、先入観・固定概念がある。フワフワしたイメージの『カワイイ』の裏面にある狂気や子どもの持つ残虐性なども織り交ぜながら、『beyond the KAWAII』=誰も見たことがない、『カワイイ』を超えた『カワイイ』、近い未来の東京をこのカフェを通じて提案したい」という。今後の取り組みについては、「これが受け入れてもらえたら次が見えてくるのでは」とも。

 営業時間は11時30分~22時30分(8月1日~4日は18時まで)。ゾーン(席)チャージ=1人500円。90分制。

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