岡本太郎記念館(港区南青山6、TEL 03-3406-0801)で9月13日・14日、月見イベント「One Night Illusion」が開催される。
岡本太郎の作品の「夜の表情を見てもらいたい」と、年に一度秋に開館時間を2時間30分延長して実施する同イベント。館内や庭などに設置される岡本の作品や施設全体に映像を投影することで、日中とは異なる幻想的な空間を演出する。2009年に初開催し今年で5回目を迎える。今年は初めて2日間実施する。
今年のテーマは「目覚め」。2010年から同イベントに参加し、今年の総合制作を手掛けた映像作家の大口遼さんは「太郎さんに対して新しい発見をする・目覚めるという意味と、同イベントを体感した人が自身の新しい面に気が付く・目が覚めるという意味を込めた」と話す。
庭に設置されている彫刻には油彩の映像を重ねてプロジェクションマッピングするほか、一角に用意する大型スクリーンでは作品を投影するライブペインティングを予定。館内では、インタラクティブな参加型映像やヘッドホンの使った音楽と映像を融合した演出、白いキャンバスへの映像投影も行う。今年のBGMにはアーティストによる生演奏を初採用。当日は庭のやぶの中で演奏するという。
大口さんは同イベントを「塔のように毎年積み上げていくもの」とし、「さまざまなジャンルのアーティストたちが集まって太郎さんの作品を再構築し、モチーフを組み合わせて一つの生き物、別の物を生み出す所が挑戦であり面白いところ」と話す。「今年は新しいことに挑戦しつつ、皆が気軽に楽しめる祭りのようなイベントを目指している。写真を撮ったり、白い服を着て来て映像を服に投影したり、参加する気持ちで来ていただければ一層楽しめるのでは」と来場を呼び掛ける。
同館学芸員の布山かおるさんは「夜の記念館の姿が見られるのは1年でこの時のみ。とても刺激的な夜を過ごせると思う」とも。
上映時間は両日18時30分~20時30分(5回入れ替え制)。観賞には整理券が必要で、各日17時30分から同館入り口で配布する(各回40枚予定)。入館料は、一般620円、小学生310円。