プレスリリース

KaleidoPath、オフィス空間における香りの効果を実証

リリース発行企業:株式会社KaleidoPath

情報提供:





空間データ分析サービス「COCOSTAT」で香りの有無による利用行動の変化を可視化。ニューロダイバーシティに配慮した“選べる香り”設計の効果を、行動データと利用者アンケートの両面から検証しました。

香りを通じて空間・コミュニティの体験価値を高める株式会社KaleidoPath(本社:〔東京都港区〕、代表取締役:清水寛太、以下「KaleidoPath」)は、株式会社丹青社の協力のもと、丹青社の品川オフィス内の集中ブース・リラックスブースを対象に、香りが空間の利用状況および利用者の主観的な生産性感覚に与える影響を検証する実証実験(以下「本実証」)を2026年4月に実施しましたので、お知らせいたします。

本実証では、KaleidoPathがシトラス・ウッディ2種の香りを選定・設計して各ブースに導入し、丹青社が提供する空間データ分析サービス「COCOSTAT(ココスタット)」を用いて、香りの有無による空間利用の変化を可視化しました。あわせて利用者アンケートによる主観評価を組み合わせ、香りが空間体験と利用行動に与える影響を定量・定性の両面から検証しています。



その結果、香りを導入した集中ブースでは利用回数が40%増加し、導入前にはほぼ見られなかった30〜120分の中長時間利用が新たに出現。リラックスブースでは平均利用時間が21分から29分へと拡大するなど、香りが空間の「使われ方」を変える可能性が示されました。利用者アンケートでも、リラックス後の作業生産性向上への期待が全エリアでプラス(リラックスブース全体で平均+53.2pt)となり、香りが空間体験の質を高める一因となり得ることが確認されました。
取り組みの背景
近年、ハイブリッドワークの定着を背景に、オフィスは単なる業務の場から、集中・リラックス・創造といった目的に応じた「体験の場」へと再定義されつつあります。健康経営やウェルビーイング、DE&I(多様性・公平性・包摂)への関心が高まるなか、働く人が心地よく、それぞれの感覚特性に合わせて力を発揮できる環境をどう設計するかが、多くの企業に共通する課題となっています。

KaleidoPathは、空間やコミュニティの目的に応じた香りの設計を通じて、人と場、人と人の関係性を深める事業を展開しています。香りは記憶や感情との結びつきが強く、無意識のうちに気分や集中状態に働きかける感覚要素です。しかしながら、その価値はこれまで定性的な評価にとどまりやすく、実際の利用行動との関係を定量的にとらえることが課題でした。

そこでKaleidoPathは、赤外線センサーで個人を特定せずに空間の利用状況を可視化できる丹青社の空間データ分析サービス「COCOSTAT」に着目。両社の知見を組み合わせ、香りが空間利用および利用者の主観評価に与える影響を、定量的・定性的に明らかにする本実証を実施しました。



実証実験の結果

1. 集中ブースの空間利用データ
集中ブース3室のうち、ブース1.を対照区(全期間香りなし)、ブース2.3.に香りを導入し、利用回数・利用時間の変化を計測しました。



香りを導入した集中ブース3.では、利用回数が10回から14回へと40%増加しました。導入前にはほぼ見られなかった30〜120分の中長時間利用が新たに確認されており、香りが腰を据えた集中作業のきっかけになり得ることが示唆されます。
2. リラックスブースの空間利用データ
リラックスブース2室(利用目安:30分以内)に香りを導入し、利用状況の変化を計測しました。



リラックスブース2.では、平均利用時間が21分から29分へと拡大しました。短時間の立ち寄りが減少した一方で60分以上の滞在が増加しており、香りの導入が利用者の空間への定着を促した可能性が考えられます。


図1:香り導入前後の空間利用の変化(集中ブース3.の利用回数/リラックスブース2.の平均利用時間)

3. 利用者アンケート:作業生産性向上への期待
利用者アンケートでは、リラックス後の作業生産性向上への期待を−100pt(とても低下しそう)〜+100pt(とても向上しそう)のスケールで計測しました。全エリアにわたって+40pt以上のスコアが確認され、香りが気分転換や作業への意欲向上に寄与したことが示されました。

※スコアは「とても低下しそう=−100pt、どちらともいえない=0pt、とても向上しそう=+100pt」として各回答の位置から算出した、利用者の主観的な期待値であり、生産性の実測値ではありません。


図2:リラックス後の作業生産性向上への期待(エリア別・利用者の主観評価)

4. 利用者からの声
自由記述欄には、香りを通じた体験に関するコメントが多数寄せられました。以下は代表的な声の一部です。

【リラックスエリア】
「アロマがこのブースを使ってみるきっかけになりました。はたらく環境の香りって、けっこう大切だと思います。」
「ウッディアロマで短時間でリフレッシュできました。香りがあると気分の切り替えができて、とても良いと思いました。」
「主張しすぎない香りで、部屋が心地よい空間になりました。ふわっと香るのが良かったです。」

【集中エリア】
「いい香りが嗅げると聞いて、初めて集中ブースに来てみました。ウッディの香りは少し甘みがあり、リラックスできて、午後もすてきな気持ちで仕事ができました。」
「ちょっと気分を変えて集中したいときに効果的でした。量と置く場所を自分で調整できるのも良いと思いました。」
「集中力が高まる気がしました。ずっと作業していても疲れを感じにくかったです。」
KaleidoPathの香り設計 ―「使わない自由」まで設計する
働く人の感覚の感じ方は一人ひとり異なります。同じ香りでも「心地よい」と感じる人がいれば、「強すぎてつらい」と感じる人もいます。KaleidoPathはこの違いを“直すべきもの”ではなく“前提”ととらえ、ニューロダイバーシティ(感覚の多様性)の観点から香り環境を設計しました。
本実証では、次の4つの原則にもとづいて香りを設計しています。
1.刺激量を利用者自身が調整できる(量・置き場所を選べる)。
利用者アンケートでも「量と置く場所を自分で調整できるのが良い」「アロマがこのブースを使うきっかけになった」といった声が寄せられ、“選べる香り”が多様な働き手にとっての心理的なハードルを下げ、休息や集中への行動を後押しした可能性が示されました。
考察
本実証を通じて、香りが空間の利用回数や滞在時間を変化させ、エリアの「使われ方の質」に影響を与える可能性が確認されました。特に以下の点が示唆されます。
- 集中ブース3.で中長時間の利用が新たに出現したことから、香りが集中作業への移行を促すきっかけになり得る。
- リラックスブース2.での平均利用時間の拡大は、香りが空間での滞在を自然に延ばす要因として働いた可能性がある。
- 全エリアで作業生産性向上への期待がプラスとなったことは、香りが利用者の気分転換や空間への満足度向上に寄与することを示唆している。


※本実証はサンプル数が限られる初期的な検証であり、結果は今後さらなる実証で確認していく予定です。
代表コメント
本実証を通じて、香りがオフィスの「使われ方」や個人の集中・リラックスに変化をもたらすことがまた1つ見えてきました。特に、多様な感覚特性に配慮した“選べる香りの設計”が、働く人々の主体的な空間利用や生産性向上を後押しできたことは大きな収穫です。今後は、採用ブランディングや生産性向上といった経営・人事課題へのツールとして香りを戦略的に活用し、社員が自然体で力を発揮できる豊かなワークプレイスの未来をパートナー企業の皆様と共に切り拓いてまいります。
改めてご協力いただいた丹青社の皆様に感謝申し上げます。 

株式会社KaleidoPath 代表取締役 清水 寛太


各社の役割
株式会社KaleidoPath
対象エリアの用途・利用行動の仮説をもとに、シトラス・ウッディ2種の香りのコンセプト設計・処方設計・導入方法の検討を担当。「使わない自由も担保する」設計思想のもと、ニューロダイバーシティの観点から各エリアの利用目的に合わせた香り環境を構築しました。

株式会社丹青社(協力企業)
COCOSTATを用いたセンサー設置計画、空間利用データの取得・分析、結果の可視化を担当。個人を特定しない形で香り導入前後の変化を客観的なデータとして整理しました。
今後の展開
KaleidoPathは、今回の検証結果をふまえ、オフィスの集中エリア・共創スペース・休憩エリア・来客エリアなど、利用目的に応じた香りの設計をさらに精緻化してまいります。あわせて、小売店舗・ホテル・イベント・コミュニティスペースなど、人の滞在・回遊・関係性づくりが重要な空間においても、香りによる体験価値の向上に取り組みます。
両社は今後も、香りをはじめとする感覚要素と空間データ分析を組み合わせ、光・音・温熱・レイアウトなどさまざまな環境要素が人の行動や感情に与える影響を検証しながら、働く人・訪れる人にとってより豊かな体験を生み出す空間ソリューションの創出を目指します。
空間データ分析サービス「COCOSTAT」について
COCOSTATは、配線不要の赤外線センサーを活用し、個人を特定せずに空間内の人数・人流を検知・分析する丹青社の空間データ分析サービスです。センサー設置・分析計画からデータ取得・分析・レポーティングまでを一括で提供し、オフィスのレイアウト検討や商業施設の導線分析などに幅広く活用できます。
会社概要
株式会社KaleidoPath(カレイドパス)
香りを通じて空間・コミュニティの体験価値を高める事業を展開。オフィス・店舗・イベント・IP/ファンコミュニティなど、それぞれの場の目的や世界観に合わせた香りを設計し、人の記憶・感情・関係性に働きかける体験づくりを支援しています。

株式会社丹青社
商業施設・文化施設・ビジネス空間・イベント空間など多様な空間づくりを、企画・デザイン設計・制作施工・運営まで一貫してサポートしています。(本社:東京都港区)

本リリースに関するお問い合わせ
株式会社KaleidoPath  
https://kaleidopath.co.jp/
Email:info@kaleidopath.co.jp

実証の詳細データや画像素材のご提供、取材のご相談なども承ります。お気軽にお問い合わせください。