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サイトウユウスケさんが初のアナログ作品-神宮前で個展

異なる体の部位がコラージュされて生み出される架空の人物像

異なる体の部位がコラージュされて生み出される架空の人物像

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 神宮前の「タンバリンギャラリー」(渋谷区神宮前2、TEL 03-5770-2331)で現在、イラストレーターとして活躍するサイトウユウスケさんの個展「NEW COLOR(ニューカラー)」が開催されている。

タンバリンギャラリーで開催中のサイトウユウスケさん個展の様子

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 1978(昭和53)年生まれのサイトウさんは2003年、バンタンデザイン研究所卒業後にフリーイラストレーターとして活動をスタート。2008年4月号から手掛けている雑誌「MUSIC MAGAZINE(ミュージックマガジン)」のカバーイラストでは、過去に忌野清志郎、ボブ・ディラン、ジョン・レノン、マイケル・ジャクソンをはじめ、最近では小沢健二さん、ももいろクローバーZなど、毎号注目のミュージシャン像を描き高い評価を受けている。

 同展はサイトウさんの初となる作品集「NEW COLOR」の刊行を記念したもの。通常、仕事ではデジタルでペインティングを行っているが、今回は全ての作品を筆でアナログ制作した初の個展となる。仕事の合間に約半年間を掛けて描いたという展示作品24点について、サイトウさんは「手を絵の具で汚しながら描いてく作業は久しぶりで、とても新鮮だった」と振り返る。

 アメリカ西海岸の空気感漂うポップな作品に描かれているのは、セクシーな水着姿の金髪女性やトップレスの女性、鍛え上げられたマッチョな男性など。顔やヘアスタイル、肩、腕、胸など、身体の各部位は、よく見るとそれぞれ異なる人物のパーツがレイヤー構造のように組み合わせられ、架空の人物像を巧みに作り上げている。

 今回のコンセプトが生まれたきっかけについて、「アメリカ80年代、従来のモノクロからカラー写真でアートに挑んだ『ニューカラー』の写真家の作品を見ていたとき、その中に写る洋服のテキスタイルが、子どものころによく遊びに行っていた祖母の家にあったクッションと酷似していると気が付いた瞬間」だったと話す。同時に頭の中では「80年代のアメリカ」と「強い日差しやベタついた海辺の風など、祖母の家で過ごした夏休みの思い出が時空を超えてつながり、重なり合った」という。

 「堅苦しいことは抜きに、絵の中に漂う空気感のようなものをキャッチしてもらえれば」とサイトウさん。

 営業時間は11時~19時。無料。7月28日まで。

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