池尻の老舗銭湯「文化浴泉」がリニューアル-日本初「円形」ペンキ絵も

ファサードやロビー、浴室など9割ほどをリニューアルした

ファサードやロビー、浴室など9割ほどをリニューアルした

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 池尻大橋駅近くの老舗銭湯「文化浴泉」(目黒区東山3、TEL 03-3792-4126)が3月20日、リニューアルオープンした。経営はよねづ(同)。

リニューアル後の女湯

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 同店は1928(昭和3)年に創業。現在の銭湯が入るビルが完成した1987(昭和62)年以来のリニューアルで、今回「(銭湯業界が)衰退傾向にある」背景を受け、新規顧客開拓を目指し初めて設計士を交え9割ほどを改装した。

 来店客の7~8割が60歳以上と高齢者が多く、全体の7~8割ほどが常連客という。同地域は企業や住宅が多いことからファミリー層、若年層をターゲットに据え、「スロー」をテーマに長時間滞在を促進するよう改装に踏み切った。

 店舗面積は約440平方メートル。「昔ながらの銭湯らしさと、近代的な『これからの銭湯』を融合させた」という同店。ファサードには木枠を取り付けたほか、タイルも新調。受付の位置をエントランス近くから奥に移動させたロビーはアジアンテイストの椅子を置くなど「温かみ」を演出。

 浴室は、壁面のタイルはそのままに浴槽を広くするなどした。ビル完成以降はペンキ絵がなかった同店。今回、東京に「3人しかいない」というペンキ絵師の一人・中島盛夫さんに依頼し、「日本初」という円形のペンキ絵がお目見えした。スロープの取り付け、段差の除去、手すりの取り付けなどバリアフリーにも対応するほか、目黒区などが推進する健康増進活動に協力し、男女ともに脱衣所のロッカーを可動式にすることで一つの空間を作り、銭湯営業をしていない平日の昼間に体操教室などを開けるようにした。

 湯船の温度は40.5度~41度ほど。浴槽は「nano湯」、軟水白湯、ジェット風呂、水風呂を用意(東日本大震災の影響で軟水になるのは17日以降)。リニューアル前から「好評だった」という「生」の薬湯は引き続き日曜日に実施。「宝寿湯」「当帰湯」「生姜湯」などのほか、「しょうぶ湯」(5月)など時期に応じた薬湯も展開する。

 リニューアル後、女性客が増え現在の男女比は改装前の7対3から6対4程度に。20~30代の学生や会社帰りのビジネスマン、OLの来店も増えたという。「一人でお住まいのご年配の方も多く、いつも来ている方が来ないと心配になったりする。そうしたコミュニティーの場としても、地域に協力していきたい。少しでもリラックス、憩いの場になれば」と米津幸司社長。

 営業時間は15時30分~翌1時(日曜は8時~12時、15時30分~翌1時)。入浴料は大人=450円、小学生=180円、6歳未満=80円、サウナ代=300円ほか。手ぶらセット(入浴料、貸しタオル、シャンプー、せっけん付き540円)なども用意。

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