クラブキング、神南に新拠点「ディクショナリー倶楽部」-茂木健一郎さん校長に

昔の小学校や保養所を懐わせる入り口付近。「ディクショナリー倶楽部ART SHCOOL」のロゴはミック・イタヤさんが担当した

昔の小学校や保養所を懐わせる入り口付近。「ディクショナリー倶楽部ART SHCOOL」のロゴはミック・イタヤさんが担当した

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 渋谷・神南の東京都水道局敷地内に7月16日、ギャラリー展示やトークイベントなどを展開する多目的スペース「ディクショナリー倶楽部ART SCHOOL」(渋谷区神南1)がオープンした。運営はフリーペーパー「DICTIONARY(ディクショナリー)」の編集・発行などを手がけるクラブキング(世田谷区)。

 同スペースのメーンコンテンツは、「学ぶを遊ぶ」を合言葉にした働く大人の学校「ART SCHOOL」。1988(昭和63)年の創刊以来「フリーペーパー」の草分け的存在として、若手アーティストやデザイナーらに発表の場を提供してきたディクショナリーを「教科書」とし、アートやデザインのほか、音楽や哲学、恋愛に至るまで、国際社会で生き抜くための知恵を磨くユニークな講義をスクール形式で展開。同社社長の桑原茂一さんは「『アートスクール』とはいうものの、ここはファインアートを学ぶ場所ではない」とし、「人間は『学ぶこと=生きること』だと本能的に感じている。この場でいろいろな人たちと出会い、その人たちの考えていることを学ばせてもらえることが何よりの幸せなのでは」と話す。

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 学校長には脳科学者の茂木健一郎さんが就任するほか、各分野の第一線で活躍するクリエーターや文化人、学者らを講師陣として迎える。予定されている主な講義はミュージシャン・近田春夫さんが講師を務める「丸テーブルセッション」(8月2日)、茂木校長、アーティスト・ヒロ杉山さん、哲学者・萱野稔人さんによる「人生はバラエティだ!~平成のシャボン玉ホリデー!」(8月17日)など。スクール形式の講義に加え、ディクショナリーゆかりのアーティストの「ギャラリー展示」開催、TシャツやCD・DVD、書籍などを販売するECサイト「クラブキングストア」のリアル店舗常設のほか、企業の展示会や撮影、プレスパーティー、上映会など多目的なレンタルギャラリーとしての活用も見込む。

 場所は桑沢デザイン研究所近く。以前は「水道局代々木漏水防止出張所」だったという築40年以上の同施設。20か月の期限付きで借り受けた桑原さんは「(初めて物件を見た時は)忘れられた保養地みたいだし、自然も豊かで、渋谷にこんな場所があるなんてあり得ないと思った。空気の良さが一番のぜいたく」と一目ぼれしたことを明かす。老朽化が進んでいた同施設での校舎オープンに向けて、6月末から施工・空間デザイン会社「SLAPTONE(スラップトーン)」(板橋区)が改装工事を担当し、ペンキ塗り作業では美大学生らボランティアスタッフの協力を得るなど、リフォームを急ピッチで進めてきた。スペース内の壁面はすべて「白」で統一。1階・2階を合わせた延べ床面積は約76坪。

 出張所だった施設の機能をそのまま有効利用したスペースづくりが特徴で、1階の元事務室だったスペースは「第一教室」(18坪)、風呂場の脱衣所・浴室は「BATH ART ROOM GATALLY(バスアートルームギャラリー)」、男子ロッカー室は「第一ギャラリー」(6坪)、2階の事務室は「第二教室」(18坪)、小部屋は「ショップ」、和室は「多目的空間」(7坪)として、それぞれ転用する。そのほか、校舎前に広がる「校庭」(110坪)ではエキシビションの開催、裏庭はカフェスペースとしての利用も検討する。現在、世田谷区内にある同社事務所も8月初旬までに同施設内に移転を予定。

 「誰かがやっていてうらやましいではなく、みんなで『シェア』をしていく場所と考えている。ここで何かをやりたい人間が利用して、白い校舎にだんだんと『色」をつけていってもらえればいい。わたしたちは毎日、ここをきれいに掃除して待っているだけ」(桑原さん)。

 今月22日には同校の開校セレモニーを兼ねて、第一教室で茂木校長、第二教室でリリー・フランキーさんの特別授業とトークイベントを開催する(チケットは完売)。そのほか、開校記念として、建築家・伊藤暁さんのインスタレーションでTシャツコミュニケーションプロジェクト「T-SHIRTS AS MEDIA」の歴史を振り返るエキシビション(校庭・第一ギャラリー、入場無料)、「タムくん」の愛称で知られるタイの人気漫画家ウイスット・ポンニミットさんの個展(バスアートルームギャラリー、入場無料)を、それぞれ開催中。

 営業時間は平日15時~20時(土曜・日曜・祝日は展示・イベント内容に応じて異なる)。

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