フランス映画の祭典「第33回フランス映画祭2026」が3月19日~22日、渋谷で開催される。主催はフランス映画の振興を目指すことを目的に活動する機関「ユニフランス」。
1993(平成5)年に創設された同祭。33回目を迎える今回は、会場を横浜から渋谷に移した。渋谷は1980年代に小規模な映画館が集積し、最盛期で20館近くが存在するなどブームを起こした。現在もミニシアターが点在するエリアとして知られる。
初日となる19日には、セルリアンタワー東急ホテル(渋谷区桜丘町)地下2階の能楽堂「セルリアンタワー能楽堂」でオープニングセレモニーを行った。
上映作品の監督や俳優らが来日した。フランスでヒットした作品の17年ぶりの続編となった「LOL 2.0」からは、リサ・アズエロス監督、ソフィー・マルソーさん、タイス・アレッサンドランさんが来日。「Marcel et Monsieur Pagnol(マルセルとムッシュ・パニョル)」を手がけたアニメーション作家のシルヴァン・ショメ監督は、声優のアイナス・プティさんと登場した。
ノルマンディーから2024年のパリオリンピックの観戦に訪れた女性の心境を描いた「THAT SUMMER IN PARIS」のヴァレンティンヌ・カディック監督、東京でタクシー運転手として働くフランス人男性が娘を探す物語「A Missing Part また君に会えるまで」のギヨーム・セネズ監督、ポール・ダノさんやジュード・ロウさんらが出演する1990年代初頭のロシアを舞台にする「クレムリンの魔術師」のオリヴィエ・アサイヤス監督らも登壇。 作曲家のオリヴィエ・マルグリさんは、「マルセルとムッシュ・パニョル」「A Missing Part また君に会えるまで」の音楽、映画祭のテーマ曲を担当している。
駐日フランス大使のベアトリス・ルフラペールデュエレンさんは、日本とフランスは「これ以上の関係はない」関係を意味する「特別なパートナーシップ」という政治的な関係を紹介しつつ、同映画祭を「この特別なパートナーシップの一端を担うもの」と位置づける。渋谷駅前のスクランブル交差点を「多様で、世界と現代性が交差するフランス映画を表現している」と言い、渋谷が「開催地になることはうれしい」と喜びを表現した。
ユニフランスのジル・ペリソン会長は映画祭を、「日仏の文化対話に欠かせない重要ないイベントになった」と自負。ユニフランスのエグゼクティブディレクターのダニエラ・エルストナーさんは、フランス映画の関係者も「多く」来日し日本の映画関係者と交流することに触れ、「力強さや活力、信頼関係の表れであり、芸術・文化的協力関係の証」と話した。
続けて、「好奇心や情熱、変わらぬ信頼を持っていただいていることに感謝している」と、日本のフランス映画ファンに向けてメッセージを送り、「美しい映画を用意してきたので期待してほしい。多くの皆さまにお越しいただき、楽しんでいただければ」と呼びかけた。ペリソンさんとエルストナーさんは「発見と感動に満ちたすばらしいひと時になるよう、映画祭と映画に乾杯」と開幕宣言を行った。
後援する渋谷区の長谷部健区長は「渋谷で開催されることを心からうれしく思っている。渋谷の街の至る所でフランス文化の香りを吹かせていただき、渋谷のカルチャーと混ざり合いながら、新しいカルチャーがこの街から生まれていく予感がする。引き続きこの街で続けてほしいし、区を挙げてサポートしたい。多くの皆さんに来街いただき、フランスの映画を楽しんでいただければ」と呼びかけた。
同祭のアンバサダーを務める俳優の河合優実さんは、「開催地が渋谷に移り、すごく間口が広がったと思うし、いろいろなお客さまに見てもらえることが楽しみ。見に来てくださった皆さまには、どんどん映画の輪を広げていってほしい」と期待を込めた。
会場は、渋谷駅近くのミニシアター「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」(渋谷1)、「ユーロライブ」(円山町)。上映作品は12作。鑑賞料は2,200円(同祭ホームページ上のみで販売)。