ハロウィーン翌日の11月1日、長谷部健渋谷区長が報道陣の取材に応じた。
多くの人が訪れ、一部の来街者らによる犯罪・迷惑行為などが社会問題にもなっている渋谷のハロウィーン。今年、区は「禁止だよ!迷惑ハロウィーン」のメッセージを掲げ、注意喚起や警備などの対策を講じた。
今年はハロウィーンが週末の金曜に当たることから、当日を中心にパトロール・警備を強化。10月25日と30日・31日には区の職員延べ97人、31日には民間の警備員125人も導入するなどして、路上飲酒の注意、路上滞留抑制などを行った。
従来、人出が増える夕方~夜には本降りの雨となったハロウィーン当日の31日。渋谷センター街周辺の路上にいた来街者の推計(区発表)は、最も多かった時間帯が例年より1時間早く21時ごろで約4500人(昨年は22時ごろで1万8000人)。計測を始めた2019年(当時は約4万人)以降、最も少ない人数となった。
長谷部区長は「雨のおかげというのは非常に大きかった。静かなハロウィーンになったのでは」と振り返った。仮装している来街者は「大幅に減って100人に1人くらい、全体では1割に満たない印象」と言い、屋内イベントへの参加者などの仮装は容認しているが、「路上に人が集まって撮影会みたいなものが起きてしまうが、路上はそうした場所ではない」と改めて考えを示し、さらに、「そこに飲酒を含めたパーティーみたいなものも始まってしまう。それはやめていただきたい」と続けた。
宇田川交番やハチ公前広場などには「ごみステーション」を特設したほか、ボランティアがごみ拾いを行った。集まったごみの量は速報値で、30日・31日は約1558キロ(昨年は同日程で約1308キロ)。可燃ごみが中心だったが、今年は傘が約320キロと多かったため、昨年より増える結果となった。瓶・缶は約116キロで、昨年の約236キロよりも減少した。
区の職員による路上飲酒の注意の注意件数は、3日間で計78人。そのうち31日が28件で、昨年の同日程82人より減った。昨年10月から、条例で渋谷駅周辺での路上飲酒を通年禁止にしているが、「今年は雨だったので分かりにくかったが、普段の渋谷を見ていても空気的には前より改善されている」(長谷部区長)とも。
区の対策予算は6,800万円だったが、施行額は5,800万円を見込む。