
東京グレートベアーズ(以下、東京GB)が10月8日、国立代々木競技場第二体育館(渋谷区神南2)で迫るバレーボール「SVリーグ」2025-26シーズンに向けて新チームを披露した。会場には約500人のファンが集まった。
「できるだけ日本のを習得したい」と日本語でもあいさつしたスロベニア代表のヤン・コザメルニク選手目
FC東京バレーボールチームを前身に2022年に設立し、渋谷区をホームタウンに活動する東京GB。昨季は、23勝21敗の5位でレギュラーシーズンを終えた。初のチャンピオンシップ出場を決めたが、初戦で敗退した。
今年は区民のスポーツ観戦体験のアップデートを図る渋谷区のプロジェクト「みるスポ!」の取り組みとして、区民が東京GBの試合を観戦する機会も創出する。長谷部健渋谷区長は「熱いシーズンになるように願っている。たくさんの勝利を届けていただき、渋谷の街を一緒に盛り上げていただけたら」とエールを送った。
チームとしては今年、チャンピオンシップを「東京で何回も戦う」ことを目標に掲げる。昨年9842人と一歩及ばなかった1試合の来場者数は引き続き「1万人」、昨年10万1888人を記録したホーム試合累計動員数は「12万人」をそれぞれ目指す。そのため、初めて国立代々木競技場第一体育館などでも試合を行う。久保田健司社長は「東京唯一のSVリーグのチームとして、バレー界の入り口である自覚を持って、東京からバレーの魅力や楽しさを、日本・世界に発信していけるように頑張っていきましょう」と呼びかけた。
チームを率いるのは、3季目となるカスパー・ヴオリネン監督。主将は4季連続で古賀太一郎選手が務め、副将には柳田将洋選手が新たに就任した。選手は6選手を新たに迎えた23人。新加入のスロベニア代表ヤン・コザメルニク選手、アルゼンチン代表ルチアーノ・ヴィセンティン選手は「毎年成長している」と日本のバレー界を評価。東京GBは特にスピードを重視した戦術を取っているが、「自分のブロック、スパイクを進化させるには環境の変化が必要。スピードがあるバレーはアタックもブロックも難しく、点数も取りにくい。屈強な環境の中でプレーすることは忍耐や安定性を鍛えられる」(コザメルニク選手)、「(スピード重視のスタイルは)初めての体験。なじんでいくコンディションは整っているし、できると信じている」(ヴィセンティン選手)と入団を決めた。村山豪選手は、昨季準優勝したジェイテクトSTINGS愛知から移籍。「ずっと同じ場所にいると甘えちゃう、成長したいという気持ちが一番」と移籍を考え、速さを「武器」と自負する中で東京GBが「スタイルが合った」と入団を決めた。東京出身であることから「地元に帰ってこられたのはすごくうれしい」とも。
古賀選手は「机上では戦力は上がったが、机上の空論のまま行かないのがバレーボールの難しさであり楽しさ。勝たなければいけない試合も出てくるなど、新たなチャレンジが始まる。間違いなく難しいシーズンではあるが、いいシーズンになる」と期待を込める。
まだ合流していない外国籍選手もいるが、ヴオリネン監督は「難しい状況で開幕までに完全なる準備はできないが、シーズン中に一番成長するするチームになりたい。日本人選手の質が高いので、できる限りの準備をして、シーズン中も成長したい」と意気込んだ。柳田選手は「日本人選手でしっかり練習してきて、(コザメルニク選手とヴィセンティン選手も)徐々にフィットして来ると思うので、今いる選手で最大のコンディションで戦えば結果はついてくると思う。自信を持っていきたい」とも。
今季は10月24日に開幕しレギュラーシーズン44試合を戦い、上位6クラブがチャンピオンシップに進出。東京GBはアウェーで開幕を迎え、ホーム開幕戦は11月7日に代々木第二体育館で行う。