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渋谷でアール・ブリュット展「既知との遭遇」 広告コラージュ作品など

広告の切り抜きをコラージュした嶋暎子さんの「明日に向かって撃て」(2022年、個人蔵)

広告の切り抜きをコラージュした嶋暎子さんの「明日に向かって撃て」(2022年、個人蔵)

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 巡回展「既知との遭遇 自伝的ブリコラージュの世界へようこそ!」が9月27日、渋谷・公園通りの「東京都渋谷公園通りギャラリー」(渋谷区神南1)で始まった。

武田拓さんの「はし」

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 同ギャラリーを皮切りに、都内のギャラリーなど全3会場で展開するアール・ブリュットの巡回展。身の回りにあるものを組み合わせて新しいものを作り出す「ブリコラージュ」をテーマに、日本のアール・ブリュット作家6人の作品を紹介する。

 井口直人さんは、コピー機に自身の顔と身の回りにある品を配置し、動きを付けることで揺らぎのある「ポートレート写真」を写している作家。嶋暎子さんは広告チラシから切り抜いた住宅や家具、果物、宝石などの写真で作るコラージュ作品で知られる。故・舛次崇さんは、パステルを塗り重ねて絵を描いた。

 武田拓(ひらく)さんは、割り箸を牛乳パックに詰める作業が発展し、約2カ月かけてかごに無数の割り箸を差して最大2メートルを超す大きさまで作った作品「はし」を展示する。鶴川弘二さんは、油性ペンをにじませた染みとデフォルメ文字や数字などで構成する作品を描いている。納田裕加さんはアトリエで破棄される意図や布の切れ端を巻き固めたオブジェ「のうだま」を作っている。

 会場構成はtamari architectsが担当。「既知との遭遇」をコンセプトに、街なかになじんで意識されにくい「道端の断片やカーブミラー」などの形からインスパイアされた展示用の什器を設置。「知っていたはずのもの」との「新しい出合い」の誘発を図る。俳優の瀬戸康史さんが音声ガイド(無料)を担当。ナビゲーターとして、作家の創作エピソードなどを語る。

 会期中には、視覚障害者を対象にした、触って鑑賞できる「触図」を使った鑑賞ツアー(11月16日10時~11時30分)、遠隔で操作する「分身」ロボット「OriHime」と回る鑑賞ツアー(同30日14時~15時、16時30分~17時30分)なども予定する。

 開館時間は11時~19時。月曜、10月14日、11月4日・25日休館(10月13日、11月3日、24日は開館)。入場無料。12月21日まで。

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