
漫画家・荒木飛呂彦さん原作の「ジョジョの奇妙な冒険」世界初の体験型公式ショップ「THE★JOJO WORLD(ザ ジョジョワールド)」が7月24日、渋谷パルコ(渋谷区宇田川町)6階にオープンする。経営はバンダイナムコアミューズメント(港区)。
同社は2021年から、作品の世界観を楽しめる体験型イベント「JOJO WORLD」を不定期で開催し、これまでに45万人以上を動員。イベントの売り上げが落ちていないことや、グッズを購入できる場所があまりないことから常設店を計画。「常態的・集約的に作品を体験できる場やグッズを購入できる場を作ることで、ファンに楽しんでいただき、ファンを増やす場にしていく」と、の久家麻衣子プロデューサーは話す。
店舗面積は約264平方メートル。エントランスには、荒木さんが描き下ろした各部の主人公9人のイラスト、JOJOの文字型ビジョン、アニメ絵柄のインフィニティーミラーを設置。エントランス付近には、作中に登場する「スタンドの矢」を用意し、触れることで来店客が、パワーを持った像「スタンド」が見えるようになる「スタンド使い」となって入店できる。
店内は、「桜と青空のイメージである、大切な時に使う必殺技」と荒木さんが話す色であるピンクと青を基調にし、随所にオープン時には全11種類のスタンドを配置。天井中央の星型ビジョンでは、一日に数回、第3部でディオのスタンド「ザ・ワールド」と戦った空条承太郎のスタンド「スタープラチナ」の演出映像を上映。一日に1回行う花京院典明とディオの戦いの演出映像は、花京院がディオの能力に気付いた時間に合わせて17時15分前後に行う。
「思い出も持ち帰ってほしい」と、「体験」を重視し作品にちなんだアトラクションを用意。「スタンド能力研究所」(1人用990円、2人用1,980円)は、ボタンを押したり足踏みをしたりするアトラクション6種類を通して「射程距離」「持続力」「破壊力」などの身体能力をそれぞれA~Eランクで測定。その結果を基に、アニメ第3部~6部に登場する全スタンド約112体の中から、体験者自身の能力に近いスタンド診断をする。体験の最後には、診断されたスタンドと写真が撮れる。
ミニゲームは2種類。「帰ってきたッ! メメタァ!波紋ル-レット ~波紋エネルギーこそ『仙道』パワー!!」は、第1部でウィル・A・ツェペリがジョナサン・ジョースターに見せた岩の上にいるカエルに向かって拳を打ち付けた際に発せられた効果音「メメタァ」をモチーフにしたゲーム。ツェペリの合図に合わせて岩の上にいるカエルをパンチし、岩とカエルの状態によって等級を判断する。「目指せ!ホームラン!Oh, That’s a Baseball!!」(各600円)は、テレンス・T・ダービーとの戦いで承太郎がプレーしたテレビゲームをモチーフにした。ボールが投げられた後に、合図に合わせてコントローラーのボタンを押してバッティングする。それぞれ結果に応じた景品を進呈する。
作品に登場するボストンテリア「IGGY(イギー)」をモチーフにした「~イギー神社 コーヒーガムみくじ~」(400円)は、スタンド「ザ・フール」の能力で作られた砂の神社という設定。大吉~大凶の全16種類の結果を用意するコーヒーガム風デザインのおみくじを進呈する。カフェ「イギーカフェ」では、「トニオの特性プリン」(950円)、ミルクティーやピスタチオ、マンゴーなど6種類を用意するジェラート(ドッピオ2種盛り、990円~)、各日数量限定となるイギーのドーナツとソフトドリンクのセット(1,500円)などを、テイクアウトで販売する。
物販では、原作版権とアニメ版権それぞれのグッズ約90種類(オープン時)を集積。箔(はく)入りアクリルアートボード(6,900円)やアクリルキーホルダー(880円)など描き下ろしイラストを使うグッズ、ぷっくりキーホルダー(1,200円)などイラストレーターゆーぽんさんが描き下ろす「ちみキャラ」イラストを使ったグッズ、各部の主人公のコスチュームを着たキユーピー(1,400円)などもラインアップする。
「常に新たな発見体験ができる場」を目指し、アトラクションや演出は定期的な入れ替えや追加を考えているほか、新商品も定期的に発売していく予定。
「遊び心もたくさんあり、デザインもイケていて素晴らしい」と喜んだ荒木さん。描き下ろしイラストについては、「各部に主人公がいるので、混在させると読者が混乱する」として、「(9人一緒には)本当に描かない。言われた時には最初『えーっ』と思った。でも、描いていくうちに仕事場に9人がそこにいる感じになり『傑作だな』と思えた。パルコの守り神になれたら」と話した。
「奇抜な立ち方をさせない」ことを意識したほか、下半身不随のジョニィ・ジョナサンは立とうとしている姿、紅一点の空条徐倫は「爽やかなお色気」でミニスカート姿、承太郎は全員を並べた際のバランスを考え、「小道具」としてイギーを小脇に抱えた姿で描いたと言う。「スタンドのように、生活と密接に、そばにいるような店になってほしい」と期待を込める。
久家プロデューサーは「体験価値が一緒にあることが一番のポイント。ジョジョの世界に入り込んで楽しんでいただければ」と話し、同社川崎寛社長は「(来店客)自身のジョジョ体験をより一層深めていただき、特別な思い出の場となることを願っている」と期待を込める。
パルコの川瀬賢二社長は「ジョジョはファッションとアート、ストーリーがミックスして豊かな世界が描かれている。渋谷パルコも、いろいろな要素をミックスして、いろいろな楽しみ方ができるビルを作りたいと思っていた。その中にジョジョをお迎えできて、スタッフ一同喜んでいる」とオープンを祝った。
営業時間は10時~21時。8月17日までの入店は抽選制。