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表参道の子どもの本の専門店「クレヨンハウス」46年の歴史に幕 老朽化で移転へ

表参道の路地に位置する店舗外観

表参道の路地に位置する店舗外観

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 絵本や玩具、オーガニックコスメなどを扱う表参道の「クレヨンハウス東京店」(港区北青山3)が11月23日、移転のため閉店する。

店頭では来店客からのメッセージを募っている

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 元アナウンサーで作家の落合恵子さんが社長を務めるクレヨンハウス(同)が手がける同店は1976(昭和51)年12月5日、落合さんがケヤキ並木を「気に入った」ことから表参道沿い(現在のルイ・ヴィトン表参道店辺り)にオープン。子ども向けの書籍類を扱う書店とレストラン(当時はオーガニックではない)を展開していた。地上げに伴う移転で、当時建築中だった物件のオーナーに直談判し1986(昭和61)年5月1日にオープンしたのが、表参道から一本入った場所に位置する現在の店舗となる。

 コンセプトは「女性」「子ども」「オーガニック」。地下1階~地上3階の4フロアにわたる同店では、創業当初から構想として抱いていたなかで1992(平成4)年にオープンしたオーガニックレストラン「広場」、有機野菜や調味料・天然酵母パン・冷凍食品などオーガニックフーズの専門店、絵本や子ども向けの書店、木のおもちゃ・パペット・楽器などを扱う木製玩具専門店、女性の本や雑誌、オーガニックコスメ、エシカルアクセサリ、ナチュラル洗剤などをそろえるフロアを展開。

 週末には家族連れ、平日も親子で来店する人が多いというが、直近の10日~1週間ほどは移転を惜しんでか、客足が増えているという。店頭には思い出などを書きこめるボードを設置しているが、子ども・親・祖父母の3世代から、感謝の言葉や新店舗を楽しみにする声など、多くのメッセージが寄せられている。

 今回の移転は建物の老朽化に伴うもので、吉祥寺に移転することが決まっている。落合さんが新天地を探すなかで、緑が多い井の頭公園に子どもの頃に遊びに行っていたのを思い出したことや、今後農福連携に取り組みたいと考えていることから、農家が多いエリアでもある吉祥寺を選んだ。現在の店舗で使っている什器なども一部持っていく予定。

 約47年という長い期間営業していた同エリアに思い入れはあるが、「(スタッフは)どんな売り場にしようか、並べ方などを考えて楽しそうにしている」という総務部の辻村俊之さん。「(最終日も)いつも通りにオープンして、帰る時に、今度は場所が変わるが『また行きたい』と思っていただけるように接客したい。(新店舗が)どんな感じになるのか見に来てほしい」と話す。吉祥寺店のオープンは12月中旬(15日~17日ごろ)を見込んでいる。

 23日は普段と異なり全フロア11時~20時で営業する。

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