特集

Bリーグ2019-20、サンロッカーズ渋谷特集
伊佐勉ヘッドコーチ

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日本代表のワールドカップ本選出場や八村塁選手のNBA契約など、バスケットボール界が盛り上がりを見せる中、4シーズン目を迎えるBリーグ。サンロッカーズ渋谷(SR渋谷)は新加入7選手を迎えた13選手で「結 FIGHT AS ONE」を掲げ、レギュラーシーズン60試合の戦いに挑む。10月5日の開幕戦を目前に控えた指揮官を直撃した。

千葉・A東京・宇都宮からの勝利がカギ

――いよいよ開幕戦が間近に迫りましたが、今の心境は?

アーリーカップも戦い、練習ゲームもして、チームの良いところも悪いところも出ましたが、開幕して(自分たちが)どの位置にいるのかな、というワクワクと…不安もあります。

――不安ですか?

準備してきたので戦える自信はありますが、開幕戦が(昨シーズン準優勝の)千葉(ジェッツ)ですし、翌週には(リーグ連覇をしている)アルバルク(東京)戦と実力のあるチームと当たるので…。勝てなくても自信を失うことはありませんが、勢いに乗るという意味では、どっちに転ぶかなという…。まずは「当たって砕けろ」です。

――千葉、アルバルク、そして宇都宮ブレックスという3強が今年も同じ地区ですからね。

同じ地区で絶対に18試合(各チーム6戦)戦います。1試合でも多く勝てればチャンピオンシップ(CS)への道が必ず開けてくると思うので、その3チームにいくつ勝てるかが重要になってきます。その4試合が開幕から続くので、どう乗り越えられるかと。

――昨シーズンはその3チームから勝ち星を得られなかったという意味でも、今年は勝ちたいと。

惜しい試合はありましたが、昨シーズンは1試合も勝てず、結果的に(シーズンの勝利数が)30勝にも届かず、全体で11位。今シーズンも対上位3チームとの試合が同じ結果であれば確実にCSはないので、(3チームには)最低でも5割は勝ちたいです。

――過去のシーズンを見ても、CSに進出するチームは勝率5割以上。SR渋谷は初年度以降そこを越えることができていませんが、それについてはどう考えていますか。

30勝が一つの目安だと思います。一番は同地区上位3チームに勝つこと。プラスアルファとして、他地区のチームとの落としてはいけないゲームを確実にモノにし、勝ち星を多く積み重ねなくてはいけないと思います。そうすれば自ずと勝率は5割以上になると考えています。

新加入選手7人「望んだ選手が来た」

――今季は13選手中7選手が入れ替わりましたが、伊佐さんからクラブ側にどんなことを伝えたのでしょうか。

具体的にこのチームのこの選手と名前を挙げて、やろうとしているバスケットに合っている選手を取ってほしいとクラブ側と話をしました。獲得できなかった選手もいますが、自分が望んだ選手が来たのは間違いありません。

――大黒柱として大きな存在感を示していたロバート・サクレさんがいないのは痛手ですか。

試合だけでなく、練習でも、そしてオフェンスもディフェンスも間違いなく中心選手だったので痛手ではありますが、彼の意志を尊重するということで、そこからはもう切り替えています。毎日うるさかったですし(笑)、寂しいというのはあるので、落ち着いたらLINEでもしてみようかなと思っています。

――外国籍選手では、セバスチャン・サイズ選手とチャールズ・ジャクソン(CJ)選手がBリーグ初参戦となります。

まずセバスチャンはあの運動量がどこまで通用するか。スピードもトップクラスだと思うので、どれくらい躍動するのかは楽しみです。まだ若いのでスキルがそこまであるわけではありませんが、持ち前の向上心で日々うまくなっています。CJを獲ったのはペイント内でのシュート確率が高いからです。B1でも同じような成績を残せるんじゃないかと期待は相当持っているので、それをどのように生かせるかですね。

――外国籍選手は昨シーズンから引き続きプレーするライアン・ケリー選手と合わせて3人になります。試合でベンチ登録できるのは2人までですが、ローテーションはどのように考えていますか。

運動量を多く求めるバスケット、出場している時は休まずにハードにプレーしてほしいので、タイムシェア、ローテーションをしながらでないと60試合持たないのではと考えています。うちのポジションもありますが、対戦相手を見て決めていきたいと考えているので、ある程度均等になると見込んでいます。

――ケリー選手は昨シーズン、58試合出場し平均約34分プレーしましたが、負担が減りそうですね。

相当減るんじゃないかと。昨シーズンは全試合35分(出場する)と考えていたと思うので、(試合中)どこかしらで休まないとできなかったと思います。(練習でも)メンバーチェンジをしながらやっているので、1試合1試合いいパフォーマンスを、引き続きハードにやってもらいたいですね。彼がいることでオフェンスのオプションが増えるのは間違いないので…。

3季ぶりのチャンピオンシップ出場へ

――オフェンスで言うと日本人はシューター陣が増えましたね。

スコアできる選手に来てもらいましたが、まだまだ使いきれていない。もっといいシュートを打たせられると思っているので、シーズンが始まって徐々に良くしていきたいです。

――練習を見ていると渡辺竜之佑選手や田渡修人選手もポイントガードをしていますよね。

基本的にはベンドラメ(礼生選手)と渡辺がポイントガードですが、田渡がやる時間があっても面白いと思うし、山内(盛久選手)も違うタイプのガードができると思っています。ベンドラメが点を取りに行った方がいい時間帯もあると思うので、4人のうちの誰かがポイントガードとシューティングガードとして、いろいろ組み合わせていく予定です。

――そうするとスターティングメンバーも流動的になりそうですか?

今のところ、僕の中で最初に出る日本人は固まっています。ディフェンスでサンロッカーズの試合のトーンをセットしてもらうという意味で、誰が出たら自分たちのディフェンスを表現してくれるか。相当頑張ってくれる選手が出るべき、というメッセージ性も込めて考えています。

――ディフェンスはオフの練習から強化を図っていましたが、フルコートで当たっていますよね。

フルコートディフェンスは今のところずっとスタンダードでやっています。シーズンが始まって、どのくらい試合をこなしたら疲れてきて、どのタイミングで(ディフェンスラインを)下げなくてはいけないのかというのは頭にありますが、できるだけシーズン通してフルコートで当たれるように。それは5・6人ではできないので、いるメンバー全員をどんどん替えて、チームディフェンスは崩れないようにしたいです。そこから早い展開に持っていけるんじゃないか、昨シーズンよりスピードアップするのではないかと思っています。

――チームの仕上がり具合としてはいかがですか。

昨シーズンからのけが人もいて、戻ってきているという意味では70%くらい。結構仕上がってきていると感じています。特にディフェンスは、昨年と比べてもインテンシティーレベルが違うと思いますが、誰が出ても同じような強度でできているので、90%くらいのチームディフェンスはできているのではないかと思います。

――ずばり今シーズン目標は。

優勝、と言いたいところですが、そこにたどり着くためにはレギュラーシーズン後のCSに出なくてはいけない。CSに出るのは大前提として、CSに一番いい形で臨めるようなレギュラーシーズンにしたいです。(シーズン序盤が)うまくいけばチームとして勢いに乗ると思います。もちろんそうでない時もありますが、まずチームディフェンスを徹底して、崩れることなくシーズンを全員で戦っていきたいです。

渋谷の金王八幡宮で必勝祈願をした

伊佐勉
1969(昭和44)年11月2日沖縄生まれ。琉球ゴールデンキングスに10シーズン属し、Bリーグ統合前のbjリーグ時代には同チームを2度優勝に導いた経験を持つ。Bリーグ2017-18シーズンにSR渋谷のアシスタントコーチとして加わり、昨シーズンはシーズン途中でHCに就任した。

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