8月に創業50周年を迎えるハンズ(新宿区)が1月21日、ハンズ渋谷店(渋谷区宇田川町)で周年記念ロゴの発表などを行った。
旧ロゴが「5」を置いているようにも持ち上げているようにも見える50周年記念ロゴ
東急不動産の事業としたスタートした「東急ハンズ」を前身とするハンズ。当時の大量生産・大量消費のアンチテーゼとして「手を通じて新たな生活文化を創造しよう」をコンセプトに立ち上げられた。1976(昭和51)年に1号店となる藤沢店を出店。渋谷店は3店舗目として1978(昭和53)年9月9日に開業した。
オープン初日の渋谷店の来店客数は2万5000人で、「渋谷駅からの行列が絶えなかった」という記録も残るほか、電球は1000種類、彫刻刀はプロユースから子ども用まで3000本を扱うなど、「初めて見る」ような商品などを集めていたという。スタッフのユニホームは私服のシャツにデニム、胸当てエプロンのガレージスタイルを採用していた。
チェーン展開を進めていたなかで1996(平成8)年10月には新宿店を出店。バラエティーや現在主力のステーショナリー、キッチン用品など、より「生活に密着した」雑貨の取り扱いを始め、「流行の先取り」も意識。2009(平成21)年に新ブランドスローガン「ここは、ヒント・マーケット」を掲げ、片手をモチーフにしたロゴを発表。ビューティーコンシェルジュなどもスタートした。
2022年には、ホームセンター大手のカインズ(埼玉県本庄市)が東急ハンズを買収し、カインズ傘下に。屋号は「ハンズ」に、ロゴは「HANDS」の文字と漢字の「手」を一筆書きしたようなデザインに変更し、「ホンモノにこだわる」など「7つの価値」を定めた。2023年には旗艦店の新宿店と博多店をリニューアル。昨年からは5年ぶりに直営店の出店を再開し、現在までに20店舗を出店。今年は7店舗を出店予定で直営とFC合わせて100店舗に到達する見込み。2030年には直営だけで100店舗の出店を目指す。
コロナ禍で「非常に厳しい局面もあった」が、昨年は32年ぶりに最高益を更新。カインズのCEOでハンズの高家正行会長は、在庫のコントロールや店頭の欠品を少なくする、レジの待ち時間を短くするなどのオペレーション変更点について触れ、「買い物体験に改善につながった」と言及。カインズ・ハンズ両ブランドの店舗にそれぞれの商品を展開したほか、デジタルコンテンツの強化なども改善理由として挙げ、「50年の節目にさらに飛躍させる準備は整った」と話した。
社員投票で半数以上が投票したという周年記念ロゴは、「過去を継承しながら次へとつなげていく」というブランドメッセージを基に制作。「HANDS」「50th」の文字と共に新旧ロゴをデザイン。旧ロゴは、数字の「5」を「これまでのハンズ」として置いているようにも、「これからのハンズ」として持ち上げているようにも見えるようにした。ショップ袋やプロモーションなどに活用していく。渋谷店では、「新生ハンズ」を発信しようと、50周年記念事業の一つ「生活編集プロジェクト」を昨年9月にスタート。ハンズブランドが大切にしてきた「驚きや出合い、商品からの学び」は「知識の宝庫」「新しい発見」である図鑑と似ていると考え、同店を「訪れる図鑑」として体験してもらうことを目的にしている。
渋谷店は408段の階段でつながるスキップフロアになっており、計24フロアから成る。「小売業にとっては最も使いにくい、クリエーションには不向きなビルだが、この形・フロアはハンズの象徴になっている」(高家会長)と考え、予定外の発見や見つける過程を楽しんでもらえる「ダンジョン感の価値化」を図るという。
プロジェクトでは、店内を舞台にした謎解きイベントを展開。マンホール関連グッズを500種類以上扱う「HANDS マンホールベース 渋谷」、スーツケースのキャスターのお試しなどができトラベルピロー80種類を扱う「とことん試せるトラベルグッズ」、国内外で人気のキャラクター「スミスキー」コーナー、オンラインメディア「オシココ」とコラボした「推し活☆パラダイス」、約100種類をそろえる「専門店だから大満足の爪切り」などのコーナーを作り、品ぞろえを強化している。
渋谷店が入居するビルは、2013(平成25)年にヒューリック(中央区)に売却。現在は定借で営業を続けている。完工から50年近くたつ中、改修などは予定していないというが、高家会長は「老朽化しているこの店を、どうやって、いつまで続けられるのかは、いろいろ考えていかなくてはいけない」と言及した。
渋谷店の営業時間は10時~21時。