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渋谷「THE TOKYO TOILET」公共トイレに森山大道さんの写真

はるのおがわコミュニティパークトイレ

はるのおがわコミュニティパークトイレ

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 「THE TOKYO TOILET」で整備された渋谷区内の公共トイレを舞台に、写真家・森山大道さんが撮影した写真を展示するアートプロジェクト「THE TOKYO TOILET/SHIBUYA」が7月19日に始まった。

パネルを展示する「幡ヶ谷公衆トイレ」

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 「暗い」「汚い」「怖い」などのイメージから利用しづらい状況がある公共トイレを、デザイン・クリエーティブの力を活用し性別・年齢・障害を問わずに「誰もが快適に利用できる」ようにすることを目的とした同プロジェクト。2018(平成30)年にファーストリテイリング取締役・柳井康治さんの発案・資金提供から始まった。

 プロジェクトには安藤忠雄さんや片山正通さん、隈研吾さん、小林純子さん、佐藤可士和さん、NIGOさん、藤本壮介さんら著名建築家も含む16人が参加し、2023年3月までに17カ所を整備。整備された公共トイレを舞台にした映画「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)が国際的な映画祭で賞を受賞していることでも知られる。

 森山さんが撮影した同プロジェクトの写真は、インタビュー&カルチャーマガジン「SWITCH」で約3年連載。2021年に「渋谷芸術祭」の一環で当時建設中だった西参道公衆トイレ(渋谷区代々木3)、笹塚緑道公衆トイレ(笹塚1)それぞれの仮囲いに掲出。アートプロジェクトとしては2022年にイタリアで開催されたデザインの祭典「ミラノサローネ国際家具見本市」、翌2023年に開催された仏・写真フェア「パリ・フォト」でそれぞれ展開。渋谷での開催は第3弾となる。

 展開場所は、笹塚緑道公衆トイレ、幡ヶ谷公衆トイレ(幡ヶ谷3)、七号通り公園トイレ(幡ヶ谷2)、西原一丁目公園トイレ(西原1)、はるのおがわコミュニティパークトイレ(代々木5)、代々木深町小公園トイレ(富ヶ谷1)、神宮通公園トイレ(神宮前6)、鍋島松濤公園トイレ(松濤2)、恵比寿公園トイレ(恵比寿西1)、恵比寿東公園トイレ(恵比寿1)、広尾東公園トイレ(広尾4)の11カ所。

 各所、コラージュした異なる写真を展示。主に外壁へのラッピングとなるが、背面や扉など各所の「個性」を生かした形で行っている。中でも、神宮通公園トイレは同所から各トイレの距離と共に写真を掲出。幡ヶ谷公衆トイレは、共用部の壁や天井にパネルで展示している。

 長谷部健渋谷区長は、区が昨年度から維持管理を日本財団から引き継いだことに触れつつ、「これらのトイレを綺麗な状態で維持するとともに、誰もが公共トイレを大事に使っていく、関心を持っていただけるように、THE TOKYO TOILETの写真展を開催ることになった」と同展開催の意図を説明。「THETOKYO TOILETをより多くの方に知っていただき、公共トイレの使い方やあり方について考えるきっかけになれば」と期待を込める。

 森山さんは同プロジェクトを「トイレの存在そのものを変えたとさえ思う」と称え、「僕が撮ったTHE TOKYO TOILETの写真が、それらの公共トイレそのものに展開されることは、いわば街で撮ったものを街に返す、ということ」とコメントを寄せる。

 9月23日まで。

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