
渋谷駅街区の再開発に関する200分の1スケールの模型が6月4日、渋谷スクランブルスクエア(渋谷区渋谷2)12階のイベントスペース「Scene12」に設置される。
東急、JR東日本、東京メトロが共同で「百年に一度」といわれる再開発を進めている渋谷駅周辺。100年の歴史の中でエリアの分断や複雑な動線など「さまざまな課題」を抱えながら発展したことから、それらの抜本的な解決が必要となり、渋谷駅周辺を中心とした施設の建て替えと同時に、駅の改良、広場の整備などを並行して進めている。
模型のサイズは1.8メートル×1.8メートル。模型で表現された未来の駅街区には、渋谷ヒカリエや渋谷マークシティ、渋谷スクランブルスクエア、ハチ公前広場などが表現されている。現在はまだ建っていない、2031年度に完成予定の渋谷スクランブルスクエア西棟や中央棟のほか、東京メトロ銀座線渋谷駅ホーム直上には空中回廊「4階東口スカイウェイ(仮称)」、JRハチ公改札前の最大幅員22メートルの自由通路と、JR南改札前の最大幅員23メートルの東西自由通路なども見ることができる。
駅前再開発が「最終章」に突入するのは、2030年度。模型には、地上レベルとデッキで東西にわたる歩行者ネットワークとなる渋谷スクランブルスクエア西棟・西側の歩行者デッキ「西口3階上空施設(仮称)」(約3000平方メートル)もその姿を見せている。
歩行者ネットワークでは、JR線線路上空に位置する「中央棟4階広場(仮称)」と、ハチ公広場をつなぐ縦軸移動空間「アーバン・コア」が2033年度の完成を予定。4階からハチ公広場につながる縦軸移動空間「アーバン・コア」も整備。模型では、アーバン・コアの上でウエーブを描く特徴的な屋根も見られる。
渋谷スクランブルスクエア中央棟には、10階屋上に各国大使館などと連携しグローバルな文化交流体験を提供する施設「10階パビリオン(仮称)」が入り、建築事務所「SANAA」がデザインを担当。同棟4階に完成する、先端技術を活用したコンテンツを体感できる施設「4階パビリオン(仮称)」は、同東棟のデザインにも関わった「隈研吾建築都市設計事務所」がデザイン。渋谷駅前(スクランブル)交差点などを見渡せる両パビリオンのデザインを、世界的建築事務所が手がけることになる。
駅前再開発では、2030年度~2031年度にかけて、駅と歩行者ネットワークの概成、渋谷スクランブルスクエアの完成によって、「渋谷を訪れる人たちにとって分かりやすく歩いていて楽しい空間になる」(東急執行役員 都市開発本部 渋谷開発事業部長・坂井洋一郎さん)と言う。
そのほか、2023年11月に営業を終了した東急百貨店本店跡地の一体に複合施設を建てる「Shibuya Upper West Project」が2029年度に、宮益坂地区の「宮益坂地区第一種市街地再開発事業」が2031年度に、それぞれ完工を予定。周辺の広場も含めると、2034年度に渋谷の街全体の正開発が完成する予定という。東急グループが携わる駅周辺の11プロジェクトが完成した後も、グループでは渋谷で開発を続ける計画。
模型を展示する渋谷スクランブルスクエア12階の営業時間は11時~23時。