株式会社アルヴァスデザイン(本社:東京都港区、代表取締役 CVO:高橋研、以下 アルヴァスデザイン)は、株式会社HR dock(本社:東京都渋谷区、代表取締役/東京大学大学院 情報学環 客員研究員:土屋 裕介、以下 HR dock)、城戸 楓(奈良県立医科大学)と共同で、BtoB営業職800名を対象とした「顧客志向行動と動機づけ」に関する調査を実施しました。
本研究では、営業パーソンの顧客志向を可視化する新規尺度を開発し、その構造と業績・評価との関連性を明らかにしました。その結果、顧客志向が営業成果を左右する主要因であることが示されました。
■背景
営業活動は、従来の短期成果だけでなく、長期的な価値創造が求められる時代へ移行しています。本調査は、営業パーソンの顧客志向を構造的に捉え、動機づけや業績との関係を定量的に把握することを目的として実施しました。
■調査概要
目的:顧客志向行動の新規尺度構築および、動機づけ・業績・評価との関連性の解明
実施主体:アルヴァスデザイン、HR dock、城戸楓(奈良県立医科大学)
調査対象:BtoB営業職 800名(男性738名/女性62名)
調査時期:2025年9月
調査方法:オンラインアンケート
主な項目:顧客志向行動(新規尺度)、動機づけ、職務適応、業績、人事評価・周囲評価
主な調査結果(要点)
- 顧客志向は「5因子構造」で説明できることが判明した。(価値創出力、計画遂行力、関係構築力、長期的視点、本質課題発見力)
- 顧客志向のすべての因子は、営業パーソンの内発的動機づけによって向上し、動機づけが顧客志向を規定する主要因であることが確認された。
- 顧客志向の複数因子が、業績、人事評価、職務適応に寄与し、営業成果を左右する実質的な決定因子として機能していることが示唆された。
- 長期的視点の因子は、短期成果中心の評価軸とは必ずしも一致せず、成果と評価の間にギャップが生じる可能性があることも確認された。
本調査では、顧客志向尺度および営業職の内発的動機づけ尺度の意義について理解するために、共分散構造方程式モデリングによる検証を実施しました。本結果は動機づけが顧客志向に影響を与え、顧客志向が営業成績や人事評価などに影響を与えるということを示しています。

顧客志向の5因子
図中の「線」は、各要素がどの程度ほかの要素に影響を与えているかを示します。
・線がつながっている=統計的に有意な影響が確認されたことを意味します。
・黒い線=プラスの影響力を示し、ある要素が高まると、つながる先の要素も高まる関係性を表します。
・赤い線=マイナスの影響力を示し、ある要素が高まると、つながる先の要素が下がる関係性を表します。
■総括
本研究では、営業パーソンの顧客志向行動を測定する新たな尺度を構築し、その構造と動機づけ・業績・評価との関連性を明らかにしました。
特に、顧客志向は営業成果を左右する中心的な決定因子であることが確認され、営業パーソンにとって不可欠な行動特性であることが示されました。また、顧客志向は動機づけの影響を強く受け、内発的動機づけが顧客志向を高める主要因である一方、外発的動機づけは一部の因子にネガティブな影響を及ぼす傾向があることも明らかとなりました。
■今後について
アルヴァスデザインは、「人の可能性を拓き、営業する・されるが楽しい世の中をつくる」という理念、これまでの経験を基点に、顧客志向が営業パーソンの働きがいと成果をつなぐ重要な指標になりうると考えています。
今回明らかになった顧客志向の構造的特性と、動機づけ・成果との関連は、営業が“楽しさ”と“価値創造”を両立できる職業へ進化する可能性を示すものです。
今後は、顧客志向が「働く楽しさ」をどのように形成し、それが業績・評価とどのように接続するのかについて、営業パーソンが主体的に力を発揮し、顧客とともに価値を生み出す未来を実現に向けて、さらなる研究を継続してまいります。
■詳細レポートのご案内
本リリースは結果の一部を抜粋したものです。因子構造、モデリング結果などの詳細はレポート版にてご覧いただけます。ご希望の方は下記ページからダウンロードください。
URL:https://alvas-design.co.jp/download/14915/
【会社概要】
会社名:株式会社アルヴァスデザイン
代表取締役CVO:高橋 研
所在地:東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル6階
問い合わせ窓口:https://alvas-design.co.jp/contact/
公式HP: https://alvas-design.co.jp/
運営メディア:https://insightsales.jp/