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故・谷岡ヤスジさん企画展「アサーッ!」-アーティスト小町渉さんの視点通じ

左手前は、「ガキ夫」が、「大きくなってとんでもないことをしでかす準備をしている状態」を表現したというマネキンのインスタレーション

左手前は、「ガキ夫」が、「大きくなってとんでもないことをしでかす準備をしている状態」を表現したというマネキンのインスタレーション

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 「アサーッ」「鼻血ブー」などの流行語を生み出したギャグ漫画家・谷岡ヤスジさんを、アーティスト小町渉さんの視点を通して紹介する企画展「アサーッ! LET'S DO IT AGAIN.」が9月17日、「TOKYO HIPSTERS CLUB(トーキョーヒップスターズクラブ)」(渋谷区神宮前6、TEL 03-5778-2081)で始まった。

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 1942(昭和17)年生まれの谷岡さんは1970年代に「週刊少年マガジン」で連載した「ヤスジのメッタメタガキ道講座」で人気を博し、「ワルくてたくましくてスケベ」な主人公「ガキ夫」や、物語の冒頭に「アサーッ」などの雄たけびで時間を告げる「ムジ鳥」など独自のキャラクターを次々と発表。赤塚不二夫さんと並び日本ギャグ漫画界を代表する漫画家の一人として知られる。1999年に57歳で没した。

 一方の小町さんは、演歌作曲家の父を持つ東京生まれのアーティスト。パリやロンドンでの作品展示をはじめ、英ミュージシャンBECKのツアーTシャツデザイン、松屋銀座の全館プロモーションのアートワークなど、国内外で幅広く活躍する。

 米アーティストのキース・ヘリングさんが、来日時に「大絶賛」したことをきっかけに谷岡作品に興味を持ったという小町さん。以来ずっと「引っかかって来た」と言い、谷岡さんの漫画・キャラクターの版権窓口となる「ソニー・デジタルエンタテイメント・サービス」(中央区)とかかわりを持ったのを機に、今回の企画を発案した。

 「大きくなった『ガキ夫』」をモチーフにしたマネキンをはじめ、現代美術家ダミアン・ハーストさんの世界観に谷岡さんの動物キャラを埋め込んだキャンバス画、映画「KIDS」(ラリー・クラーク監督)と「ガキ」をかけ合わせたTシャツなど、会場には幅広いスタイルの作品20点以上が一堂に並ぶ。小町さんの視点を通して、「20代~30代前半の、谷岡さんを知らない世代」に向け「谷岡ワールド」を紹介する。

 同展開催にあたり、小町さんは「どうしても(谷岡)先生の線の方が強くなり、『食われないように』と結果的に自分の引き出しを全部開けた。制作を通して自分に足りない部分が見え、勉強になった」と振り返る。

 そのほか会場には、谷岡さんの原稿のコピーや実際に使っていた筆記用具などをデスクに並べ、谷岡さんの書斎を「再現」したスペースも。「若い子たちにもっと先生を知ってもらいたい。現在の先生への評価は低すぎると感じるので、今回が少しでも再評価へのきっかけになれば」(小町さん)。

 開催時間は12時~20時。入場無料。10月3日まで。

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