渋谷Bunkamuraで巨匠ブリューゲル版画展-「細かい描き込み」で話題に

会場では来場者が作品の細部をじっくりと眺め、あちこちで列ができている

会場では来場者が作品の細部をじっくりと眺め、あちこちで列ができている

  • 0

  •  

 渋谷「Bunkamuraザ・ミュージアム」(渋谷区道玄坂2、TEL 03-3477-9413)で開催されている、16世紀ネーデルラント絵画の巨匠ピーテル・ブリューゲルの版画作品を一挙に紹介する大型展「ブリューゲル版画の世界」が会期終了を間近に控え、多くの来場者を集めている。

[広告]

 「バベルの塔」「ネーデルラントの諺(ことわざ)」などの代表作で知られる16世紀の油彩画家ブリューゲル。同展はベルギー王立図書館の協力を得て、ブリューゲルの作品に基づいて彫版された全70作品以上の版画を一挙に紹介するもので、同・次世代の画家たちの作品も合わせた150点から、16世紀の版画芸術の「頂点」を映し出す。

 大地の隆起を感じさせる風景描写や活気あふれる民衆表現など「圧倒的に細かい」(ザ・ミュージアム広報海老沢典世さん)描き込みが作風。聖書の主題を取り上げたシリーズなどでは、人間と昆虫、爬虫(はちゅう)類、魚などを「合成」したり、日常道具が「生き物化」したりという奇妙な造形描写も見どころになっている。

 海老沢さんは「版画のみの企画展はモノクロ作品が会場を埋め尽くすため、単調になりがち」とも。会場では作品を素材とした動画コンテンツの上映や、作中のモチーフをキャラクター化して壁面やソファを装飾するなど「飽きさせない」工夫を凝らした。

 会期終了まであと1週間。会場では、学生、親子連れ、年配者など幅広い層の来場者が列を作り、各作品の細部にじっくりと見入る光景があちこちで見られている。来場者からは「16世紀のブリューゲルの不思議な世界に入り込んだ。楽しめた」などの感想が寄せられているという。

 開館時間は10時~19時(金曜・土曜は21時まで)。入館料は、一般=1,400円、大学・高校生=1,000円、中・小学生=700円。8月29日まで。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース