東急百貨店本店(渋谷区道玄坂2)跡地の再開発に伴い移転が決まっているミュージアム「Bunkamuraザ・ミュージアム」(Bunkamura地下1階)の現展示室「最後」の展覧会となる「高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995-2025 時をまとい、風をまとう。」が現在、開催されている。
主催は、今月13日に開幕した複合ファッションイベント「SHIBUYA FASHION WEEK(SFW)2026 Spring」。同イベントが参画するクリエーティブの祭典「東京クリエイティブサロン 2026」の一プログラムとして開く。写真家・高木由利子さんが、都内の美術館で写真展を開くのは初めて。
高木さんは東京生まれ、武蔵野美術大学でグラフィックデザイン、英トレント・ポリテクニック(現ノッティンガム・トレント大学)でファッションデザインを学びデザイナーとしても活動した後、写真家として活動。独自の視点から衣服や人体を通して「人の存在」にフォーカス。同展では、世界各地で伝統の衣服をまとい生きる人々の日常を捉えてきたシリーズ「Threads of Beauty」に焦点を当て、会場構成を建築家・田根剛さん(ATTA)が手がけた。
約100点に上る作品は、竹和紙に印刷した大判の写真を、それぞれ「KONBU」と名付けられた写真よりさらに大きな布に縫い付け、テントのような支持体の形で会場内に点在。高木さんが被写体として少数民族と接する中で「道ができると少数民族がいなくなってしまう」と聞いたことから、順路はあえて設けず、自由に見て回れる会場構成にした。
12カ国で撮影したシリーズを、「Villege(村)」ごとに8つのテーマで構成。高木さんの撮影旅行を「追体験」できるような展示にしたという。これまでいろいろな企画展で名画などを掛けてきた展示用の壁は使わず、壁を取り払うことで構造壁のコンクリートや空調ダクトがむき出しになった空間も目を引く。
高木さんがコロナ禍前に渋谷の街なかで撮影したスナップを、Threads of Beautyシリーズの作品と組み合わせた新作の映像作品「同時多発的服飾 SHIBUYA×THE OTHER SIDE」も初公開。「発掘」エリアでは、シリーズを撮る中で高木さんがこれまで集めてきた物をアクリルケースに入れて展示している。
開催時間は13時~20時(最終入場は19時30分)。入場無料。今月29日まで。
Bunkamuraザ・ミュージアムは再開発事業「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」の2029年度完成予定の高層ビル内への拡大移転を予定している。