企画展「Touching the sky | 空に触れる」が1月22日、渋谷駅直結の「渋谷スクランブルスクエア」(渋谷区渋谷2)の展望施設「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」46階にある屋内展望回廊「SKY GALLERY」で始まった。
「文化発信施設」を目指す同施設では、展望施設としての営業だけでなく、音楽や映画、ヨガなどのカルチャーコンテンツも展開している。SKY GALLERYでは、「SKY GALLERY EXHIBITION SERIES」と題したアーティストとのコラボレーション展を2020年から年2回開催。9回目を迎える今回は、小林宏誠さんを取り上げる。
1981(昭和56)年徳島県生まれの小林さん。武蔵野美術大学建築学科を卒業後、東京芸術大学大学院を修了。アーティストグループ「アトリエオモヤ」のメンバーとして活動を開始し、2014(平成26)年に独立した。大学の卒業制作で羽根を浮かせたことをきっかけに「浮遊」や「鳥」へ興味を持ち、「軽さ」「動き」「光と影」に着目した作品を2004(平成16)年から制作。美術館での作品展示をはじめ、商業施設などの空間演出も手がけている。
同シリーズでは、アーティスト自身に同施設を体験してもらい、得たインスピレーションを基に制作した新作を展示するのも特徴。小林さんは、同施設の屋上展望空間で風を感じた際に浮かんできたという「空にふれる」をコンセプトに掲げる。雨はよくある現象だが、この言葉が浮かんでからは「雨は空と地上をつなぐ一本の線のようにも感じられるようになった。もしかしたら、私が学生時代から作り続けてきたのは、地上にいながら空を感じるための装置だったのかもしれない」とコメントしている。
展示作品は8点で、そのうち新作は2点。小林さんはガチョウなどの本物の羽根で作品を制作してきたが、2014(平成26)年以降は人工素材で羽根を表現することにも取り組んでいる。シャンデリアのような作品「Lifelog_シャンデリア_リマスター」は、ファッションブランド「ISSEI MIYAKE」とコラボレーションした際に制作した人工の羽根を基に、3Dプリンターで出力したパーツと和紙の羽根を組み合わせて形を再現した。
新作「空にふれる」は、地球をイメージしたドームの中に水たまりを作り、0度~マイナス5度のオブジェを設置。オブジェの周囲に水滴が発生し、時間がたつと水たまりに落ちる(=雨が降る)仕組みとした。同じく新作の「サンキャッチャーのモービル」は、日常の現象を「少し違う風に見せる」意図で制作。太陽光が当たることで虹色の光が生じ、「普段は意識しない『光』に気付かせてくれる」サンキャッチャーをモービルにして動きを与えた。同所はガラス張りで、作品越しに風景が見えることや太陽光が差し込むことも意識。夜間には、作品がガラスに映り込み、外の風景の中に浮かんでいるように見えるという。
「雨のうた」は、小林さんの関心が「浮遊」から「景色」へと移り変わるきっかけとなった作品で、波紋を表現。モーターを仕込んだレールから、双円錐のような形の透明なオブジェをゴムひもでつり下げ、定期的にモーターを動かすことでオブジェが回転する。オブジェには外の景色や、作品を展開する壁面のビジョンで流す、雨の日に撮影した渋谷の光の映像が映り込む。「Lifelog_モービル_リマスター」は、プロジェクトが実現しなかった屋外設置の大型彫刻作品を想定した模型作品。下から送風することで、羽根を組み合わせたオブジェが回転しながら浮かぶ「シークレットガーデン」は、2010(平成22)年から改良を重ねているという。
営業時間は10時~22時30分。チケット料金は、14時59分までの入場が12歳以上2,700円、15時以降の入場が同3,400円ほか。3月22日まで。