Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が12月28日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で年内最後の試合を戦った。
立ち上がりは、田中大貴選手がオープンの3ポイント(P)シュートを沈め、守備ではトロイ・マーフィージュニア選手がビッグマン相手に体を張る場面も見られた。途中出場した大庭圭太郎選手はプレッシャーをかけてくる大阪の守備をかいくぐりパスを出したほか、持ち前のスピード力を生かして速攻からレイアップを決めるなど、アグレッシブにプレーした。
14-13と競って迎えた第2クオーター(Q)。好守からの速攻で点差を広げるが、大阪に高確率で3ポイント(P)シュートを許し、33-37と逆転を許す。「アタックして空いている味方を見つける。シンプルだがそこのクオリティーが高かった。予想していたよりも渋谷のディフェンスがインサイドに収縮していて、昨日は見つけられなかったが、映像で見たら逆サイドや外が思ったより空いていた」(大阪・牧隼利選手)と、守備の穴を突かれた。
発熱で欠場したカイル・ベイリーヘッドコーチに代わり指揮を執ったゾラン・マルティッチアソシエイトコーチ(AC)が、「得点を取れる選手が誰もいなかった。シュートを決める気合いの入った選手が一人も見つからなかった」と厳しくし評価した後半。立ち上がりは、ジョシュ・ホーキンソン選手の3Pシュートやドンテ・グランタム選手のレイアップで加点するが後が続かず、シュートを打てずに攻撃が終わる場面やフリースローを外す場面も見られた。マルティッチACは「とにかく試合を持ち直し、大阪にミスをさせるためにリスクを冒してチャンスをつかまざるを得なかった」と、前線からボールマンにダブルチームを仕かける、普段とは違う守備も見せた。
大阪の攻撃を守り切る場面や、大庭選手が「絶対的に貢献しないといけない部分。技術というより『やらせない』という気持ちの部分で起きたのかな」と、外国籍選手相手に体を張ってファウルを誘発する場面もあったが、流れを変えることはできなかった。44-59出迎えた最終Qは、序盤で20点差を付けられる。グランタム選手がシュートブロックやリバウンドから得点を挙げるなどしたが点差は広がり、51-78で敗れた。
攻撃が苦戦した原因としてマルティッチACは、ベンドラメ礼生選手が腰を痛め出場時間が限られたこと、ジャン・ローレンス・ハーパージュニア選手のファウルが前半でかさんだことに触れ「苦しい状況だった」と話した。マルティッチACと大庭選手は敗因の一つにリバウンドを挙げた。勝利した前日の試合でもリバウンド数では負けていた。この日は前半でオフェンスリバウンドを7本取られ、そこから7失点していた。大庭選手は「後半は修正しようと話はあったが、取る気持ちの部分で負けたのかな。試合(の勝敗)に直結した」と振り返った。
守備を課題に挙げた大庭選手は、「チームのディフェンスを強化しないといけない。80点以上取られるとしんどくなるので、昨日のように、60点、65点くらいに抑えられるようにしたい」と話し、ゴールへのアタックに対しては「個人も成長しないといけない。全部は止められないので、そうなった時にチームでローテーションできるようにしないといけない」とも。
今節は、ホームタウンの渋谷区の花「ハナショウブ」の紫色を基調としたユニホームを着用。大庭選手は「チームとして戦うなかでチームが大事にしているものは、途中加入した選手も大事にしないといけない。そういうのも意識した」と紫色が入ったシューズでプレーした。