10代~20代に特化したマーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.(シブヤイチマルキューラボ)」が11月11日、「トレンド大賞2025」を発表した。
「SHIBUYA109 lab.」は、SHIBUYA109(渋谷区道玄坂2)などを運営するSHIBUYA109エンタテイメント(道玄坂1)のマーケティング機関。トレンド大賞は、独自のネットワーク「SHIBUYA109 lab. MATE」に所属する高校・大学生10人が9月に会議で選んだノミネートを基に、9月~10月にアラウンド20(15歳~24歳)の女性619人(有効回答数)を対象にウェブでアンケート調査した。
アンケートは、「カフェ・グルメ部門」「アーティスト部門」「コンテンツ部門」「キャラクター部門」「ビューティー部門」「ファッション部門」「体験部門」などの9部門で実施した。
「カフェ・グルメ部門」では、韓国・中国を中心としたアジアフードの中でもヘルシーフードが昨年に引き続きトレンドとなり、中国のスープ料理「マーラータン」が1位にランクイン。「ORANGE RANGE」、西野カナさんなど平成のアーティストもノミネートに上がった「アーティスト部門」では、オーディション番組から誕生したグループ「HANA」が1位に選ばれた。
「コンテンツ部門」では映画やアニメが多くノミネートされたが、トップ5は全て映画が選ばれた。「国宝」(1位)は、SNSでは劇中のシーンをまねするSNSミーム「国宝界隈(かいわい)」も生まれた。3位には、平成時代に生まれたHYの同名楽曲をモチーフにした映画「366日」がランクインした。「キャラクター部門」は、「ぬい活」が盛んになるなど注目度の高さから今年新設。同部門でも、「リラックマ&コリラックマ」など平成リバイバルキャラクターがノミネート。1位には、現在でも店舗に行列が見られる中国のアートトイブランド「POPMART」のキャラクター「LABUBU」が選ばれた。大阪・関西万博のキャラクター「ミャクミャク」(2位)は、サンリオキャラクターズなどとのコラボレーションでも人気を博した。
「ファッション部門」は、キーアイテムなどを中心にする「○○コア」が昨年に引き続きトレンド。その中で、チタンの付いたシールを耳つぼに貼る「耳つぼジュエリー」(1位)、ラメやラインストーンなどを直接肌に貼る「ボディージュエリー」(2位)など、「さりげなくギラギラできる」アイテムが上位に選ばれた。メークでは「なりたい雰囲気」の演出がトレンドで、「ビューティー部門」2位のピンクやコーラルカラーを使う「多幸感メーク」など、「ハッピーオーラ」の演出がキーワードになった。
「体験部門」では、主にカプセルトイの景品として登場したラバーリングが付いたマスコット「めじるしアクセサリー」(1位)をはじめ、「メガネチャーム」や「ブレスレット(作り)」(4位)など、「小さいチャームで個性や好きを楽しむ体験」がトレンドになった。シール帳(3位)や編み物といった一人や少人数で楽しむも「共感半径が狭い」体験もノミネートした。
同ラボ所長の長田麻衣さんは、「昨年に続きSNSを中心としたコミュニケーションの『量』と『範囲』に疲れを感じる傾向が消費トレンドにも色濃く反映された一年」と今年を振り返り、「疲れを癒やすためのリフレッシュ体験や、自分をチアアップしてくれるアイテム・コンテンツを通じて、『ありのままの自分』を肯定しながらも、明るく自虐し、互いに励まし合いながら今を楽しむというのが、若者のコミュニケーションムード」と分析している。