Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が11月8日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)でアルバルク東京(以下、A東京)と対戦し83-66で勝利した。
今季唯一の東京ダービーとなる今節。田中大貴選手は9季在籍した古巣でもあり「特別な思いがある」相手となった。第2クオーター(Q)には、A東京のビッグマン、ライアン・ロシター選手相手に得点を挙げたが、「アルバルクにいた時から冗談を言い合っていたし、少ししゃべった」と、試合中ながら笑顔を見せた。試合中には、小酒部大暉選手や安藤周人選手とも言葉を交わしたと言い、「本当に楽しかった。彼らが悔しそうにしている顔を見るのは好き」と冗談めかしつつ、勝利を喜んだ。
攻撃では、スクリーンを使ったプレーの相手の守備に対し「良い判断をしたい」と考えている田中選手。この日は「1発目で出し抜けて良いプレーにつながったので、個人的にいい感触で試合に入れた」と言う。第1Qはアシストを重ね、第2Qには得意のミドル、3ポイント(P)シュート、好守からの速攻で得点するなど、積極的に点を取りにいき、チーム最多の18得点をマークした。前節は守備で貢献しながらも0得点だった田中選手。「挽回したい気持ちがあった」と明かしつつ、前節は異なる会場でのホームゲームだったことから「青学の方がやりやすい。本当のホームで戦えたのが良かった」と笑いを誘った。
前節勝利し、その流れを「いかに持ち越すことができるか」(カイル・ベイリーヘッドコーチ(HC))と挑んだこの日。立ち上がり、野崎(立つさき)零也選手がミスを誘う好守を見せると、直後の攻撃でベンドラメ礼生選手が、攻撃時間が残り少ないなかファウルを受けながら3ポイント(P)シュート決めリードを奪う。
19-14で迎えた第2Qは、ガード陣が積極的なアタックを見せる。A東京にインサイドで得点を許す場面が増え、点差を詰められるが、田中選手の得点に加え、リバウンドのボールを押し込んだドンテ・グランタム選手のダンクなど5連続得点で一時2桁リードを奪うことに成功。リバウンドが「求められている役割」のトーマス・ウェルシュ選手は、A東京がリバウンドを強みとするなか、「特に頑張った」と前半だけで11本取った。
後半は立ち上がりで一時逆転を許すが、ホーキンソン選手の3Pシュートを皮切りに、速攻からの得点などで再び2桁点差をつける。永吉佑也選手は身長差のある選手に対して守備で体を張ったほか、3Pシュートを決め場内を沸かし、66-50とリードを広げた。ジャン・ローレンスハーパージュニア選手との連係プレーで得点を重ねたウェルシュ選手。ロブパスをそのままシュートした場面もあったが、「あまりいいパスではなかったかもしれないが、昨日練習していて、どこにどういう風にパスを出してほしいか話していた」プレーだった。
一進一退の攻防となった最終Q。A東京に3Pシュートを決められても、ハーパージュニア選手が入れ返し追い上げを許さず、ホーキンソン選手はファウルを受けながらシュートを決めきり勝ちきった。
守備についてベイリーHCは「最近はプライドが見えている。もう一つ、完璧でなかったがヘルプサイドもよくなった」と好感触を得た様子を見せた。
7連敗を止めた前節の勝利が「大きかった」と言う田中選手。「キャリアでこんなに連敗したことがなかった。試合は来るのでそれに左右されずに僕や礼生など経験ある選手がトーンをセットできるようにとは考えていたが、さすがに僕も元気はなかった」と明かす。「特に何かをしたわけではないが、このチームの顔である礼生が引っ張ってくれて、ディフェンスのトーンをセットしてくれるJJ(=ハーパージュニア選手)が戻ってきたのが重なり良いゲームに持ち込めた。一つの勝ちが僕たちにはすごく必要だった」と振り返った。