
愛知・名古屋発の台湾料理店「矢場味仙」の東京1号店「矢場味仙 TOKYO」(渋谷区道玄坂1)が10月3日、渋谷・道玄坂エリアにオープンする。
名古屋の名物料理店として、多くの観光客が訪れることでも知られる「味仙」。矢場味仙としては、名古屋・矢場町、中部国際空港セントレアに次ぐ3店舗目となる。東京進出に当たり選んだ渋谷を、インバウンドを含め多様な人が訪れる「国際都市」「情報発信地」と位置づけ、同店が広めてきたと自負する「旨(うま)辛文化」を広める狙い。
外食事業を手がけるデライト(千葉県流山市)が新会社TFR(同)を立ち上げ、同店を経営。当初は夏ごろにオープンを予定していたが、矢場店と同じ味を提供できる準備を整えるため、開業を後ろ倒しにした。
場所は、道玄坂上交番と首都高速3号渋谷線をつなぐ通りと渋谷中央通りが交わる角地。店舗面積は2フロア計約27坪、席数は、1階=カウンター6席、2階=テーブル18席、カウンター4席の計28席。300席ある矢場の店舗と比べると小規模の店舗になる。「台湾感・異国感」をコンセプトにした店舗は、赤や木目を基調に、ちょうちんを装飾し、窓にメニュー名を掲出。時間帯に合わせて調光する黄みがかった照明や、ネオンサインを装飾するなど、渋谷の雰囲気にも合わせたという。
「味仙」は、戦後に兵庫・神戸から上京する途中で名古屋に定住した台湾出身の郭宗仁(カク・ソージン)、汪蘭(オーラン)夫妻が名古屋・笹島町で開業した中華料理店「万福」に始まり、の後「大和食堂」と名前を変えたのが「原点」。1962(昭和37)年に夫妻の長男の故・明優(めいゆう)さんが名古屋・今池に「味仙」本店を出し、その後、他の4きょうだいも「味仙」も出店している。
矢場味仙は、長女の故・黎華さんが1999(平成11)年に1号店を出店。店舗により味が異なる中で、唐辛子の辛さやニンニク、野菜と肉で煮込む自家製の特製しょうゆをベースとする「コク」のある味わいなどが人気を集める。
東京1号店では、100種類以上あるメニューの中から「人気の高いメニュー」を選び、41種類(フード)を提供。台湾の「担仔麺(タンツーメン)」を辛くアレンジし、特製の中華麺や唐辛子2種類を使う「台湾ラーメン」(930円)は、辛さ控えめの「アメリカン」から最も辛い「エイリアン」の5段階を用意する。
小袋(930円)は、唐辛子・酢、特製しょうゆで味付ける一品。「青菜炒め」(900円)は、小松菜や空心菜など仕入れ状況により変わる野菜を、ニンニクとガラスープを合わせ、4万5000キロワットという超高火力で炒めて約1分で提供する。「酢豚」(1,350円)は、豚バラ肉の唐揚げに専用の甘酢たれをかけ、キャベツ漬けを添える。
「ニンニク炒飯(チャーハン)」(1,080円)は、荒く刻むニンニクが特徴。「杏仁(あんにん)ソフト」(550円)は、あんにん味のソフトクリーム。客単価は、昼=1,000円~1,200円、夜=2,000円~5,000円を見込む。
オープン時には、甘味「もちぷる杏仁豆腐」を新メニューとして用意。今後、限定メニューも順次展開していく予定。「落ち着き次第、テイクアウトも始める」と言う。
営業時間は11時~15時、17時~23時。