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渋谷で「AIソクラテス」による悩み相談イベント 対話で哲学的気づきを

「AIソクラテス」

「AIソクラテス」

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 AI(人工知能)を活用した「哲学的対話」が体験できるイベント「『BAR・AIソクラテス』展」が6月28日から、渋谷センター街・バスケットボールストリートのイベントスペース「マイラボ渋谷」(渋谷区宇田川町)で開かれる。

体験者に進呈するカクテルカードのイメージ

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 映像コンテンツやゲーム開発、イベントプロデュースなどを手がけるディレクションズ(神山町)と、名古屋大学デジタル人文社会科学研究センター准教授の岩田直也さん、桜美林大学リベラルアーツ学群准教授の田中一孝さん、東京大学人文社会系研究科附属次世代人文学開発センター助教の小川潤さんで構成する「ヒューマニテクスト開発チーム」がコラボレーションする。

 イベントに使うのは、ヒューマニテクスト開発チームが開発した、西洋古典学に特化したAI対話システム「ヒューマニテクスト」。学習したデータに基づいて言語の出現確率を予測するAI「大規模言語モデル(LLM)」を用いたシステムだという。ヒューマニテクストは、学習させた西洋古典約1000作品の原典を情報源にした回答を生成するのが特徴の一つで、イベントでは、哲学者・ソクラテス仕様にカスタマイズした「AIソクラテス」と来場者が「対話」できるようにする。

 同社のビジネスプロデューサー古舘勝義さんは、ウェブ上で公開されているヒューマニテクストを知っていたが、「面白さが伝わっていない」「より多くの人に届けたい」と、同イベントを提案。ウェブでのヒューマニテクストはテキストのみだが、「AIソクラテス」はサングラスや大ぶりのネックレス、デニムなど、渋谷でイベントを開くことを意識したビジュアルでアバター化。「いらっしゃい」から始まり、「俺は~」「~感じ?」と現代的な言葉使いでしゃべる声(音声)を当てた。

 AIソクラテスは「何を相談しても哲学にしてくれる面白さがある」ことから、「いろいろなことが話せる場所」としてバーを想起し、バーテンダーという設定にした。来場者は会期中の土曜・日曜・祝日限定で、場内に用意するモニターに映るAIソクラテスと、マイク越しにリアルタイムで対話できる。

 想定する相談内容は、人生や恋愛、仕事などさまざまで、AIソクラテスは例などを示しながら「哲学的な気づき」を返すという。体験後には、AIソクラテスとの対話内容から導き出した言葉や、対話を反映したオリジナルカクテルのイラストなどを描いた「カクテルカード」を進呈する。体験時間は約5分。予約不要。状況に応じて整理券を配布する。

 イベントでは、AIソクラテスとの対話で「自分自身の思考を深め、自らの考えや価値観と向き合い、見つめ直すプロセス」を体験してもらう狙いで、「次世代のコミュニケーションのあり方」も探る。通信技術とAIが、価値観の再構成やより良い生き方にどのように役立ち、貢献できるか、可能性を探求する実験的なイベントを目指す。

 場内には、「仲が良くない人と会話をするときに気を遣ってしまう」「メークの正しい順番が諸説ありすぎる」「パートナーのメッセージアプリのやりとりをのぞきたい」などの悩みと、AIソクラテスの回答、その内容を反映したオリジナルカクテルのイラストも展示する。

 開催時間は11時30分~19時。入場無料。7月21日まで。

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