
「第28回 渋谷・鹿児島おはら祭」が5月17日・18日、道玄坂や文化村通りなど渋谷駅周辺で開かれ、約2000人の踊り手たちが民謡に合わせ、踊りながら通りを練り歩いた。
鹿児島市制施行60周年を記念し、1949(昭和24)年に始まった「おはら祭」は、毎年11月に踊り手が民謡に合わせ踊りながら市内の目抜き通りを練り歩く。「渋谷」版は、小倉基元渋谷区長が鹿児島県出身だったことをきっかけに1998(平成10)年に初開催。区と同市は観光・文化交流協定も締結している。
今年は、関東の51組と、鹿児島の11組の計62組の踊り連が参加。「本祭り」となる踊りパレードは18日に行われ、12時に交通規制が始まり、13時に開会。第1部のパレードでは「渋谷音頭」と「おはら節」「渋谷発ハンヤ節」が流れる中、審査対象となる連が踊りを披露した。続く第2部では、「TOKYOオハラ」などに合わせ若者による連がパレードし、第3部でも踊り連が会場を練り歩いた。
パレード終了後、受賞連の発表・表彰式が行われ、グランプリに「チームしぶや」が選ばれると、地元チームの優勝に会場は盛り上がりを見せた。審査委員長賞(渋谷でハンヤで賞)には外国人チームの「インターナショナルおはら」が選ばれた。
グランプリに輝いた「チームしぶや」は昨年発足。今年は、踊り手20人、サポートメンバーを含め22人で本番に臨み、3月から隔週1回程度のペースで練習に励み踊りを磨いてきた。メンバーは20~40代で、渋谷で働く人や渋谷が好きな人、渋谷を盛り上げたい人などで構成。渋谷区と鹿児島市の縁で始まった同祭を、「渋谷から盛り上げたい」とチームを発足させたという。
メンバーの一人で、渋谷区観光協会理事の小池ひろよさんは「個人的にも『縁』を大切にしていて、チームでも大切にしたいと思ってきた。いろいろなバックグラウンドを持ち、それぞれ違う職業や年代で、このチームをきっかけにメンバーとのつながりでできたというパワーが『チームしぶや』らしさ」と話す。「チームが笑顔で、渋谷で仕事をしていて良かった、渋谷が好きで良かった、『渋谷最高』と思ってもらえるように、とにかく『楽しく』というのが当日の目標だった」と言い、「写真を見返しても、みんなの笑顔が最高だったので、受賞は感無量。グランプリを取れて本当にうれしい」と喜びを表す。
2日間の祭りでは、音楽を聞きながら焼酎や鹿児島の食を楽しめる「鹿児島焼酎&ミュージックフェス in 渋谷」や、渋谷・鹿児島それぞれの観光案内などの関連企画も展開し、2日間の日程を終えた。