
米ロサンゼルス発ドーナツ店「ランディーズドーナツ(Randy’s Donuts)」の国内1号店「ランディーズドーナツ渋谷代官山店」が5月15日、代官山駅近くの商業施設「ログロード代官山」(渋谷区代官山町)にオープンした。経営はグリット・インターナショナル(東3)。
同ブランドは1952年にロサンゼルスで誕生。1号店の屋根上に設置されている直径約10メートルのドーナツ型のサインは街のシンボルの一つで、5月12日現在ロサンゼルスを中心に米国内では27店舗を展開している。
若年層の来街やトレンド感に加えて、「ファッショナブルな側面」もあることからブランディング含めて代官山を日本1号店の立地に選んだ。「渋谷代官山店」の店舗面積は、約127.44平方メートル。席数はテラス席を含め40席。店頭には、直径約4メートルのドーナツ型のサイン看板を設置。象徴的なオレンジを随所に取り入れる店内には、本国の店舗や過去に行ったコラボレーションの写真などを装飾。窓のカッティングシートは、ロサンゼルスの店舗が登場する映画「アイアンマン2」でドーナツを食べているシーンから着想を得た。レジカウンター横には最大1000個ほどのドーナツを並べることができる高さ約3メートル×幅約2.7メートルのショーケースを備える。
ドーナツは、オープン時42種類をラインアップ。創業以来受け継がれているというレシピでオリジナルのドーナツミックス粉を使い店内で手作りする。チョコレートなど一部原材料は日本のものを使い、商品によっては甘さを控えるなど日本仕様にローカライズしている。
米国とほぼ同じ味で提供するイーストドーナツにシュガーグレイズをコーティングする一番人気の「グレズドレイズド」(360円)などシンプルな「クラシック」をはじめ、シナモンパウダーで仕上げるねじり形状の「シナモンシュガーツイスト」(440円)などチョコレートやナッツなどのトッピング、フレーバーなどでアクセントを加える「デラックス」、ローストココナツをトッピングする「ココナッツレイズド」(480円)などデコレーションを施す「ファンシー」、焼きマシュマロをイメージしてマシュマロをトッピングする「スモアズレイズド」(550円)など特徴的なトッピングやフレーバーを使う「プレミアム」の4つのカテゴリーをラインアップする。
ドリンクは、オリジナルの「ランディーズロースト(Randy’s Roast)」を使うブレンドコーヒーやアメリカーノ(M450円~)やタピオカ入りの「ロイヤルミルクティー タピオカ」(700円)、ミルクシェイク(750円)など15種類以上を扱う。想定客単価は、イートイン=1,000円弱、テイクアウト=2,000円~3,000円程度。
日本上陸記念として、ロサンゼルスの青空をイメージした青いアイシングに「LA」の文字を白いアイシングで施す「LAブルーカスタードクリーム」などが入る「限定 LAブルーカスタードクリームセット 12個」(5,500円)、直径約16センチと同ブランドの中で最も大きい「テキサス」サイズでフリーズドライイチゴをトッピングする「ストロベリーチョコレートテキサス」(550円)を、6月15日までの期間・数量限定商品として販売。本国の店舗をイメージしたタンブラーで販売するレモネードドリンク2種類(各1,800円)、セレクトショップ「FREAK’S STORE」が企画・デザインした米1号店のドーナツ型サイン看板をプリントするTシャツ(5,500円)も、日本限定グッズとして扱う。
日本ではグリット・インターナショナルが昨年11月、同ブランドを展開する米Quad Queens LLCと国内展開におけるマスターフランチャイズ契約を締結。グリッド・インターナショナル芳賀剛社長は昨年の展示会「フランチャイズ・ショー」で同ブランドと出合い、オレンジ色のテイクアウトボックスなどの「ファッショナブル」な点や「オールドアメリカのイメージ」に引かれ、伝統的な製法の揚げドーナツであることから日本でも「なじみがあり受け入れられるのでは」と考えたという。Quad社のマーク・ケレギアン社長は「日本はアジアで最も重要な場所の一つで、東京に私たちがいないことは考えられなかった」とかねて日本進出を考えていたと言い、「パートナーは最も重要な存在で、(芳賀社長とは)金もうけだけでなくドーナツに対するパッションや価値観を共有できると判断した」と日本上陸を決めた。「(日本の消費者と)会えてとてもうれしいので、ぜひ来て楽しんでほしい」と呼びかける。
初日となったこの日は、ケレギアン社長やその家族、芳賀社長、店舗スタッフなどでテープカットを行い、オープンを祝った。オープンの11時の段階で約320人が行列。以降は整理券を配布したが11時30分ごろには当日分が配布終了する盛況ぶりを見せた。
先頭は深夜1時から並んだ世田谷区在住の専門学生・佐藤亜蘭さん(26)で、友人と来店。「アイアンマン2」で同ブランドを知り、数日前に日本上陸の情報を得て来店。1番を狙って来たことから「やっぱりうれしい。待ったかいがある」と笑顔を見せた。「このサイズのドーナツを見たことがない。ホールケーキみたいでインパクトが強すぎた」ことから「ストロベリーチョコレートテキサス」などを購入していた。
営業時間は11時~19時。今後はフランチャイズも含めて2028年末までに50店舗の出店を目指し、イートインのある店舗と、駅ナカなどでのテイクアウト店の出店を考えている。