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東京都写真美術館で写真家・本橋成一さんとロベール・ドアノーさん2人展

本橋さんの「羽幌炭砿 北海道 羽幌町」「炭鉱」より1968年©Motohashi Seiichi

本橋さんの「羽幌炭砿 北海道 羽幌町」「炭鉱」より1968年©Motohashi Seiichi

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 写真家・本橋成一さんと故ロベール・ドアノーさんの写真を展示する展覧会「本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語」が6月16日から、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)2階展示室で開催される。

ドアノーさんの「4本のヘアピン、サン・ソヴァン」

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 本橋さんは1940(昭和15)年東京生まれ。1960年代から市井の人たちの姿を写真と映像で記録。1968(昭和43)年「炭鉱〈ヤマ〉」で第5 回太陽賞を、写真集「ナージャの村」で第17 回土門拳賞、映画「アレクセイと泉」で第12 回ロシア・サンクトペテルブルグ国際映画祭グランプリを受賞するなどしている。

 ドアノーさんは1912年仏パリ生まれ。自動車メーカー「ルノー」のカメラマンなどを経て1939年にフリーとして活動を始めた。東京都写真美術館の外壁に大きく掲出されている「パリ市庁舎前のキス」などで知られ、ニエプス賞(1956 年)、フランス国内写真大賞(1983 年)などを受章。1994年に82歳で亡くなった。

 1991(平成3)年に本橋さんはドアノーさんに会うため仏に向かったが、飛行機の到着が遅れたことから会うことができなかったという。しかし、待ち合わせ場所には写真集「La Compagnie des Zincs(カウンターのやから)」とメッセージが残されていたという。同展はこのエピソードから着想を得て企画した。

 同展では同館のコレクションを含む本橋さんの作品(125点)とドアノーさんの作品(111点)の236点を展示予定。本橋さんは「沖縄 与那国島」(1988 ? 1989年、11点)、「家族写真」(1986 ? 2022年、9点)を美術館初展示するほか、ドアノーさんが撮影した仏北部の炭鉱で働く坑夫たちのルポルタージュ(1945年ほか、6点)、晩年にパリ郊外の風景をカラーで記録した「DATAR」シリーズ(1984年、16点)の一部は日本初公開作品もある。

 生まれた時代や地域が異なる2人だが、同じテーマのルポタージュを残すなど共通点があるという。会場では、それぞれの炭鉱などで撮影した労働者の写真、サーカスを捉えた写真などを展示。ドアノーさんはパリを「劇場」と位置付け人々の姿を捉え、本橋さんは上野駅や築地市場を「広場」と考えていたと言い、その「劇場」や「広場」で撮影した写真も並ぶ。

 関連企画として同館1階ホールでは本橋さんの映画作品を上映するほか、本橋さんとドアノーさんに関するトーク、担当が公家員によるギャラリートークなども行う。

 開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで)。入館料は、一般=800円、学生=640円、中学生・65歳以上=400円ほか。月曜休館(祝日の場合は開館し翌火曜が休館)。9月24日まで。

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