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渋谷に東京都のデジタルクリエーティブ創造拠点 ラボやスタジオ併設

「シビック・クリエイティブ・ベース東京」のエントランス

「シビック・クリエイティブ・ベース東京」のエントランス

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 デジタルクリエーティブの創造拠点「シビック・クリエイティブ・ベース東京(CCBT)」(渋谷区宇田川町、TEL 03-5458-2700)が10月23日、渋谷・公園通りの「渋谷東武ホテル」地下2階にオープンした。

ラボやスタジオなどで構成する施設内

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 東京都と東京都歴史文化財団が主催する事業。都の基本計画「『未来の東京』戦略」で持続可能な都市としていくための戦略として「文化・エンターテイメント都市戦略」を掲げている。

 世界のアートシーンでデジタルテクノロジーが表現の可能性を広げていると考え、デジタルテクノロジーの活用を通して「人々の創造性を社会に発揮する」(シビック・クリエーティブ)のための初の試みとなる拠点。芸術文化を「都市の魅力そのものを示す重要な要素」と捉え、東京に「イノベーションを生み出す原動力になること」を目指す。

 渋谷は「街の戦略としてもアートや美術文化を重要視している、私たちが一緒にやっていきたいアーティストやクリエーターも多くいて、アクセスも良い場所」(東京都生活文化庁文化振興部デジタル推進担当課長・富山由衣さん)であることなどから、都内でも渋谷区に拠点を構えた。富山さんは「渋谷区もおそらく似たような方向性を持っているので、街ともいろいろなこともやっていきたい」と意欲を見せる。

 施設面積は約380平方メートル。作品展示などを行うスタジオ(A=72平方メートル、B=61平方メートル)、創作活動やワークショップなどを展開するラボ(48平方メートル)、レクチャーなどに使えるオープンスペース(202平方メートル)で構成。各スペースは可動壁で仕切っていることから、用途に合わせて空間を作ることができる。

 同所では、アート・テクノロジー・デザインのトピックをぶトークイベントやレクチャー、コミュニティーの形成を図る「CCBT Meetup」、デジタルファブリケーション機器を活用したワークショップ「アート×テックラボ」、同所のパートナーとなるアーティストの企画を公募するフェロー制度「アート・インキュベーション」、アーティストやエンジニア、市民らがアート&テクノロジーを学び社会課題に取り組む「未来提案型キャンプ」を中心に、プログラムを開催する。

 アート・インキュベーション・プログラムではクリエーター5組が活動中。木原共さんとユニットPlayfoolの協働チームは、AI(人工知能)の「世界の認識の仕方」を遊びながら探求していくプロジェクト「Deviation Game」に取り組み、ワークショップや展示を展開していく。浅見和彦さん・ゴッドスコーピオンさん・吉田山さんは、渋谷の街なかを舞台にAR(拡張現実)で国内外のアーティストの作品を展開する展覧会を来年3月に開催予定。同所を拠点に市民向けのワークショップなども行っていく予定。スケートボード(ストリートカルチャー)の視点で都市の変革を切り取る映像作品シリーズを制作しているアートチームSIDE COREは、都の権限を活用して「普段は入れない場所」での撮影を試みることを計画している。

 共創モデルをつくるフェローとなる、東京オリンピックの開会式でドローンを使った演出を手がけたメンバーである野老朝雄さん、平本知樹さん、井口皓太さんは、式で、ドローンで表現した球体の組市松文様を新たにインスタレーションとして再構築。作品は来年2月に東京都写真美術館を中心に開催予定の恵比寿映像祭で発表を予定する。

 スタジオAでは現在、同所の活動趣旨、アーティスト/フェローの活動を紹介するプロモーション展示を実施(11月20日まで)。オープンスペースでは11月5日(15時~18時)にオープニングイベントとして開催された「未来の東京の運動会」のアイデアを作るミートアップを予定する。

 オープンを記念した「アート×テックラボ」第1弾企画として11月26日には、アートユニット「明和電機」の企画を展開。「渋谷工場」と題し、作品の公開制作や修理、制作過程のスケッチや試作品展示などを行う。会期中には、作品を使ったライブやワークショップも予定する。12月25日まで。

 開館時間は13時~19時。月曜休館(祝日の場合は開館し、翌平日が休館)。

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