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さくらももこさん死去、「渋谷系」アーティストも追悼 「渋谷系教えてもらった」の声も

渋谷系音楽の「発祥の地」ともされる旧「HMV渋谷店」外観(写真は1990年11月のオープン日の様子=ローソンエンタテインメント提供)

渋谷系音楽の「発祥の地」ともされる旧「HMV渋谷店」外観(写真は1990年11月のオープン日の様子=ローソンエンタテインメント提供)

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 漫画家さくらももこさんの訃報が8月27日に伝えられ、さくらさんの代表作の一つ「COJI-COJI(コジコジ)」のアニメでオープニング曲を歌ったバンド「ホフディラン」の小宮山雄飛さんら「渋谷系」アーティストも追悼コメントを寄せている。

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 さくらさんは1986(昭和61)年、雑誌「りぼん」で「ちびまる子ちゃん」の連載を開始。同作は1990年にアニメ化され国民的人気を集め、自身で作詞も手掛けた主題歌「おどるポンポコリン」(B.B.クィーンズ)はミリオンセラーを記録。ちびまる子ちゃんのオープニングに起用されたカヒミ・カリィさんの「ハミングがきこえる」(1996年)や、ホフディランが歌ったコジコジのオープニング曲「コジコジ銀座」(1997年)の歌詞も書き下ろすなど、自ら作詞を手掛ける楽曲も多かった。

 さくらさんと、1990年代に流行した渋谷発の音楽ムーブメント「渋谷系」との「タッグ」について、SNSでは、「90年代半ばの渋谷系の音楽をお茶の間で触れさせてもらえたことには、感謝するしかない」「フリッパーズ・ギター解散をいち早くオンエアされたり、渋谷系に近い方という思い出」など当時を振り返るコメントも。

 「カヒミカリィや小山田圭吾を教えてもらったのもさくらももこだった」「今思えば、渋谷系の音楽に接した原体験だったな」など、渋谷系音楽の入り口としてさくらさんの作品を挙げるコメントも多く、楽曲の思い出とともに悲しみが広がっている。

 コジコジのオープニング曲「コジコジ銀座」を手掛け、プライベートでも親交があったというホフディランの小宮山さんはツイッターで、訃報が伝えられた昨日、トークショー後に飲みに行ったことを報告。「話題はタイムトラベルから、科学、輪廻、UFO、超能力、神のちから、くだらないことまでホント楽しかった!」と明かし、「たぶん『キミのそばにもそれはあるはずだよ ふしぎなことは偶然じゃないんだ』ということかな、コジコジ?」と、コジコジに問い掛けるようにコメント。

 楽曲「Johnny,Johnny 死ぬほど恋して」でコジコジのエンディング曲を担当したカジヒデキさんもツイッターを更新。「昨夜さくらももこさんの訃報を聞いてから何度泣いた事か」と悲しみ、「コジコジのEND曲を共作させて頂いて以来仲良くして頂き、この10年は時々お家に遊びに伺わせて頂きました」と生前の親交について触れ、「いつも優しくて明るくて楽しいさくらさん!とっても素敵な方でした。本当にありがとうございました!安らかにおやすみ下さい」としのんだ。

 渋谷系音楽を「渋谷レコ屋系」と分析するなど造詣も深く、自らも90年代に藤原ヒロシさんと音楽ユニットを組み活動していたいとうせいこうさんは「さくらももこのギャグセンスは本当に当代一であった。あんな切れてる才能はなかった」と振り返り、「この才能を『ちびまる子ちゃん』だけでほのぼの終わらせるわけにいかない」と、アニメ放映前のさくらさんを週刊スピリッツに売り込んだエピソードも明かした。

 「出来上がってきたのが『神のちから』で、俺の想像の10倍ぐらいのそのナンセンスぶりにほんと腰抜けた」(以上、原文ママ)と独特な表現でさくらさんの才能を絶賛、「少し会ってない間に何が……。」と死を悼んだ。

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