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恵比寿で「ヒロシマ1945」展 被爆80年、広島原爆の写真・映像公開

「広島赤十字病院でやけどの治療を受ける少年」

「広島赤十字病院でやけどの治療を受ける少年」

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 企画展「ヒロシマ1945」が現在、恵比寿の美術館「東京都写真美術館」(恵比寿ガーデンプレイス内)地下1階展示室で開催されている。主催は中国新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、中国放送、共同通信社。

「被爆後の被災地に立つ少女」

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 戦後80年となる今年は、1945(昭和20)年8月6日に広島、同9日に長崎にそれぞれ原子爆弾が投下されてから80年でもある。被爆80年に合わせて開催している同展は、2023年に報道機関と広島市が共同で国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」に国際登録を申請した「広島原爆の視覚的資料―1945年の写真と映像」(写真1532点、映像2点)を基に、広島市民や報道機関のカメラマン、写真家が撮った広島の原爆写真約160点と映像2点で構成する。

 報道機関が連携し原爆写真と映像の展覧会を主催するのは「初の試み」だという。世界9カ国が核兵器1万2000発を保有し、各地で戦火が絶えない現代で、被爆者の「決して繰り返させてはならない」という訴えとともに、「原爆写真と映像を広く共有しなければ」と企画された。

 テーマは「ヒロシマの原爆被害の実態」。原子爆弾投下直後に発生した「きのこ雲」や、焦土化した街や死傷者、報道機関の支社から撮られた街の様子、放射線の被害で髪の毛が抜けたきょうだい、被爆から3日後に撮影された右手に包帯を巻いた少女などが収められた写真を展示。一部、死体や負傷者なども写っているため、鑑賞前にスタッフがその点を説明する。

 関連イベントとして、主催担当者らによるトークを展開。7月4日(18時~19時30分)には、「被爆直後の広島 フィルムから読み解く写真記者の視線」と題し、朝日新聞社所蔵の「広島赤十字病院でやけどの治療を受ける少年」を取り上げる。連合軍からの原爆写真の提出命令に伴い、上司にネガフィルムの焼却を指示された写真記者は、撮った写真を自宅の縁の下に隠したという。その後の取材で写真に写る医師の名前、2023年には少年の名前がそれぞれ分かったという。当日は、原爆関連の写真の整理・保存などに関わってきた元朝日新聞フォトアーカイブ編集部の清水隆さんら3人が、写真にまつわるエピソードなどを話し、少年の名前が判明する取材過程を追った動画も上映する。

 同10日(18時~19時30分)には、中国新聞社編集委員の水川恭輔さんが登壇。「広島の原爆記録写真の撮影者 証言からたどる」と題し、生前に撮影者が証言した映像や手記などを手がかりに撮影者が「何を目の当たりにし、どんな思いに駆られたのか」に迫る。

 開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで、8月14日・15日は21時まで)。月曜休館(月曜が祝日の場合は開館し、翌平日が休館)。入館料は、一般=800円、65歳以上500円、大学生以下無料ほか。8月17日まで。

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