
絵本作家故レオ・レオーニさんの絵本作りに焦点を当てる展覧会「レオ・レオーニの絵本づくり展」が7月5日から、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)9階のホール「ヒカリエホール」で開催される。主催はBunkamuraと朝日新聞社。
オランダ・アムステルダム生まれのレオーニさんは、1930年代半ばから伊ミラノでグラフィックデザインの仕事を始め、1939年に渡米して以降アートディレクターとして活動。49歳の時に初の絵本「あおくんときいろちゃん」を出版。その後、年に1冊のペースで絵本を出版し、「スイミー」は、アメリカで「最も権威のある」米「コルデコット賞」の名誉賞をも受賞。日本でも小学校の教科書に作品が掲載されるなど広く知られる。現在、渋谷パルコ(宇田川町)8階のギャラリー「ほぼ日曜」では、レオーニさんの作品の翻訳も多く手がけてきた故・谷川俊太郎さんの展示イベントも開催されている。
同展は、板橋区立美術館を皮切りに各地を巡回する「レオ・レオーニと仲間たち」展の絵本のセクションに焦点を当て、新規制作映像コンテンツを追加。「Bunkamuraザ・ミュージアム」で新たに構成した内容となる。
第1章「レオーニのテクニック(技法)」では、絵本作りの技法からレオーニさんが「手仕事に込めた思い」を紹介。レオーニさんは多くの作品で、はさみで切ったり手でちぎったりした多種多様な紙をコラージュしているほか、水彩・油彩・クレヨン・鉛筆・色鉛筆などの画材を使っている。「アレクサンダとぜんまいねずみ」などに登場するネズミたちは「モフモフした毛の感じ」を出すために「必ず」手ちぎりで表現しているという。「コーネリアス」のワニのうろこなどはこすって模様を写し取る「フロッタージュ」、「スイミー」などには版画の一種「モノタイプ技法」、「あいうえおのき」などでは同じ形のスタンプの色や押す向きを変える「スタンピング」なども使っている。
第2章「原画で読む絵本『6わのからす』」では、ストーリー(物語)をキーワードに「6わのからす」の原画を展示しながら、レオーニさんが「伝えたかったメッセージ」をひもとく。第3章「レオレオリウム!レオー二の絵本ワールドにようこそ」では、インタラクティブ作品の制作などを手がけるアートユニット「plaplax」とコラボレーションしたレオーニさんの「絵本ワールドを体験できる」を同展限定のコンテンツを展開する。
会場では、レオーニさんの絵本の「名場面」をデザインに使うミニキャンバス(990円)や、絵本のキャラクターのアクリルマグネット(605円)、Tシャツ(キッズ4,730円、大人4,950円)などのグッズを販売する。
開催時間は10時~19時。入場料は、7月鑑賞券=一般1,800円、大学・高校生1,200円、中学・小学生900円、8月鑑賞券=同2,400円、大学・高校生1,700円、中学・小学生1,300円ほか。7月24日は休館。8月27日まで。