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渋谷区民のスポーツ観戦体験向上図る「みるスポ!」発足 プロクラブが参加

(左から)長谷部健渋谷区長、サンロッカーズ渋谷・神田康範社長、アルバルク東京・林邦彦社長、FC東京・川岸滋也社長、東京グレートベアーズ久保田健司社長、渋谷区スポーツ協会久保田淳事務局長

(左から)長谷部健渋谷区長、サンロッカーズ渋谷・神田康範社長、アルバルク東京・林邦彦社長、FC東京・川岸滋也社長、東京グレートベアーズ久保田健司社長、渋谷区スポーツ協会久保田淳事務局長

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 渋谷区は6月2日、区民のスポーツ観戦体験のアップデートを図るプロジェクト「みるスポ!」の発足を発表した。

各チームのマスコットも会見に「参加」した

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 「する」「見る」「支える」「つながる」などさまざまな角度からスポーツ事業に取り組んでいる渋谷区。かねて中学生の「部活離れ」が課題にあった中で、アスリートを目指すだけでなく、「スポーツに触れる機会をもっと増やさないといけない。そのきっかけとして見ることが大事」(長谷部健区長)と、「見る」に焦点を当てて「観戦体験のアップデート」を図る。区を拠点にするチームや、トップアスリートの競技を見られる会場が区内やその近郊に点在することから「チームとつながりを持ちながら親しんでもらうことは渋谷区だからこそできるのでは」(同)と考える。

 昨年、渋谷区体育協会と渋谷ユナイテッドが合併し、渋谷区スポーツ協会が設立されたこともあり、今回同プロジェクトを始動。将来的には、渋谷区の地域クラブ活動「渋谷ユナイテッドクラブ」の支援などにつながることを期待する。

 立ち上げ時は、バスケットボールBリーグの「サンロッカーズ渋谷(SR渋谷)」「アルバルク東京(A東京)」、サッカーJリーグのFC東京、バレーボールSVリーグの「東京グレートベアーズ(グレベア)」、ダンスDリーグの「サイバーエージェント レジット(レジット)」が参加し、「TEAM SHIBUYA」となって取り組む。

 具体的には、区民の無料招待(一部)、会場での職業体験、選手らの区内学校への派遣などを予定。各クラブはこれまでもこれらの活動を行っているが、特設サイトを今月中にも開設(予定)し、各チームのインタビュー記事や観戦のレポートなど情報をまとめて発信するなどして強化を図る。試合観戦に関してはこれまでは区が無料で依頼することもあったが、プロスポーツのチケット代高騰、人気の高まりによりチケットが完売することが増えた背景などから、本年度はスポーツ観戦事業に約4,000万円の予算(チケット代や特設サイト開発費など)を付けた。

 SR渋谷は区内の青山学院記念館をメインのホームアリーナにしているが、これまで国立代々木競技場第一体育館をメインのホームアリーナに活用していたA東京は来季から江東区に移り区内での試合は減る。FC東京は一部の敷地が渋谷区の国立競技場で一部試合を、グレベアは国立代々木競技場第二体育館で一部試合を行うが、レジットのDリーグも来季は江東区が試合会場になるなど、区内会場での試合は限られる。招待する試合の会場や回数などは未定だが、長谷部区長は招待企画に関しては「なるべく区内、近郊でやってほしい」と考え、区民には「なるべく経済負担がないように」取り組む。

 障害などから会場での観戦が難しい人への取り組みも推進する。先駆けて5月25日にはFC東京が国立競技場の試合で「センサリールーム」を設け、感覚過敏などの症状がある子どもやその家族を招待するなどした。A東京は建設中である来季から活用するアリーナ内にセンサリールームなどを設ける計画をしているほか、グレベアは車いすエリアなどを設置。SR渋谷は車いすエリアの設置や就労体験なども実施。レジットは具体的に取り組めていないが「挑戦する姿勢」などを伝えていきたいという考えを持つ。

 区を拠点にするプロスポーツクラブは、3人制バスケ「3x3」のTOKYO DIMEがいるほか、渋谷区に隣接する新宿区に明治神宮球場が、港区に秩父宮ラグビー場がそれぞれ存在することから、野球やラグビーのクラブ・球団との交渉も進める予定。スポーツ観戦事業では9月に国立競技場で開催予定の「東京2025世界陸上」に区民を招待するほか、区はかねてパラスポーツの応援にも注力していることから11月に都内を中心に開催予定の「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」での取り組みも検討している。

 長期的なプロジェクトとして、区民の反響などを見ながら拡大していきたい考え。

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