プレスリリース

日本マーケティング協会「第17回 日本マーケティング大賞」を発表

リリース発行企業:公益社団法人日本マーケティング協会

情報提供:





 2024年(2024年1月~2024年12月)の、優れたマーケティング活動を表彰する「日本マーケティング大賞」選考委員会(選考委員長 坂本 裕寿 読売新聞東京本社 取締役ビジネス局長)は、第17回日本マーケティング大賞に、推薦プロジェクト総数96件の中から、「世界初・本物のレモンスライス入りチューハイ「未来のレモンサワー」の挑戦」をグランプリに選出。また準グランプリ1件、奨励賞5件、地域賞3件を選びましたので発表いたします。

なお、表彰式は以下で開催する予定です。
○日 時:2025年6月12日(木) 15:10~16:20  
○会 場:品川プリンスホテル メインタワー 36階 ガーネット
〒108-8611 東京都港区高輪4-10-30 TEL: 03-3440-1111

1.日本マーケティング大賞 グランプリ 1件


世界初・本物のレモンスライス入りチューハイ「未来のレモンサワー」の挑戦(アサヒビール株式会社)


2.日本マーケティング大賞 準グランプリ 1件


3.日本マーケティング大賞 奨励賞 5件


4.日本マーケティング大賞 地域賞 3件



(資料1)
「第17回 日本マーケティング大賞」発表資料 (推薦プロジェクト数 96件)


●日本マーケティング大賞 グランプリ (副賞 30万円)
選考基準:総合的に周到なマーケティング計画のもと、市場へのインパクト、独自性、ブランド定着性など、目覚ましい成果を上げたプロジェクトを選考委員会で選定。

世界初・本物のレモンスライス入りチューハイ「未来のレモンサワー」の挑戦
(アサヒビール株式会社)
 アサヒビールは、2024年6月、独自のフルオープン缶を使用した世界初のレモンスライス入りチューハイ「未来のレモンサワー」を発売。この商品は、開栓すると缶の底からレモンが浮かび上がる特徴を持ち、視覚的に楽しむことができ、レモンをかじって食感を楽しむこともできる。味覚や嗅覚だけでなく五感をフルに使って楽しめる新しい価値を持ったRTD(Ready to Drink)である。
 従来のRTDは、果汁量や酸味、甘みなどの原材料組成に基づく物性特性の差別化が商品選択のポイントであったが、「未来のレモンサワー」は「世界初の本物レモンスライス入り」により、自然で個性豊かな味わいを提供し、物性価値から体験価値へと昇華した。
 同社は、「未来のレモンサワー」を量産化を実現するために、原材料調達や品質保証、装入設備開発において多くのイノベーションを実現した。製造に制約がある中でエリア限定販売方式を採用し、お客さまの購入意欲の高まりにつながった。結果として、通常のRTDの2倍程度の価格にもかかわらず、売り切れる店舗が続出した。

●日本マーケティング大賞 準グランプリ (副賞 各10万円)
選考基準:グランプリに準じる成果を上げたプロジェクトを選考委員会で選定。

座ってイイッスPROJECT
(株式会社マイナビ)
 マイナビは、アルバイトの“立ちっぱなし問題”を解決するために「マイナビバイトチェア」を開発した。このチェアは、業務中でも「立ったり座ったりしやすい」、自由に動かせてスペースを取らない「軽くてコンパクト」、そしてお客さんからも好印象となるよう「姿勢よく座れる」デザイン性を重視している。
 日本ではレジの立ち仕事が当たり前となっているが、海外では座っているのが一般的であり、韓国ではレジにイスを置くことが行政指導されている。マイナビはこの暗黙の慣習に着目し、働く人へ寛容な社会を生み出すためにこのチェアを開発した。
 同社の調査によると、座っての接客が許されているアルバイトはわずか23%であり、立ちっぱなしで働くことで「集中力が落ちミスが起きた」「笑顔で接客できない」などの支障が多く発生していた。一方、雇用主の73%が座って接客しても「いいと思っている」と回答し、お客さん視点でも約8割が「気にならない」と答えていた。
 マイナビは「座って働いても良い」という社会合意形成を生み出す情報設計を行った。働き手・雇用主双方のメリットを最大化する求人マーケティングを推進した。導入企業は200社を超え、プロジェクト立ち上げから半年で1200脚以上のイスが導入された。

●日本マーケティング大賞 奨励賞 (副賞 各10万円)
選考基準: 独自性や先行性、社会課題解決性、新しいマーケティングの芽など、規模は小さいながらもキラリと光るマーケティング・プロジェクトを選考委員会で選定。

「職場のロリエ」「学校のロリエ」
 (花王株式会社)
 花王は、2022年にロリエのリブランディングを行い、『生理をもっと過ごしやすく』というパーパスを設定。さらに、日本初のナプキン備品化プロジェクト「職場のロリエ」を開始した。このプロジェクトは、働く女性の「職場で急に生理がきた」という困りごとを解決するために、トイレットペーパーのように生理用ナプキンを当たり前に備品化することを目指した。
 女性比率が低く課題の多いゼネコン・物流業界はじめ多種多様な企業への広がりが実現。賛同企業は400社に拡大している(2025年4月末時点)。さらに、学校や自治体とも協業して「学校のロリエ」も展開。健やかな学校生活のサポートを目指し、活動を更に広げていく。
 これらの活動も寄与し、ロリエブランドへの好意度も2022年から2024年で10%伸長している。2024年には社内アンバサダーの活動も開始。花王グループの有志社員約590人が、取引先や知人、家族などに「職場のロリエ」の活動を拡散し、その輪を広げている。

エレキソルト スプーン
(キリンホールディングス株式会社)
 キリンホールディングスは、電気の力で減塩食品の塩味やうま味を増強する※食器型デバイス「エレキソルト スプーン」を開発・発売した。このデバイスは、食塩の過剰摂取という社会課題に対して、食器を変えるだけで減塩食をよりおいしく楽しめる新しいアプローチを提供した。
 「エレキソルト スプーン」は、明治大学(学長 上野正雄)総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明研究室との共同研究によって5年をかけて開発・実用化した。 4段階の強度レベルを選択でき、一人ひとりの好みに合わせて塩味やうま味を楽しむことができる。
 おいしく減塩が継続できるオリジナルレシピの開発や、企業や自治体などと連携した減塩サポートなどの取り組みも進行中。「おいしさと健康を両立できるサステナブルな社会づくり」に向けて挑戦し続けている。
 ※第3回神経刺激インターフェイス研究会(2023年3月)「減塩食品の塩味を強める電気味覚波形がうま味に与える影響」体感には個人差があります。また、料理によっても感じ方が異なる場合があります。

「彩る美容液」という新提案。資生堂「ファンデ美容液」
(資生堂ジャパン株式会社)
 資生堂ジャパン株式会社は、ファンデーションでスキンケアを実現する新カテゴリー「ファンデ美容液」を新たに提案した。コロナ禍を経てスキンケア志向が高まり、ファンデーションを日常的に使わない「ノーファンデ派・レスファンデ派」が増加。同社はこの市場の変化に着目した。ファンデーションに美容液成分を加える従来の「美容液ファンデ」とは逆転の発想で、美容液の中にファンデーション成分を閉じ込める同社独自の「セラムファースト技術」を搭載した「SHISEIDO エッセンス スキングロウ ファンデーション」と「マキアージュ ドラマティックエッセンスリキッド」の2品を、生活者の口コミから着想を得て「ファンデ美容液」と名付け、「彩る美容液、という奇跡。美容液がずっと肌に触れる」というコンセプトのもと、2024年4月からマーケティング活動を展開した。
 既に好評だった2品だが、“つけるたび素肌そのものを美しくする”という化粧体験の提供が奏功して過去に類を見ない爆発的ヒットとなり、2024年売上高は前年比40%超※で大きく伸長した。
 ※資生堂調べ 売上金額 マキアージュ:2024年1-12月と前年同期間、SHISEIDO:2024年9-12月と前年同期間との比較

「グラングリーン大阪」プロジェクト
(グラングリーン大阪開発事業者JV9社)
 グラングリーン大阪開発事業者JV9社は、「うめきた2期地区」にて、「みどりとイノベーションの融合」をまちづくりの目標に、世界でも例を見ない「まち」づくりを推進している。
 同プロジェクトの特徴としては、あえて超一等地に、約4.5haもの「公園」を中心に据え、イノベーション施設、商業施設、オフィス、ホテルなどを一体的にデザイン・整備したこと。その結果、多様な方々を受け入れ、出会いが促進され、そこにイノベーション機能が融合することで「持続的にみんなと社会をよくしていく」具体的な活動が生まれることを狙っている。
 開業半年で1000万人を超える来場者数を記録し、オフィステナントの入居や住宅の売れ行きも好調。公園が「まち」の価値向上に大きく寄与することを実証した。


ツインバード リブランディングプロジェクト
(株式会社ツインバード)
 ツインバードは、世界的なものづくりの町・新潟県燕三条地域の強みを活かし"日本の匠の技"を起点にリブランディングを実施。海外メーカー家電の台頭により伝わりづらくなっていた自社の魅力を再構築した。外部のパン職人やバリスタなど、その道を極めた匠たちと共創し、匠の技術・暗黙知を家電の力で具現化する『匠プレミアム』と、生活者の”不”を最もシンプルな形で解消する『感動シンプル』の2ブランドラインを新たに立ち上げ。日の丸を取り入れたロゴを用いて一貫したビジュアルを構築することで、ブランドイメージの明確化を実現した。特に匠プレミアム商品は売上が好調に推移し、また自社ブランドオンラインストアは3年連続で前年比150%以上成長。さらに新潟県企業として、県内の自治体と連携し、家電製品を通じた子ども食堂の支援を継続的に実施。地域の社会課題解決に貢献している。

●日本マーケティング大賞 地域賞 (副賞 各10万円)
選考基準: 優れたマーケティング・プロジェクトであることに加えて、経営資源が地域にあること、地域活性化に資すること、地域の特徴を活かした事業であることが条件。日本マーケティング協会の関西、九州、北海道支部でそれぞれ選考し、実行委員会・選考委員会が承認する。

バルチカ03
関西地区(JR西日本SC開発株式会社/JR西日本大阪開発株式会社)
 JR西日本SC開発とJR西日本大阪開発は、2024年7月、大阪駅直結のオフィスビル「イノゲート大阪」中層階に飲食ゾーン「バルチカ03(ゼロサン)」を開業した。商業施設では初めて中高年男性「おっさん(03)」をメインターゲットに設定し、大阪の人気飲食店等50店舗を誘致。うち7割が商業施設初出店である。約3年にわたる市場調査において、多変量解析(クラスタ分析)によるターゲティング、及びグループインタビュー、エスノグラフィ等を通じ、梅田で働く中高年男性のニーズを徹底分析。提供するべき価値を明確化するとともに、柔軟な店休日・営業時間設定などでニーズに合致した路地裏の名店等の誘致を実現した。
 結果、オフィスビル中層階にも関わらず、開業直後から高い集客と売上を記録。さらに、出店者主導のイベントや連携施策による双方向コミュニケーションを促進し、絶え間ない賑わいを創出している。
バルチカ03は、ターゲットを梅田で働く男性の、かつ特定のクラスターに絞り込む「ニッチャー戦略」を採用したこととなるが、そのキャッチーさ故に、連日多くのメディアに取り上げられ、結果として、女性ワーカーや広域からの来街者、さらにインバウンドの来店にもつながっている。

日本の放置竹林を、資産に変える。ご当地クラフトメンマ『延岡メンマ』
九州地区(LOCAL BAMBOO INC.)
 LOCAL BAMBOO は、宮崎県延岡市の放置竹林問題の解決に向け、2022年ご当地クラフトメンマ「延岡メンマ」を開発。竹を食資源化する仕組みをつくり、クラフトビールのような地域発の「ご当地クラフトメンマ」へと価値転換した。独自レシピやブランドストーリーを武器に、飲食店や民間企業、学校、自治体などへの販路を開拓。さらに、福祉施設との連携により障がい者の雇用も創出。
 結果、年間約26トンの竹林整備を実現。ANA国際線ファーストクラス機内食採用や、ふるさと納税返礼品採択など、多方面で成果を上げた。さらに、放置竹林で悩む全国6地域で「ご当地クラフトメンマ」の開発を支援している。


ミルクランド北海道「牛乳飲みてぇ!総選挙」と「牛乳が飲みたくなるあんぱん」
北海道地区(ホクレン農業協同組合連合会)
 ホクレン農業協同組合連合会は、北海道の基幹産業である酪農を盛り上げ、北海道産牛乳・乳製品の需要創出・拡大を目的とした酪農家による運動「ミルクランド北海道」の一環として、「牛乳飲みてぇ!総選挙」を実施、「牛乳が飲みたくなるあんぱん」の開発・販売を行った。
 全国の生乳生産量1位である北海道では、コロナ禍による牛乳乳製品の需要減少や物価高騰に伴う生産コストの上昇の影響を受け、さらに近年では牛乳離れが課題となっている。そのため、牛乳の需要喚起策として、国民の声を聴く「牛乳飲みてぇ!総選挙」を実施し、10万件以上の投票結果に基づき、1位となった食べ合わせ「あんぱん」にちなんだ商品を開発。木村屋總本店と提携し、「牛乳が飲みたくなるあんぱん」と「牛乳」の併売により、きっかけを提案する切り口にて需要拡大に取り組んだ。
 これにより、「牛乳が飲みたくなるあんぱん」販売店舗における牛乳の販売金額は前年比109%を達成、消費者の関心を引き、牛乳消費の増加につながった。


(資料2)
第17回日本マーケティング大賞 概要




【本件に関するお問い合わせ先】
公益社団法人 日本マーケティング協会 担当:竹原・川井・高田・伊藤
TEL: 03-5575-2101
FAX: 03-5575-0626
E-mail: taishou@jma-jp.org
日本マーケティング大賞URL: https://www.jma-jp.org/award/seventeen
協会URL: https://www.jma-jp.org/

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