
特定非営利活動法人 日本アクションラーニング協会(WIAL Japan)(所在地:東京都港区、代表理事:清宮普美代)は、2026年10月23日(金)・24日(土)に渋谷QWSで開催する「WIAL GLOBAL CONFERENCE 2026 JAPAN」(以下、本カンファレンス)の注目企画として、2つの特別対談が決定したことをお知らせいたします。また、Day1では、イオンベトナム(AEON Vietnam)による採用・人材アセスメントへのアクションラーニング導入、サッカークラブであるY.S.C.C.横浜の実証など、注目の事例発表セッションも行われます。
2026年は、アクションラーニングの日本上陸からちょうど20年の節目にあたります。アクションラーニングは、現実の組織課題を素材に、チーム自身が「質問」を通じて答えを探し、課題解決とチームの学習を同時に進める手法です。1940年代に英国で生まれ、現在は世界40カ国以上で実践されています。日本でもこの20年、管理職研修やリーダーシップ開発の現場で1,000名を超えるアクションラーニングコーチが育ってきました。
今回の大会では、米国・英国・フランス・ベルギー・ポーランド・インド・シンガポール・マレーシア・フィリピン・台湾・ブラジルなど世界17カ国から実践家・研究者が集結します。2日間の全セッションには日英通訳がつくため、世界の現場でいま起きていることに、言語の壁なくその場で立ち会えます。
生成AIが「答え」を瞬時に出す時代になり、人と組織の学びの焦点は大きく動いています。答えを持つことではなく、よい問いを立てること。個人が学ぶことではなく、チームで学ぶこと。――アクションラーニングが20年前から実践してきたこの2つが、いま組織開発や人材育成の中心課題になりつつあります。本カンファレンスは、多彩で一見異なるジャンルのようでありながらも、実は根でつながったテーマが集まっています。
その中心に置かれているのが、Day1の基調講演です。登壇するDr. Randal Joy ThompsonとDr. Kathleen Curranは、チームを動かす力を「意図(Intent)・希望(Hope)・ケア(Care)・愛(Love)」の4つで捉え直した最新著『The Four Forces』(Emerald Publishing/2026年1月刊)の共著者であり、同書の内容が著者自身の言葉で語られるのは、アジアでは今回が初めてとなります。両氏はいずれも、ワールド・カフェの創始者ジュアニータ・ブラウン氏などを輩出した組織開発の名門・米国フィールディング大学院大学(Fielding Graduate University)で人間発達学の博士号を取得し、同大学ソーシャル・イノベーション研究所(ISI)のフェローを務めています。
なぜ宇宙飛行士は、訓練のあとに丁寧に振り返りの時間をとるのか。
AIが答えを出す時代、問いは何のためにあるのだろうか。
また、この2つの問いをそれぞれの最前線に立つ4人が掘り下げます。JAXAの宇宙飛行士訓練で用いられる「8領域96の行動マーカー」。課題解決から、自己の「分からなさ」へと開かれてゆく問い。明日のチームにそのまま持ち帰れる対話の場を、本カンファレンスのハイライト企画・特別対談としてご用意しました。
2026年10月23日(金)Day1 / 登壇:熊平 美香 氏 × 北川 達夫 氏
▼ セッション概要
生成AIが答えを出す時代。1on1も心理的安全性も導入した――それでも「振り返り」が組織を変えた実感はあるでしょうか。リフレクション研究・実践の第一人者である熊平美香氏と、JAXA・Z会グループ・SpaceBD株式会社と共同で、宇宙飛行士訓練の能力体系(8領域96個の行動マーカー)と訓練方法をもとに、非認知能力の評価育成方法の開発に協力した北川達夫氏が、「チームでリフレクションする力」を最前線から読み解きます。宇宙飛行士の訓練では、たとえば1時間、3時間の訓練であっても、訓練のクロージングで簡潔に振り返るのではなく、改めて丁寧に1時間の振り返りの時間をとります。鍵は「何に照らして振り返るか」です。8領域96の行動マーカーという基準のもと、内心ではなく観察可能な行動で問い直す。ケアや思いやりは「あること」ではなく「行動すること」として鍛えられるのです。企業の振り返りはなぜ形骸化するのか。「他者がいなければリフレクションはできない」とはどういうことか。AI時代に人がチームで集まる意味を、行動のレベルで捉え直す時間です。
▼ 登壇者プロフィール
熊平 美香(くまひら みか) 一般社団法人21世紀学び研究所 代表理事
ハーバード大学経営大学院でMBAを取得。日本マクドナルドでの新規事業立ち上げを経て独立し、GEの「学習する組織」のリーダー養成プログラム開発者と協働し、コンサルティングを開始。2015年に21世紀学び研究所を設立し、企業と共に「学ぶ力」を育てる取り組みを進める。経済産業省が2018年に改定した社会人基礎力にリフレクションを盛り込む提案を行った。昭和女子大学キャリアカレッジ学院長、青山学院大学大学院特任教授、文部科学省中央教育審議会委員等を歴任。著書に『リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術』等。
北川 達夫(きたがわ たつお) 星槎大学共生科学部 客員教授
早稲田大学法学部卒業後、ヘルシンキ大学等に留学。外務省入省後、在フィンランド・在エストニア日本国大使館勤務を経て退官。フィンランドの教育を日本にいち早く紹介し、「対話」と「読解力」を軸とした教育メソッドの開発・実践に取り組む。OECD・PISA読解力調査専門委員等を経て2017年より現職。2024年に宇宙飛行士候補者の基礎訓練に協力。現在は、宇宙飛行士の訓練手法を活用した教育手法を学校現場で実践している。著書に『図解 フィンランド・メソッド入門』『対話流 未来を生みだすコミュニケーション』(清宮普美代との共著)等。
2026年10月24日(土)Day2 / 登壇:中土井 僚 氏 × 清宮 普美代
▼ セッション概要
生成AIが「答え」を出す時代、人間が「問う」こと、「協働する」ことの意義の再定義が求められています。本対談では、成人発達理論の監訳や組織変革ファシリテーターとして活躍する中土井僚氏と、日本のアクションラーニングを牽引する清宮普美代が、変革期における「問い」と「チーム」の変態(自己変容)を語り合います。個人の「問い」は課題解決から、自己の「分からなさ」に開き認知を組み直す弁証法思考へと移行し、大人の自我発達を促します。一方「チーム」も効率追求を超え、ケアや愛、全体のエネルギーを整える生命的なシステムへと再定義される。リーダーシップを役割ではなく「行為」と捉え、チームでの問いを「関係性を深める愛の行為」へ高める。激変の時代に人間が真に「変わる(発達する)」ことの本質に迫ります。
▼ 登壇者プロフィール
中土井 僚(なかどい りょう) オーセンティックワークス株式会社 代表取締役
国際NPO法人Reals理事。リーダーシップ開発と組織開発を軸に、内的変容と外的変革の統合支援に取り組む。U理論と成人発達理論の日本への普及を牽引し、C.オットー・シャーマー『U理論』やロバート・キーガンの著作の翻訳・監訳・執筆を重ねる。延べ100社以上の組織課題に現場主導のプロセスコンサルテーションで関わり、20社以上の経営者へのエグゼクティブコーチング、延べ4,000人以上のリーダーシップ拡大支援、50本以上の意識・行動変容プログラムの開発実績を持つ。
清宮 普美代(せいみや ふみよ) 特定非営利活動法人 日本アクションラーニング協会 代表理事/WIAL Japan 代表
日本にアクションラーニングを導入して20年、日本組織へのアクションラーニング導入について調査や研究を重ねる。ジョージワシントン大学大学院人材開発学修士(MA in HRD)取得後、株式会社ラーニングデザインセンターを設立。国内唯一となるアクションラーニングコーチ養成講座を開始。育成したコーチは1,000名を超える。現在は企業への人材育成・組織開発に携わるとともに教育のフィールドでの普及にも精力的に活動している。著書に『質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性があがるのか』『対話流 未来を生みだすコミュニケーション』(北川達夫氏との共著)等。
特別対談に加え、Day 1では、アクションラーニングが実際の現場でどう働いているのかを伝える事例発表のセッションも行われます。ここでは、そのうち2つをご紹介します。採用という人事の入口にアクションラーニングを組み込んだベトナムの小売企業と、サッカークラブのピッチに持ち込んだ日本の産学連携の取り組みです。
2026年10月23日(金)Day 1 / 登壇:Do Nguyen Ngoc Thu 氏(イオンベトナム 人材採用・要員計画マネジャー)
▼ セッション概要
採用面接は、応募者を「見極める」場である――その前提を問い直す実践が、ベトナムから届きます。イオンベトナム(AEON Vietnam)で人材採用・要員計画を担うDo Nguyen Ngoc Thu氏は、人材アセスメントとマネジャー育成の現場にアクションラーニングを組み込み、タレントマネジメントと後継者育成(リーダーシップ・サクセッション)パイプラインの統合を進めてきました。質問を通じて実際の課題に向き合う時間は、用意された回答ではなく、その人が何をどう考え、他者とどう協働するのかをそのまま映し出します。評価する側とされる側という関係を超えて、人材と「共に創る」場へ。急速に拡大する小売オペレーションを支えるために、協働的で人間中心の仕組みをどう設計してきたのか。採用難と育成の停滞に同時に向き合う日本の組織にとっても、示唆の多いセッションです。
▼ 登壇者プロフィール
Do Nguyen Ngoc Thu(ドー・グエン・ゴック・トゥ) イオンベトナム 人材採用・要員計画マネジャー
イオンベトナムにて、タレントマネジメントとリーダーシップ・サクセッション(後継者育成)パイプラインの戦略的統合を推進。HRBP、人材採用、組織開発にまたがる幅広い経験を持ち、複雑な小売オペレーションに向けた協働的で人間中心のソリューション設計を専門とする。コロンビアサザン大学でMBAを取得。WIAL認定アクションラーニングコーチ(CALC)、ICFレベル2認定チーフマスターコーチ、キャリア開発コーチの資格を保有。変容をもたらす対話とチームのエンパワーメントの提唱者として、人材アセスメントとマネジャー育成にアクションラーニングを積極的に組み込み、未来に備えた俊敏なチームづくりに取り組んでいる。
2026年10月23日(金)Day 1 / 登壇:越智 英輔 氏 × 姜 理惠 氏 × 竹原 稔 氏
▼ セッション概要
「もっと周りを見ろ」と言われて、見えるようになる選手はいない――。Y.S.C.C.横浜(横浜スポーツ&カルチャークラブ)は、サッカークラブの現場にアクションラーニングを持ち込む共同研究に取り組んでいます。指示や指導ではなく、選手自身が互いに質問を重ねる時間をチームに組み込むと、ピッチの上で何が変わるのか。運動生理学の立場から選手のスポーツ科学的測定を主導する越智英輔氏、クラブとともにアクションラーニングのセッションを設計・実施する姜理惠氏、そしてクラブへの導入を主導したゼネラルマネージャーの竹原稔氏が、研究と現場の両側から報告します。勝敗という結果が毎週突きつけられる環境で、「問い」はチームに何をもたらすのか。クラブ創設40周年の年に、探究にもとづく学びを選手育成とクラブ文化のなかに位置づけようとする挑戦は、スポーツの枠を超えて、成果を求められるあらゆるチームに通じるテーマです。
▼ 登壇者プロフィール
越智 英輔(おち えいすけ) 法政大学生命科学部応用植物科学科/大学院スポーツ健康学研究科 教授
法政大学スポーツ研究センターのメンバー。運動生理学・筋生理学、スポーツ栄養学、運動腫瘍学を専門とし、トレーニングがアスリート、青少年、がんサバイバー、高齢者の身体をどのように変えていくのかを研究している。本共同研究では、選手を対象としたスポーツ科学的な測定を主導。
姜 理惠(かん りえ) 法政大学デザイン工学部システムデザイン学科 教授
法政大学起業家教育研究所の創設ディレクター。アントレプレナーシップ、起業家の特性と育成、あらゆる年代を対象とした起業家教育を研究の中心に据える。本共同研究では、クラブとともにアクションラーニングのセッションを設計・実施している。
竹原 稔(たけはら みのる) Y.S.C.C.横浜(横浜スポーツ&カルチャークラブ)ゼネラルマネージャー
同クラブは1986年創設のマルチスポーツクラブで、サッカーチームは日本フットボールリーグ(JFL)で戦っている。GMとして、クラブへの「アクションラーニング・サッカー」の導入を主導。クラブ創設40周年の年に、探究にもとづく学びを選手育成とクラブ文化のなかに位置づけている。
【カンファレンス全体概要】
■ お問い合わせ
団体名:特定非営利活動法人 日本アクションラーニング協会(WIAL Japan)
メール:conference2026@ldcjp.com
公式サイト: https://www.jial.or.jp/conference2026/index_ja.html