ヒカリエでトークイベント「渋谷駅大解剖」-シブ経文化センター

昭和女子大学准教授の田村圭介さん(左)とケンプラッツ副編集長の高槻長尚さん(右)をパネリストに迎えた

昭和女子大学准教授の田村圭介さん(左)とケンプラッツ副編集長の高槻長尚さん(右)をパネリストに迎えた

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 渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)8階クリエーティブスペース「8/」のコートで8月23日、トークラウンジ「渋谷駅大解剖~渋谷駅の過去・現在・未来~」が開催された。

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 シブヤ経済新聞が主催する同イベント。3回目となる今回のテーマは「渋谷駅大解剖」。ゲストに、渋谷駅の成り立ちや駅内の動線ネットワークの変遷などの研究に取り組む渋谷駅フェチシストで、昭和女子大学准教授の田村圭介さん、渋谷駅周辺の未来像を解説する書籍「SHIBUYA 202X-知られざる渋谷の過去・未来」を6月に発行した日経BP社建設系ウェブサイト「ケンプラッツ」副編集長の高槻長尚さんを迎えた。

 本編ではまず、田村さんが昨年開いた展覧会「渋谷駅体展」「渋谷駅体内展」を軸にした同駅の過去・現在について解説。前半は「見えない渋谷駅」「1日乗降者数280万人」「渋谷駅は1日にしてならず」の3つのキーワードを軸に、1885年の開業から127年かけて現在の形になった同駅の変遷などを紹介。

 後半のキーワードは「記述法」「バーチャルスペース」「2つ穴のドーナツ」。新宿や東京駅などは「うなぎの寝床」のように各線のプラットホームが平行して並ぶのに対し、渋谷駅は銀座線が3階で副都心線が地下5階など、ホームが上下に交差して配置されているのが特徴。それにより視覚による空間把握が難しく、同駅利用者は「乗り換え時にサイン依存度が高く、ある種の仮想空間バーチャルスペースにいるのでは」と田村さんは考えているという。さらに山手線、東横線など9路線が乗り入れる渋谷駅の利用者の移動全ルートを調査した結果、、人の流れの中で自然と生じた「2つのリング」の存在を確認。ほとんどの路線への乗り換えにもつながる「2つのリング」により、280万人の利用者を「さばけているのでは」と解説した。

 高槻さんは、公表されている資料を基に考察した未来の渋谷駅に関して紹介。現在工事が進められている東口エリア、2013年3月15日の終電後から利用されなくなる東急東横線渋谷駅、同月31日で営業を終了する東急百貨店東館後、今後進められていく西口エリアの計画、それに伴う各線のホームの変化などについて解説した。

 最後に渋谷駅の魅力について問われた、2人は「絶対に生物じゃないのに、生物のように見えてしまうところ」(田村さん)、「いつでも迷うが、迷う割には導線が短い。街に出るにも乗り換えするにもあまり歩かない。狭いところにギュッとなっているところ」(高槻さん)と、それぞれ答えた。

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