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渋谷区、当初予算案発表 過去最大、校舎建て替えや子育て支援など

当初予算案の概要を説明する長谷部健渋谷区長

当初予算案の概要を説明する長谷部健渋谷区長

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 渋谷区が2月3日、2026年度の当初予算案を発表した。

に原キャンパスの鳥瞰(ちょうかん)イメージ

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 財政規模は、一般会計は対前年度比3.9%増となる総額1,525億4,100万円で、税収が上がっていることや建築資材などの価格高騰を背景に過去最大の予算規模となる。特別会計と合わせた総額は約2,054億7,300万円。

 渋谷区は戦後の人口増加に伴い、区民施設の多くが建設されたことから、同時期に老朽化が来ている。その一つが小中学校・幼稚園。現在進めている建て替え事業「未来の学校プロジェクト」には、昨年に引き続き92億1,500万円と大規模な予算を計上。建て替えは区立小中学校・幼稚園全27施設のうち、小学校18校・中学校8校(小中一貫教育校1校含む)・独立幼稚園2園で、建て替えは2041年度までを予定している。建て替えをしない5校のうち3校は建設から20年目に改修工事を予定している。

 第1弾となる「青山キャンパス」は昨夏開校し、広尾中学校と松濤中学校の児童が通学。今夏には神南小学校の児童も通い始める予定。同じく夏休み明けには代々木中学校の児童が通う仮設校舎「西原キャンパス」が開校を控えている。来年度は、神南小学校と代々木中学校の建て替え工事にも着手する予定。神南小学校は、屋上菜園やテラスなど屋外空間を取り入れるほか、教室からグラウンドに直接アクセスできる構造を採用。上層部にはプライバシーに配慮した屋内温水プールを設備するほか、フルバスケットボールコートが取れる体育館も作る。代々木中学校の外観コンセプトは「森の学校」。同校と代々木西原公園を遊歩道でつなぐほか、校舎には緑化バルコニーを設置。半屋外空間「ピロティプロムナード」や、サッカーコートを整備するグラウンドも設ける。

 同事業のロードマップについては現在見直しを行っており、4月には新たなロードマップの公開を予定する。当初建て替えには1校3年(解体1年建築2年)を見込んでいたが、人手不足などから5~6年に延びる可能性もあるという。事業期間を短くするためにも、工法の見直しや、4校を予定している仮設校舎の数を増やして複数の学校を同時進行で建て替えるなど工夫する予定。

 子育て関連事業では他に、区立保育園17園では5月から、「子どもみらい創造プログラム」(8,900万円)として、4歳児・5歳児クラスを対象に専門家を招いた英語、体操、水泳などのプログラムを導入。子育て支援(1億7,400万円)では、保護者が仕事などで夜間不在となる際、児童養護施設で一時的に子ども(2歳~18歳)を預かり食事提供などを行う「トワイライトステイ」を新たに始める。子どもが1歳を迎えた際に「バースデーサポート」として進呈している育児パッケージ(Amazonギフトカード)は既存の6万円相当から10万円相当に拡充し、経済的な負担軽減を図る。

 小学校と保育園の始業時間が異なることから生じる「小1の壁」への対応として、平日と土曜の朝(7時30分~)には区立小学校全18校で全学年の児童を対象とした「朝キッズ(朝の見守り事業)」(6,100万円)も始める。「見守り員」が見守る中での自習や児童同士の交流、平日には事業者による運動遊びなどのプログラムも行う。

 福祉分野では、人材支援手当に4億8,800万円を計上する。福祉・介護分野の賃金の低さが問題視されるなか、国や東京都でも対策を講じているが、11月から(予定)区独自でも支援手当を支給することで人材確保・定着の促進を図る。区内で働く対象者には月1万円を、ケアマネジャーや勤続6年以上の職員にはさらに月1万円を、それぞれ支給する。

 防災・環境などの分野では、避難所運営事業に1億3,800万円を計上。能美防災が開発した避難所開設支援アプリ「N-HOPS」を導入し、担当区民が避難所を開設する準備手順などを分かりやすく案内。同時に、乳幼児用段ボールや備蓄用授乳服など母子向けの備品配備などを新たに行う。「きれいなまちづくり」には9億円を計上。ポイ捨てと路上喫煙対策では、夜間を含むパトロールを強化するほか、路上喫煙者だけでなくポイ捨て者に対しても過料(2,000円)を科し抑止力を高める。支払い方法にはキャッシュレス決済も導入し、徴収率を高める。同時に、対象エリアのコンビニエンスストやカフェなど特定店舗にはごみ箱の設置を義務づけるが、現状まだ設置は決まっていない。

 整備から約40年がたち傷みや老朽化から再整備を進めている約2.6キロに及ぶ玉川上水旧水路緑道の再整備(36億7,800万円)は昨年、大山緑道などの一部が完成。現在、引き続き大山緑道や笹塚緑道を整備しており、来年度中には全区域の整備に着手したい考え。

 昨年9月に始めたデマンド交通の実証実験(1億9,800万円)は、サービス名を昨年11月に「GOエコノミー」に変更し、1予約で2席同時に予約できるようにした。1月までに延べ約1万人が利用しているという。来年度は対象区域を区内北西部から区内全域に拡大する。

 東にある「白根記念渋谷区郷土博物館・文学館」(東4)はリニューアルを行う。同館は1974(昭和49)年に区議会議員の白根全忠から寄贈を受けた地に開設された「渋谷区立白根記念郷土文化館」を前身に、2005(平成17)年に全面改築した。電気などの設備を含めた施設の改修を行うとともに、展示や施設機能を見直す。博物館機能に特化させ、文学館は渋谷区文化総合センター大和田内に移設(2027年4月以降)する。

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