
東京都は4月30日、渋谷・宮益坂エリアの敷地約1.4ヘクタールの新たな再開発事業の施工者となる「宮益坂地区市街地再開発組合」の設立を認可した。東急(渋谷区南平台町)とヒューリック(中央区)が事業協力し、参加組合員としても参画する。
再開発事業名は「宮益坂地区第一種市街地再開発事業」で、開発の範囲は、宮益坂(大山街道)を挟んで北側が宮益坂下交差点角にある「小林ビル」を中心とし、明治通り沿いのシブヤボウリングがある「渋谷東口会館」や、宮益坂沿いの「渋谷たくぎんビル」などのビル群が並ぶ「A街区」と、3階部に宮益御嶽神社を併設する「渋谷区立商工会館」などがある「C街区」。南側が旧りそな銀行渋谷支店がある「渋谷協和ビル」などがある「B街区」となる。
A街区には、高さ約180メートル、地下3階・地上33階(塔屋2階)のビルを建設。延べ床面積は約19万2057平方メートルで、上層階に宿泊滞在施設、中層階にオフィス、低層階にホールと産業育成支援施設、地下に駐車場や店舗が入る。ホールは国内外の「多様な」来街者やイベントに対応。低層部分に上空通路を設け、宮益坂の道の上を渡り、B街区の施設とつなぐ。A街区とB街区は地下広場でもつながる。
B街区の施設は、高さ約40メートル、地下2階・地上7階。延べ床面積は約8490平方メートル。店舗が入り、隣接する施設「渋谷ヒカリエ」のヒカリエデッキと接続する。宮益御嶽神社を再整備するC街区の施設は、地下1階・地上2階、延べ床面積は約754平方メートル。
再開発では、階段やエスカレーター、エレベーターなど「縦軸」の移動空間や、上空通路、地下広場などを整備し、立体的な歩行者ネットワークの形成を目指す。宮益坂沿いには複数の広場も配置し、歩行者中心の環境を整備。大規模なホールや国際水準の宿泊滞在施設、官民連携の産業育成支援施設が入ることで、ビジネス・交流拠点の一つとしても国際ビジネス交流を促す狙い。災害時の帰宅困難者受け入れ施設にもなり、防災備蓄倉庫などを整備する。
同事業は東京都市再生プロジェクト(東京圏国家戦略特別区域)の特定事業として認定。2023年4月12日には、東京都と渋谷区から都市計画決定の告示を受けている。
2027年度に新築着工し、2031年度の完工・開業を見込む。