
和牛の牛骨白湯スープに牛チャーシューをのせたラーメンを提供する「和牛らーめん極(ごく)」(渋谷区渋谷1、TEL 03-6450-6565)が4月24日、渋谷・宮益坂にオープンした。
店主の石島鉄也さんは10代から20代半ばまでバーテンダーとして働き、その後ラーメンの世界に入り、都内の店などで約10年間修業。自ら志願し、季節メニューを試作して提供する中で、牛の骨を使った冷麺を考案した。その経験から、「独立を考えた時に『牛』で行こうと思った」と振り返る。その頃、店がアジア圏に進出し、外国人客にも目を向けていたこともあり、「和牛ラーメン」での独立を決意したと言う。
構想から2年かけ、知り合いの厨房(ちゅうぼう)やテストキッチンを借り、「こだわりにこだわりを重ねてスープを作った」と話す。「毎回同じスープが作れず、原因を追及しながら、いろいろなやり方を試していたら、絶対に売れると思うものがやっとできた」と、再現性に苦労しつつも、「理想としていた濃厚な牛白湯スープを完成させた」という。「急冷するなど、温度と時間管理が肝。できるだけ鮮度を保つために冷蔵している」と管理を徹底。3種類の昆布や干しシイタケなどのうまみも加える。
主力の「極上和牛らーめん」は2,450円。3つの部位を使い分けた「和牛チャーシュー」も売りの一つ。霜降りで「柔らかく甘い脂」という肩ロースのチャーシューは、提供前に10分間焼き上げて香ばしさを出すほか、弾力のあるもも肉のチャーシューは細かく刻み、すね肉のチャーシューは「とろとろになるまで煮込んだ」もの。菅野製麺所(大田区)の中細の低加水の麺は、「小麦の芯のみを使った特注麺」で、石島さんが100種類以上の中から選んだもの。
トッピングは、「苦みがあり牛に合う」というクレソンや、長ネギ・タマネギ・万能ネギのネギ類、麻竹の穂先部分を使った穂先メンマなどをのせる。こしょうや一味唐辛子など12種類を調合したオリジナルのスパイスも各テーブルに置く。ラーメンはほかに、「特製和牛らーめん」(1,850円)、3種のうち肩ロースチャーシューが付かない「和牛らーめん」(1,200円)など。「和牛まぜそば」(1,100円)や「和牛飯」(500円)なども用意する。
石島さんが「場所が気に入った。居酒屋を居抜きで改装した」と話す店は、宮益坂から一本入ったビルの路面に位置し、広さは約12坪。道に面した窓から食べている人が見えるカウンター席を含め、全16席を設ける。厨房は「作っているところをお客さまに見てほしい」と客席より一段高くし、カフェのような空間で「海外の方にもゆっくりと日本の文化を味わってもらいたい。接客やおもてなしにも力を入れたい」と話す。
「スープが主役のラーメン。日本を代表する『和牛』を使ったラーメンは今まであまりなかったと思うので、新しいジャンルでトップを取りたい」と意気込む。
営業時間は、11時~15時、17時30分~21時(土曜・日曜・祝日は11時~16時)。