
Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が5月11日、千葉ジェッツとのチャンピオンシップ(CS)準々決勝第2試合を戦ったが65‐92で敗れた。
立ち上がりにオフェンスファウルを誘発する好守を見せ吠えた小酒部泰暉選手
2戦先勝のトーナメント形式で戦っているCS。初戦に敗れていたA東京は、「昨日ソフトに入ってしまったので、僕を筆頭にゲームのトーンをセットできれば」と小酒部泰暉選手がプレッシャーをかけ、オフェンスファウルを誘発する好守を見せる。デイニアス・アドマイティスヘッドコーチ(HC)も「借りを返すという強く熱い気持ちを持って入ってくれた」と評価したが、リバウンドからの得点を許した点などに触れ「流れをつかみきれず」14‐22とリードを許す。
試合が大きく動いた第2クオーター(Q)は、千葉のエース富樫勇樹選手が5本の3Pシュートを全て沈めるなど28‐50と点差を広げられる。A東京は守備を持ち味とする小酒部選手を主にマッチアップさせたが、ビッグマンにマークさせるなど「いろいろなことを試したが、遂行力が低く快適にプレーさせてしまった」(アドマイティスHC)。小酒部選手は「毎回マッチアップしていて楽しい部分もあるが、仕事として悔しい部分があった」と振り返った。攻撃では「負けたら終わりだしもうやるしかない」と立ち上がりから積極性を見せていた小酒部選手が「やり返したい気持ちはあった」とリングへアタックし得点を挙げたほか、テーブス海選手やライアン・ロシター選手もリングにアタックする姿勢を見せた。
後半は、スクリーンを使ったプレーから3Pシュートを狙う場面が増えたが確率が伸び悩んだ。アドマイティスHCは「3Pシュートの確率が伸びないと厳しい試合になる。シーズン通して課題だった」と話した。40‐70迎えた最終Qは、一進一退の攻防が続き点差が縮まらない。終盤は「点差もついていたが、諦めた姿を見せるのは嫌だったので最後までやり切ろう」(小酒部選手)とスタートで出場した5人がコートに立ち、サイズ選手が力強いダンクを3本叩き込むなど気迫を見せ試合を締めくくった。
「ホームで連敗は本当に悔しいし、ファンの皆さんの声援があったからこそ勝ちたかったので、申し訳ない気持ちでいっぱい」とファンへの思いを口にした小酒部選手。攻撃面での積極性は見せられたが、「シュートも入っていなかったし、起点になることができなかったので、自分たちの流れに持ってくるのが難しかった」と振り返り、「何年も課題として挙げているクリエートの部分で信頼を得られれば」と話す。「(1月の)天皇杯空けくらいからコンディションが落ちてしまったのをCS直前まで引きずってしまった。(来季以降は)CSを万全な状態で迎えられたら」とも。
前日得点がなかったテーブス選手は11得点を挙げた。前日は「周りが気持ちよくリズムにのれるようにボールを散らすことを心がけたが、自分の積極性もなくなってしまった」ことから、「空いたら打つメンタリティーで、ミドルが空けられていたので得意なシュートでもあるからこそ積極的に打った」と言うが、「もうちょっと確率良く決められたらと思うし、3Pシュートも1本も入らなかったので、そこが決まれば違った展開になったのかな」と悔やむ。レギュラーシーズンでは終盤にチームを勝利に導くシュートを決める試合も多かったが、「CSになると出だしからやらないといけないと率直に思った。自分の決定力が足りなかった」と続けた。
昨季と同じ準々決勝で敗退となったが、アドマイティスHCは「整理がつかず言葉にできない」と悔しさを表現。テーブス選手は「CSの2試合だけ見ると何も成長できなかったと捉えることもできると思うが、そうは思っていない。ディフェンスもオフェンスも、負けた・勝った試合全部の経験を生かして、一人一人が考えてチームのためにプレーするという意味では間違いなく去年より成長できたので、全部を台無しにしたくない。この経験も財産になると思うので、これからが勝負」と前を向く。