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渋谷駅周辺の大規模再開発、「最終章」の工期明らかに 2034年度完成へ

「渋谷駅街区計画」イメージ(宮益坂交差点方面からの視点)

「渋谷駅街区計画」イメージ(宮益坂交差点方面からの視点)

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 東急とJR東日本、東京メトロは5月9日、「100年に一度」と言われる渋谷駅周辺の大規模再開発「渋谷駅街区計画」の今後のスケジュールや詳細を発表した。

スクランブル交差点方面からの視点(ネットワーク図)

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 発表では、再開発が2030年度~2034年度に「最終章」を迎えると位置付け、2030年度に銀座線渋谷駅直上の歩行者デッキ「4階東口スカイウェイ(仮称)」、2031年度に駅直結の施設「渋谷スクランブルスクエア第II期」(中央棟・西棟)、2034年度に新生・ハチ公広場など計約2万平方メートルに及ぶ5つの新たな広場が完成するなどの計画を明らかにした。工事に伴う動線の変化や複雑な構造が「渋谷ダンジョン」とも呼ばれてきた駅設備も、2030年度におおむね完成する。渋谷の東西南北を地上とデッキフロアで結ぶ多層構造の歩行者ネットワークも整備することで、駅とまちを一体的に開発。駅周辺のアクセス向上などを目指す。

 2030年度には、JR施設の3階と銀座線コンコースがおおむね完成するのに合わせ、銀座線渋谷駅直上に「スカイウェイ」が完成。翌2031年に完工を予定する渋谷スクランブルスクエア中央棟に接続し、同東棟の展望施設「渋谷スカイ」と同様に渋谷の観光スポット化を目指す。同西棟の西側には広さ約3000平方メートルの歩行者デッキ「西口3階上空施設(仮称)」の一部も完成し、JRと銀座線の3階改札、渋谷中央街方面、桜丘方面をつなぎ、西棟とも接続。内藤廣建築設計事務所がデザインを手がける。各デッキの完成に伴い、2~4階レベルで東西南北につながる歩行者ネットワークが形成される。地上階では、JRハチ公改札前に最大幅員22メートルの自由通路と、JR南改札前に駅東西をつなぐ最大幅員23メートルの自由通路を、それぞれ整備する。

 2031年度には、2019年に開業した渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)に続く第II期となる中央棟(地上10階・地下2階)と西棟(地上13階・地下4階)が完成。全3棟の延べ床面積は約27万6000平方メートルで、商業フロアは1フロア当たりの総売り場面積が最大約6000平方メートルと、首都圏最大規模の商業施設になるという。中央棟10階屋上には、各国大使館などと連携しグローバルな文化交流体験を提供する施設「10階パビリオン(仮称)」が入り、渋谷駅前(スクランブル)交差点など渋谷駅西側の景色と新宿方面の街並みの両方を見渡せる空間になるという。建築事務所「SANAA」がデザインを手がける。

 2033年度には、中央棟4階に先端技術を活用したコンテンツを体感できる施設「4階パビリオン(仮称)」が完成。中央棟4階とハチ公広場をつなぐ縦軸移動空間「アーバン・コア」も整備する。同パビリオンはJR山手線・埼京線の直上で渋谷スクランブル交差点を至近で見渡せる好立地にある。渋谷スクランブルスクエア東棟のデザインにも関わった「隈研吾建築都市設計事務所」がデザインを担当する。

 「最終章」の結びとなる2034年度をめどに、ハチ公広場をはじめ、「東口地上広場」「中央棟4階広場(JR線路上空、仮称)」「西口3階上空施設(仮称)」「中央棟10階広場(仮称)」の計5広場が誕生。各広場は非常時の一時避難場所としての機能も持たせる。

 渋谷駅街区計画は当初、2027年度の完成を目指し進められてきたが、渋谷スクランブルスクエア第II期の着工や渋谷駅の一体的な整備計画の見直しに具体的なめどが立ったことから、完成予定スケジュールの変更に至ったという。

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