
幕末を熱狂させた二人のスターが、歌舞伎町で揃い踏み。
「歌川国貞・歌川国芳」-新宿歌舞伎町春画展WAを、2026年10月3日(土)〜11月29日(日)に新宿歌舞伎町能舞台およびホストクラブBONDで開催します。「歌舞伎町から日本文化を」を掲げるSmappa!Groupが主催するシリーズの第4回。出展作はすべて、「北斎漫画」の世界一のコレクターにして、春画の魅力を国内外に発信してきた第一人者・浦上満氏の所蔵品です。監修も浦上氏、アートディレクションは林靖高(Chim↑Pom from Smappa!Group)が務めます。
最大の見どころは、浮世絵版画の最高峰とも評される歌川国貞の春画三部作、通称「三源氏(さんげんじ)」が一堂に会すること。さらに、本シリーズが大切にしてきた「学び」をより深めていただくため、今回初めて音声ガイドを導入し、歌人・俵万智さんと俳優・千葉雄大さんが「声の案内人」を務めます。
春画ールさんによるガイドツアーやホストによるくずし字講座のほか、落語やカツベンなど、6企画全15回のイベントを開催予定。春画を通して多角的に日本文化の世界をご体感いただけます。
本シリーズは2025年の始動以来、これまでに30カ国以上からの来場者を迎えており、海外からの関心も高い企画展です。英語の解説や音声ガイドもご用意し、海外からの来場者にも浮世絵・春画の世界をお楽しみいただけます。
見どころ1:「豊国にかほ、国芳むしや」──得意分野の違う二人が、春画で並ぶ
豊国にかほ(似顔) 国芳むしや(武者) 広重めいしよ(名所)
──『江戸寿那古細撰記』嘉永6年(1853)
幕末の評判記の一節です。似顔絵なら豊国──国貞(三代豊国)。武者絵なら国芳。当時の江戸で、二人の名はそれぞれの得意分野の代名詞のように呼ばれていました。
ともに初代・歌川豊国を師とし、得意分野を異にして、それぞれに人気を博した兄弟子と弟弟子。本展では二人の春画のみならず、それぞれが得意とした役者絵や武者絵もあわせて展示します。得意分野が違うからこそ、同じ「春画」という土俵での違いと魅力が際立ちます。
歌川国貞(三代豊国)
天明6年(1786)〜元治元年(1864)/陰号:婦喜用又平

歌川国貞 色摺大本『正写相生源氏』天/嘉永4年(1851)頃/浦上蒼穹堂蔵
初代歌川豊国が師で、国芳の兄弟子。江戸後期から幕末にかけて絶大な人気を誇った浮世絵師。役者絵や美人画を得意とし、生涯に手がけた作品は一万点を超え、浮世絵史上もっとも多作な絵師とされています。『偐紫田舎源氏』の挿絵でも一世を風靡。その大流行のなか、通称「三源氏」と呼ばれる春画三部作を制作しました。彫師・摺師とともに浮世絵版画の美を極め、その技術の粋を春画にも惜しみなく注ぎました。
歌川国芳
寛政9年(1797)〜文久元年(1861) 陰号:一妙開程芳

歌川国芳 色摺半紙本 『秋の七種続編(あきのななくさぞくへん) 』 下/天保3年(1832)/浦上蒼穹堂蔵
初代歌川豊国が師で、国貞の弟弟子。江戸後期から幕末にかけて活躍した浮世絵師。31歳頃、『通俗水滸伝豪傑百八人之一個』で一躍人気を集め、「武者絵の国芳」として名を馳せました。大胆な武者絵、奇抜な寄せ絵、猫を擬人化した戯画など、その発想力は縦横無尽。一方、春画では美人画としての魅力が際立ちます。武者絵や戯画だけではない、もうひとつの国芳が春画には息づいています。
見どころ2:国貞の春画三部作「三源氏」がそろい踏み
『源氏物語』の舞台を室町時代に移した大ベストセラー『偐紫田舎源氏』が起こした「源氏絵」ブームのなかで生まれた、国貞の春画三部作。機知に富んだ趣向のみならず、空摺、艶摺、金摺に銀摺、1mmに3本を彫り分ける毛彫り──絵師・彫師・摺師の技を惜しみなく注ぎ込み、春画、いや浮世絵木版画の最高峰と評されています。
『艶紫娯拾余帖(えんしごじゅうよじょう)』天保6年(1835)頃

歌川国貞 色摺大本『艶紫娯拾余帖』月/天保6年頃(1835)/浦上蒼穹堂蔵

歌川国貞 色摺大本『艶紫娯拾余帖』雪/天保6年頃(1835)/浦上蒼穹堂蔵

歌川国貞 色摺大本『艶紫娯拾余帖』花/天保6年頃(1835)/浦上蒼穹堂蔵
「三源氏」で最初に出版された作品です。大ベストセラー『偐紫田舎源氏』と同じ柳亭種彦作・歌川国貞画のタッグで、物語もほぼその流れに沿って展開する、いわば『偐紫田舎源氏』の艶本版。タイトルは『源氏物語』「五十四帖」のもじりです。
『花鳥余情 吾妻源氏(かちょうよじょう あづまげんじ)』 天保8年(1837)頃

歌川国貞 色摺大本『花鳥余情 吾妻源氏』天/天保8年(1837)/浦上蒼穹堂蔵

歌川国貞 色摺大本『花鳥余情 吾妻源氏』地/天保8年(1837)/浦上蒼穹堂蔵
作者は洒落本・人情本作者の鼻山人。一条兼良の『源氏物語』注釈書『花鳥余情』をタイトルに拝借しながら、『源氏物語』に拠るのは天の巻の第一図のみ。附文は浮世草子『新薄雪物語』を作りかえています。なんといっても注目すべきは、ひたすらすばらしい浮世絵版画の技術が結集した春画たち。 1mmに3本彫る毛彫り、空摺の凹凸、艶摺の光沢等の技術が光ります。
『正写相生源氏(しょううつし あいおいげんじ)』 嘉永4年(1851)頃

歌川国貞 色摺大本『正写相生源氏』天/嘉永4年(1851)頃/浦上蒼穹堂蔵

歌川国貞 色摺大本『正写相生源氏』地/嘉永4年(1851)頃/浦上蒼穹堂蔵

歌川国貞 色摺大本『正写相生源氏』人/嘉永4年(1851)頃/浦上蒼穹堂蔵
作者は人情本作家の女好庵主人こと松亭金水。越前福井藩主・松平春嶽が作らせた私家版という説もあります。雲母、金や銀をぜいたくに使い、豪華さでは「三源氏」随一とされています。『偐紫田舎源氏』の光氏ならぬ室町御所の若君・吉光が、側室をはじめ、美貌と噂に聞いた幼い音勢とその母・浅香をも次々に相手にしていく好色物語です。
新宿歌舞伎町春画展WA 初めての音声ガイド、「声の案内人」で学びを深める
本展では音声ガイドを二本立てでご用意します。歌人・俵万智さんが『源氏物語』の世界を和歌とともに案内し、俳優・千葉雄大さんが展覧会全体を案内します。会場に掲示したQRコードを読み取っていただくことで、お手持ちのスマートフォンから無料でお聴きいただけます。英語版の音声ガイドもご用意しており、展示解説も日本語・英語を併記しています。
声の案内人(1)
歌人・俵万智さんの声で学ぶ『源氏物語』
歌人の俵万智さんが、国貞「三源氏」が元にしたと思われる『源氏物語』『偐紫田舎源氏』を紐づけて、描かれた場面の説明やそこで詠まれた歌についてご案内します。

俵 万智(たわらまち)歌人
早稲田大学文学部卒。1986年、作品「八月の朝」で第32回角川短歌賞受賞。
1987年、第一歌集『サラダ記念日』を出版、ベストセラーとなり、社会現象を巻き起こす。
翌年、『サラダ記念日』で第32回現代歌人協会賞を受賞。2004年 評論『愛する源氏物語』で第14回紫式部文学賞を受賞。第四歌集『プーさんの鼻』で2006年 第11回若山牧水賞を受賞。
歌集の他、評伝、エッセイなど著書多数。
歌集『未来のサイズ』で詩歌文学館賞、迢空賞を受賞。長年の清新な創作活動と短歌の裾野を広げた功績により、朝日賞受賞ならびに紫綬褒章を受章。最新刊『生きる言葉』が大きな反響を呼び、幅広い世代から支持されている。
X: https://x.com/tawara_machi
声の案内人(2)
俳優・千葉雄大さんの声で楽しむ「歌川国貞・歌川国芳」展
俳優の千葉雄大さんが、春画について、絵師について、作品について…春画の世界の魅力をご案内します。
【千葉雄大さんコメント】
今回、『歌川国貞・歌川国芳 新宿歌舞伎町春画展WA』の音声ガイドナレーションを担当させていただくことになりました。新宿歌舞伎町はもともと足を運ぶことがなかったのですが、ここ1年くらいご縁があって遊びにいくことが多くなりました。喧騒の中で喜怒哀楽様々な感情が渦巻いており、僕もそうですが、いろんな縁がある。その歌舞伎町で春画展をやられることはすごく好奇心がそそられます。これまで春画や歌舞伎町にご縁がなかった方にも、これをご縁とし、遊びに来ていただけたら、うれしいです。

千葉雄大(ちばゆうだい)俳優 1989年3月9日生まれ。宮城県出身。
2010年『天装戦隊ゴセイジャー』アラタ/ゴセイレッド役で俳優デビュー。
映画『殿、利息でござる!』で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
近年の主な出演作に、『アンメット ある脳外科医の日記』(2024)、『ダメマネ!-ダメなタレント、マネジメントします-』(2025)、『おコメの女ー国税局資料調査課・雑国室ー』(2026)。
主演舞台『二階堂朝陽は助けに来る』が10月17日より東京・大阪・富山にて、『ジャズ大名』が12月19日より神奈川・岡山・富山・愛知・福島にて上演予定。
観るだけで終わらない展覧会。6企画・全15回のイベントを開催



新宿歌舞伎町春画展WAは、「学び」を大切な軸のひとつに据えています。春画への理解を深めるきっかけとして、そして本展をもっと楽しんでいただくために、会期中は数多くのイベントをご用意しました。
落語にカツベン、ホストによるくずし字の講座、ギャラリーツアーなど、6企画・全15回のイベントを開催予定。ジャンルを越えて手を組むことで、文化と文化、人と文化、街と文化──いくつもの「WA」=「輪」が生まれます。
企画の詳細・全日程・お申し込み方法はHP、または別紙をご確認ください。
第一線の研究者とクリエイターがつくる展覧会

新宿歌舞伎町春画展WAは、作品を展示するだけのイベントではありません。作品の文化的背景や歴史的価値を正確に伝えることを重視し、第一線で活躍する専門家の監修・協力のもと企画・運営しています。
監修|浦上 満(うらがみ みつる)
「北斎漫画」の世界一のコレクターであり、春画の魅力を国内外に発信する第一人者。国際浮世絵学会常任理事、東洋陶磁学会特別会員。1979年浦上蒼穹堂を設立。2013年大英博物館の春画展では「Shunga in Japan LLP」を設立し協力、2015年永青文庫での春画展開催に尽力しました。
学術協力|板坂 則子(いたさか のりこ)
専修大学名誉教授、東京大学博士(文学)、国際浮世絵学会常任理事。専門は曲亭馬琴を中心とした江戸時代の文学・文化研究。著書に『戯作と艶本 馬琴から英泉へ、艶本化の水流』(武蔵野書院、2023年)ほか。作品や絵師解説、書入れ/詞書の読解にご協力いただき、展示内容の学術的正確性を支えています。
アートディレクション・空間構成|林 靖高(はやし やすたか)
現代美術コレクティブ「Chim↑Pom from Smappa!Group」のメンバーとして、国内外で数多くの展覧会やプロジェクトを手がけるアーティスト。作品が持つ歴史やユーモア、時代背景を体感できる展示空間を創出し、日本文化に親しみのない来場者や海外からの来訪者にも開かれた鑑賞体験を目指しています。


ホストクラブBONDは、本展の第二会場です。展示に加え、本展のグッズショップとしても営業します。出展作をもとにしたオリジナルグッズは第1回展で43種のオリジナルグッズを制作し、完売した商品も。制作を担うのは、今回も『Kabukicho Information Center』。
「歌舞伎町と世界をつなぐ」をコンセプトに、歌舞伎町ならではの空気感や街が持つ独自の魅力を、遊び心のあるデザインに翻訳し、プロダクトに落とし込み発信しています。
なぜ、歌舞伎町で春画展なのか
会場となる新宿歌舞伎町能舞台は、1941年(昭和16年)に「中島新宿能舞台」として建てられ、2022年にSmappa!Groupが取得した能舞台です。いまも観世流能楽師・中島志津夫氏(重要無形文化財総合指定保持者)による謡・仕舞の稽古が続く、歓楽街のただ中に息づく日本文化の拠点です。

歌舞伎町という地名は、戦後この地に歌舞伎の劇場を誘致する計画があったことに由来します。実現しなかったその構想を引き受け、この街から日本文化を創り出し発信する──それがSmappa!Groupが春画展を続ける理由です。
春画は江戸時代、「笑い絵」と呼ばれ、みんなで笑い合いながら楽しまれた絵でした。人間のおもしろさやおかしみが、そこに凝縮されているからでしょう。流れ着いた者を拒まず、日夜さまざまな人生が行き交う歌舞伎町もまた、春画の世界と地続きなのかもしれません。展覧会名の「WA」には、日本文化の「和」、人が集い語り合う「輪」、そして「笑い」の「わ」──三つの意味を重ねています。
展覧会詳細
展覧会名 歌川国貞・歌川国芳 ー新宿歌舞伎町春画展WA
会期:2026年10月3日(土)〜11月29日(日) ※11月2日(月)のみ休館
前期:10月3日(土)〜11月1日(日)|後期:11月3日(火・祝)〜11月29日(日)
展示替え休館:11月2日(月)
開館時間:11:00〜21:00(最終入場20:30)
特記事項:18歳未満入場不可
会場:新宿歌舞伎町能舞台/ホストクラブBOND ※受付は新宿歌舞伎町能舞台です
新宿歌舞伎町能舞台|東京都新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿2F
BOND|東京都新宿区歌舞伎町1-2-15歌舞伎町ソシアルビル9F
公式サイト:
https://www.smappa.net/shunga/
出展作品:歌川国貞・歌川国芳の春画・浮世絵 約100点 すべて浦上蒼穹堂蔵
解説言語:日本語・英語
音声ガイド:無料
※会場のQRコードから、お手持ちのスマートフォンでお聴きいただけます(日本語・英語)
※作品保護のため、予告なく展示作品が変更になる場合があります。
※時間の変更や臨時休館日を設ける可能性があります。最新情報は公式WEB/SNSにてご案内します。
チケット
・ 一般 前売1,900円/当日2,200円
・ 学生 前売1,200円/当日1,500円
・ 和合プラン(一般ペア) 前売3,500円/当日3,800円
・ 和合プラン(学生ペア) 前売2,000円/当日2,400円
・ 障がい者手帳・指定難病医療受給者証をお持ちの方+介添者1名 無料
チラシ割引:本展のチラシのご持参、またはチラシ画像のご提示で200円割引いたします。
取扱:ArtSticker/アソビュー!/チケットぴあ/イープラス/GetYourGuide/Viator
URL:
https://www.smappa.net/shunga/ticket.html
クレジット
主催 Smappa!Group、株式会社ワインライス
監修 浦上満(浦上蒼穹堂代表、国際浮世絵学会常任理事)
特別協力 浦上蒼穹堂
学術協力 板坂則子(専修大学名誉教授)
後援 新宿観光振興協会、新宿フィールドミュージアム協議会、歌舞伎町商店街振興組合
協力 株式会社The Chain Museum、銀座 蔦屋書店、日本文化ラジオ、セバスチャン高木、齊藤直子、猫町.、BiBiO、映画「月がみている」、新宿眼科画廊
メディアパートナー 給湯流茶道、東京かわら版、青い日記帳
音声ガイド 俵万智、千葉雄大
スタッフクレジット
企画 手塚マキ(Smappa!Group会長)/プロジェクトマネージャー・キュレーション 本屋しゃん/アートディレクション・会場構成 林靖高(Chim↑Pom from Smappa!Group)/音響制作 枯山水サラウンディング/音響設計 齊藤梅生(FLEXTONE)/第一会場デザイン 三井孝明/第二会場デザイン 西村健太/現場リーダー 加藤伸一/企画協力 諸田皓一(モロタオフィス)、相山華子(OFFICE-Hai)/PR 皆本類、Smappa!Group/デザイン Smappa!Group/翻訳 海老名楓/書 天尊/グッズ制作 Kabukicho Information Center
WAパートナーズ
展覧会は、主催者だけでは作れません。「WAパートナーズ」は、広告枠の販売ではなく、「文化体験を無料で開く」ための仕組みです。本展をともに作ってくださっているみなさまをご紹介します。 街と文化、人と人をつなぐ輪の、その一員です。
(敬称略・法人/個人別・五十音順)
かご山椒魚書房
湘南AGAクリニック新宿サザンテラス口院
合同会社白百合
株式会社TSTエンタテイメント
株式会社Trail Partners
LIFE MENTAL(セクシャルフルネス(R))くきたかなえ
・・・
加藤真名
WAパートナーズについて
https://www.smappa.net/shunga/wapartners/