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ティーンズラボ2004-08-06

センター街、10代の9割は「サー人」?!
ティーンズ夏休みレポート・イン渋谷

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夏休み本番の渋谷センター街は、普段にも増して多くのティーンが行き交っている。道端で話し込んだり、座り込んだりと、一見何をしているのかわからない彼らは、夏休みをどのように送っているのだろうか。毎日のように渋谷に遊びに来ている女子高生を中心にレポート。

■急増中の「イベサー」、たむろする10代の9割は「サー人」!?

夏休み本番の今は、いつもに増して渋谷センター街には多くの10代が行き交う。買い物にカラオケにプリクラ・・・、目的を持って遊びに来る10代も多いが、中には数人で話し込んだり、道端に座り込んだり、傍目には何をしているのかわからないティーンの姿も見受けられる。彼らは一体何をしているのだろうか。毎日のように渋谷に遊びに来ているという高校1年生のマナミちゃん(16歳)に話を聞いた。マナミちゃん自身は「渋谷には買物とかクラブイベントでよく来るし、週に2回はサークルのイベントの打ち合わせがある」と言う。高校入学後すぐ、女子中高生向けファッション雑誌「egg」に掲載されていたイベサー(イベントサークルの略)に入ったという彼女は、中学3年生のときからサークルに憧れていたそうだ。マナミちゃんは「渋谷によく遊びに来たり、センター街でたむろしてる10代の子は、9割くらいがサー人だよ」と言う。ちなみに「サー人」とは、何らかのサークルに属している人、という意味だそうだ。

一昔前なら、若者のサークルと言えば大学生が主流だった。しかし今は、10代の高校生の間でサークル団体が急増している。主な活動としては、クラブでパーティーなどのイベントを開催することで、「サー人」の特徴は、ギャルやギャル男の所属率が高いという点。都心部だけでも数百のサークルがあると言われており、規模は様々だが20~30人規模が最も多いようだ。そんなサークルも大まかにいくつかの系統に分かれているとのことで、マナミちゃんに解説してもらった。

まず、サークルの形態や活動内容を軸にした系統としては、以下の3つに分けられる。

  • 「イベサー」:男女混合のイベントサークル。
  • 「ギャルサー」:女子だけのイベントサークル。
  • 「和み系サークル」:イベサーの対極にあるサークル。イベントは行なわず、メンバーで集まって和むことが主な活動。「和み」の内容は、主に花火や飲み会など。

また、ギャルサーはファッション的要素で以下の7つに分けられる。

  • 「お姉系」(所属条件:大人っぽくキレイめのファッションであること)
  • 「リズリサ系」(所属条件:10代に人気の109ブランド「リズリサ」を着ていること)
  • 「ギャル系(白)」(所属条件:ギャルっぽくて、色白であること)
  • 「ギャル系(黒)」(所属条件:ギャルっぽくて、ガン黒であること)
  • 「B系」(所属条件:ヒップホップやラップなどの黒人アーティストをルーツとするファッションであること)
  • 「マンバ系」(所属条件:ヤマンバの進化系である「マンバ」であること)
  • 「着ぐるみ系」(所属条件:着ぐるみを着ていること)
マナミちゃん

サークルのイベントの打ち合わせは「渋谷公会堂前が定位置で、1~2時間は打ち合わせをする」と、マナミちゃんは言う。猛暑が続く今夏も「やっぱお金がないので、どこかの店に入るのは無理だし・・・」と、少し辛そうな表情を見せるが、それでも打ち合わせが終わった後はさらに、パラパラの振り付けを練習するなど合計3~4時間いるのだそうだ。ちなみにお金がない子が所属するサークルは渋谷公会堂の前、比較的お金を持っている子が多いサークルはセンター街のロッテ(ロッテリア)が溜まり場になっているらしい。打ち合わせは、クラブイベントにおける各自の役割を決めることが主な内容で、その他に前納金を納めたりするという。「イベントによって前納金っていうのが決まっていて、大体は1万円前後。それを納めるとチケットがもらえて、自分の名前を書いてから友達とかにさばいて、当日友達がイベントに来てくれると1,000円の『バック金』がもらえる」という。

夏休みになって両親から旅行に行こうと誘われたが、週に2回あるサークルの集まりを優先して断ったというマナミちゃん。「サークルが一番楽しいし、生活の中心だから」とマナミちゃんは言い切る。彼女の所属するサークルは高校生が中心で、初代と2代目は卒業しており、現在の高校1年生は5代目となるそうだ。高校3年生の夏に受験や就職を理由に引退するのが大方の決まりで、イベントで引退式を行なうなど、夏はサークルの活動が一番盛り上がるという。サークルが楽しい理由について聞くと「テクノのパラパラの振り付けとか教えてもらえるし、趣味の合う子が集まっているから普通の友達より結束力が強い」という。マナミちゃんの通う高校は中高一貫の女子高のため、お嬢様っぽい子が多くてつまらないという。メンバーの中には同じような環境の子が多く、みんな気の合う友達を求めてサークルに入るのだそうだ。

マナミちゃんの夏休みの目標は「サー人の彼氏をつくることと、クラブイベントでお立ち台にのぼること」だという。現在、ほかのサークルに好きな人がいるそうだが、その人に告白するつもりはないとか。「サークルをやっていると、例えふられても合同イベントとかで顔を合わせるし、気まずくなるのが嫌だから」(マナミちゃん)とのこと。一緒に歩いていて恥ずかしくない程度にカッコイイ人なら、彼氏にするのは今好きな人じゃなくてもいいのだそうだ。そんなマナミちゃんが渋谷に来る日以外は何をしているのだろうか。「家でイベントのパンフレットを作ったり、パンフレット用のプリクラを撮りに行ったり、ネットで他のサークルの掲示板に書き込みしたりしている」という。放課後生活のすべてがサークルを中心に回っているようだ。「夏休みは女子高生というブランドを使い切るチャンス。クラブイベントで目立ったり、彼氏を作ったりして楽しく過ごしたい」とマナミちゃんは明るく話す。

マナミちゃんと一緒にセンター街を歩くと、何人かの10代らしきギャル達と軽く挨拶を交わしていた。確かに、数人で集まっている10代は何らかのサークルに入っているようだ。「男の子の場合、バーバリーかアルマーニの服を着ている人はサー人の確率が高い」とマナミちゃんは言う。また、「クラブイベントに行った時は、知り合いが多ければ多いほどステータスになるので、自分の顔と名前をいっぱい売らなきゃ」ともいう。サークルには基本的に目立ちたい子しか入らないため、そのなかでもいかにして目立つか、ということが彼女達にとって最重要課題のようだ。こうした事情を背景に、夏休みのセンター街には10代の「サー人」たちが集う。

■「毎日ブラブラ」「バイト代を家に入れたい」・・・それぞれの夏休み

ヒップホップ系のファッションに身を包んだワタルくんとカズヤくんは、大田区に住む高校3年生。センター街で立ち止まっていた2人に話し掛けてみると「ブラブラしてるだけ」との返事。高校も大田区にあるという2人は、学校がある日は毎日渋谷に来ていたが、夏休みに入ってからは少し来る回数が減ったという。その分、由比ガ浜などの海へ遊びに行っているのだそうだ。「いつもは高校の友達5人で渋谷に来てるけど、今は中でも一番ヒマな2人だけ」とカズヤくんは言う。

一方、センター街のカラオケボックスの前でプラカードを持って客を誘導しているティーンを見つけた。ユミちゃん(16歳)は高校1年生で、夏休みは週3~4日バイトをして過ごすという。バイトをする理由については「遊びたいし、服も買いたいし、家にもお金を入れてあげたい」と話す。ユミちゃんの実家は大田区で商売を営んでおり「なんか親も大変そうに見えるから」とユミちゃんは言う。渋谷のカラオケボックスをバイト先に選んだのは、時給が良かったのがその理由。「地元だと高校生の時給は700円とかが多いけど、ここは950円。お姉ちゃんもここでバイトしていたし・・・」。今年の夏休みで10万円以上稼ぐと言うユミちゃんは、バイト以外で渋谷に来ることはあまりないようだ。「だって、お金がないと行くところないし。遊ぶ時は地元のコンビニに溜まったり、プリクラ撮ったり、ブラブラする事が多い」とのこと。ユミちゃんのように、夏休みの渋谷は仕事場でしかないという10代も少なからずいるようだ。

ワタルくんとカズヤくん

■夏休み明けの2学期までに「変身したい」-はじける高校1年生

渋谷にあるマーケティング会社「ブームプランニング」代表の中村さんは、今年7月15日に講談社文庫から「『ウチら』と『オソロ』の世代~東京・女子高生の素顔と行動」を出版した。18年間に渡り、仕事を通して接してきた女子高生の素顔と行動をまるごとまとめた一冊だ。女子高生の生態に詳しい中村さんに、夏休みの過ごし方について話を聞いた。「女子高生が夏休みにしたいことと言えば、海やプール、テーマパークへ行くことが1番に挙げられる。一方で『水着に着替えるのが疲れる』などと言って、外に出たがらない女の子もいる」と中村さんは語る。今の女子高生は学校に塾、友達との遊びなど、普段から忙しい毎日を送っているため、夏休みくらいは家でゆっくりしたい、という「年寄り系」の10代が増えてきたというのだ。

「女子高生の中でも、夏休みを謳歌することに対して最も意欲的なのが高校1年生」と中村さんは見ている。何かと制約の多い中学校を卒業したばかりの高校1年生は、夏休みになってバイトを経験したり、髪の毛を染めてみたり、彼氏を作ろうとしたり、「初めて」のことにチャレンジしたがる傾向にあるという。「夏休み明けの2学期までに変身したい、という願望が強く、ダイエットやおしゃれ、恋などで自分に磨きをかけようということらしい」と中村さんは話す。

夏休み期間中の渋谷は、常に渋谷に遊びに来ているティーンに加え、地方から来る10代も増える。中村さんは、「地方の高校生にとって、夏休みの渋谷という場所は『はじける』ための象徴的な場所になっているようだ」と推察する。暑さの影響で解放的な気分になり、平常に比べて時間的自由が効く夏休みは、あらゆる情報の発信地であり、様々な刺激のある渋谷が、高校生にとって一番「はじける」場所なのだろう。中村さん曰く、10代の女の子に聞いたところでは、夏休みの渋谷は人が多い分ナンパも多くなるのだそうだ。「女子高生にとって、同じ年代の男の子から声を掛けられることは嬉しく楽しいこと。ただし、制服を着ている平常と違って、相手の男の子の素性がわからないという点が不満でもあるようだ」と中村さん。また、夏場は怪しいキャッチセールスが増えるなど、危険度が増すことも彼女達は心得ていると言う。「ちなみに、女子高生にとっておじさんから声を掛けられることは『ナンパ』とは言わない」と付け加える。

ブームプランニング 「ウチら」と「オソロ」の世代(講談社文庫)

夏休み中の10代のなかには、予備校の夏期講習や部活などに一生懸命打ち込んでいるティーンも少なくない。しかし、渋谷というハレの場所に集まる10代は、「今」を楽しく遊ぶことに貪欲で、刺激を求めに来ている子が大半のようだ。ただ、サークルの全盛で、大人顔負けの「役割分担」や「ノルマの達成」に追われる十代も少なくない。それでも、気の合う仲間を得ることには代えられないという。夏休みの渋谷は、「はじける」10代の多様な過ごし方が交錯する。

『ウチら』と『オソロ』の世代

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