新・文庫本サービス「ブックス文庫」始動へ-著名クリエーターらも参加

各分野で活躍するクリエーターらが参加した「天然文庫」シリーズ。装丁に付くQRコードも特徴

各分野で活躍するクリエーターらが参加した「天然文庫」シリーズ。装丁に付くQRコードも特徴

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 1冊500円からオリジナルの文庫本を「出版」します――ウェブ上と連動したコンテンツを「文庫本」形態で印刷・出版できるサービス「bccksbunko(ブックス文庫)」が著名クリエーターらとコラボレーションした書籍シリーズが、原宿のイベントスペース「Vacant」(神宮前3)などで販売されている。

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 書籍や雑誌のテンプレートを使い、ウェブ上に「本」のようなメディアを作ることができるサービス「BCCKS」が始まったのは2007年8月。広告、書籍、映像など幅広い分野で活躍し、デジタルメディアのアートディレクションも積極的に手がけてきたデザイナー松本弦人さんがアートディレクションを担当し、雑誌や映画との共同企画をはじめ、出版社「リトルモア」(渋谷区千駄ヶ谷3)との共催で一般から「写真集」案を募る「写真集公募展」も定期的に開いている。

 運営はBCCKS(品川区)。「編集」「デザイン」を切り口に、「これまでにない」新しいウェブの可能性、メディアにとらわれない「新しい本のかたち」を提案しようと、松本さんのコンセプト立案の下、コンテンツプロデュースなどを手がける山本祐子さんが社長となり2007年に設立。翌2008年2月からオープンテストを開始したサイトでは、ウェブ上で「雑誌」「写真集」「日記」などの「本」を公開するサービスを展開してきた。

 新たな試みとして、1冊からでも手軽にデータを印刷し、オリジナルの「文庫本」として出版できるサービス「ブックス文庫」の本格始動に向け、写真家や画家、編集者らさまざまな分野で活躍するクリエーターと組み、100冊の文庫本を2年間かけて発表する「天然文庫の100冊」を今春から始めた。

 これまでに参加したのは、写真家・川内倫子さん(「べたりんこ」)や画家・五木田智央さん(「シャッフル鉄道唱歌」)、ニューヨークを拠点に活躍するアーティスト、ピーター・サザーランドさん(「WAR」)、人気ブランド「mother」デザイナーのeriさん(「まばたき」、以上カッコ内は書籍タイトル)ら。

 7月に出版を開始し、8月下旬にすべてが出そろった最新シリーズは、現代美術作家・青木京太郎さんやアムステルダム出身、北カリフォルニア在住のフォトグラファー・映像作家のアリ・マルコポロスさん、グラフィックデザイナー・作曲家の浮舌大輔さんらが参加。アートディレクター浅葉克己さんは卓球をテーマに「ピンポン」と題した文庫本を出版。「ビームス創造研究所」クリエーティブディレクターで「BEAMS RECORDS」ディレクターの青野賢一さんは日々「感じること」をつづったコラム・エッセーを書き下ろした。

 ホームページで一部を公開しているこれらの天然文庫シリーズは、写真集に近いものから、詩やイラストで構成するものなど、デザイン、内容もさまざま。ページ数やカラーなどの関係から、同シリーズの価格帯は1,000円台が中心だが、一般でのサービス料金はモノクロ48ページの文庫本で1冊525円と低価格なのが特徴。著者以外の作品を購入する際は、1部につき一律210円の「著者印税」が発生する。天然文庫では、1冊一律210円の著者印税と105円の編集印税がそれぞれ振り込まれる仕組みだ。

 同シリーズの反響について、山本さんは「大きな告知をしていない中で、購入者は増えてきている。大手書店やカルチャー誌を扱う書店のほか、海外書店からの取り扱い依頼が増えてきている」と話す。現在は、ニューヨークやロンドンの書店でも販売を始めている。「個人使用のみならず、誰もが『ノーリスク』で在庫なしの個人出版をすることができる。『天然文庫』は、新しい出版の広がりを作っていくことに賛同した方にご参加いただいている」と発売の経緯を説明する。

 同シリーズの発売日は、偶数月の最終土曜日。BCCKSの公式サイト(PC、携帯)をはじめ、原宿「Vacant」(神宮前3)や「青山ブックセンター本店」(神宮前5)で販売する。

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